第43話 まさかのラブコメ流れ
すみません、更新遅れました。
「あそこに行こう!」
俺と歌川の2人は竜也のその言葉を聞き、そしてそのまま「あそこ」とはどこなのか全くわからないまま連れて来られていた。
俺達は一体どこに向かっているのだろうか。
神流川の戦いを安全に見守ることができる場所に案内されているというのはわかるのだが、果たしてそんな場所存在しているのだろうか。俺は疑っていた。もちろん歌川も同じく疑っていた。
「ついたぞ」
俺達の疑いをまったく気にしていないのか竜也はどうやら目的の場所に着いたらしい。俺は、目的地として着いた場所を確認する。
そこは何とも違和感のない家が一軒建っていた。
「中に入ってくれ」
竜也にそう言われると俺らは中に入る。
「おじゃまします」
「あっ、おじゃまします……」
歌川が丁寧にこの家に入る時に「おじゃまします」と言ったので、俺もきちんとしなくてはいけないと思い「おじゃまします」と照れながら言って入った。
外見は完全にこの時代らしい古びたものであったのだが、中に入ってみるとどこか懐かしい感じがした。よくよく見てみると、中には何でか分からないが、現代にあるような機会があった。テレビと大型カメラが俺の目にまず入った。
「ここは一体?」
「どうして私達の時代のものがここに?」
俺と歌川は同じ疑問を抱く。
その理由を竜也が答えてくれる。
「この家はな、俺んちの別邸というか、倉庫だな。家の敷地の端にあった物置として使っていた古びた小さな建物だったんだが、俺はここに昔使っていたゲームがしまってあったから探しに来ていたんだが、ゲームを探している最中に目の前が急に光りだして気が付いたらこの世界に来ていたという訳だ。俺は、家ごとこの時代に来たんだ。とりあえずここが神流川の戦いを見渡せる位置にあったかどうかはその時は分からなかったが、偶然近くに小田原北条氏に付いていた足軽にあったんで、そのまま小田原北条に最初は組みしていたという訳だ。これが、俺がこの時代に来た時の話だが、まあ、これでこの家の説明もできたしいいな?」
「まあ、疑問は解けたけど……」
「家ごとねぇ」
俺達は今一ピンときていなかった。でも、俺達もこの時代にタイムスリップしているのだし、家ごとこの時代に来てもおかしくはないと思ってはいる。いるけど、やっぱりまだ何かモヤモヤというかはっきりとそのまま「うん」と答えるような気にはならない。
「疑っているなあ、小田よ」
俺が、疑ってかかっていることに竜也は気づいたみたいで声をかけてきた。
「疑っているも何も、だって信じられるか。こんなことに」
「まあ、信じてもらえるのは難しいよな。でも、俺らは戦国時代にタイムスリップした。それだけですでに現実離れな経験をしているんだ。そこにまた現実離れな出来事が増えたところで何も変わらないだろ」
「まあ、そうだけどさあ……家はさすがになあ」
「そうね。家までタイムスリップしてきたとなるとちょっと……ねえ。でも、この中にあるものって使えるのかしら? 私そっちの方が今気になっているわ」
歌川の言葉に俺らも思った。
竜也はまだこの中にある電化製品などを扱ってはいないようだ。インターネットにパソコンをつなげることができるのか。そもそも電気をつけることができるのか?
電気が付くことはおそらくないだろう。
だって、戦国時代に電気なんて概念がないのだから。
こんな時代に関東電力があったら驚きだ。
俺は、そう思ってかかっていたので部屋の電気をつけるスイッチをポチッと押す。
ポチッ
「あっ」
「ついた」
「ついた、ね」
「ついちゃった」
電気がついてしまった。
「どういうこと?」
俺はこの現象を理解することができなくて動揺していた。
「あまり深く考えてはいけないかもね」
「そうだな。気になることであるが、やはりここはファンタジーだということにしておくしかないかもな」
「……どういうことだ? どういうことだ」
「おいおい、小田?」
「小田君?」
「どういうことだ。どういうことだ。どういうことだ」
「ああ、これは頭が完全にパンクしてしまってるな」
「まあ、仕方ないかもね。小田君は考えすぎだからこうなってしまうのは何となくわかっていたかも」
「じゃあ、小田を正気に戻させてやってくれ、歌川」
「私が?」
「そうだぞ。歌川以外にその仕事ができると思いか。さあ、小田を正気に戻すんだ」
「戻すと言ってもどうすればいいの?」
「そりゃあ、王子様にはキスでしょ」
「き、きききキス!?」
「そんなに動揺することか? 歌川、お前小田のことが好きだろ」
「な、ななななナンノコトダカわ、私にはわからないなあ」
「おい、ものすごい動揺しているぞ。バレバレだ。まったく、お前たちは戦国時代に来て命の危機を感じつつあるからもう少し積極的に行動するとは思っていたが現代にいたころとまったく変わらないな。俺がわざわざ告白する機会を幾度となく与えたというのに」
「……それ、どういうこと?」
「歌川、気づいていなかったのか? ……まあ。もう面倒くさいしいいか。本人達の問題であるから俺は関与する気にはなっていなかったが、小田は歌川お前のことが好きだぞ」
「えっ。そ、そうなの?」
「まあ、お前たちが考えることだ。俺には関係ない。俺としてはさっさとくっつけというのが本音だがな」
「野村君……」
次回は明日20時更新予定です。




