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第33話 滝川説得


 「わかりました。滝川様はこのあと織田信長亡き後行われる清須会議に神流川の戦いに敗れたことを理由に参加することができず、織田家内において影響力をなくし、今のような力を織田家内で発揮することができず失意の中死去します」


 竜也は、滝川一益に素直に未来を伝えた。


 (竜也のばかあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ)


 俺は、口に出して竜也に文句を言って見たかったのだが、あいにく口に出して大声で竜也を罵倒するだけの勇気とその気力がなかったので心の中で思いっきり叫んでいた。

 なんで、そんな馬鹿正直に滝川一益に未来を伝えるんだよ。確かに滝川一益という名前は俺みたいな戦国の知識が乏しい人にとっては信長が死ぬまでは活躍したけどその後ってどうなったの? って思ってしまうような人物であるけど、それを正直に言うのはどうかと思うぞ。

 そして、俺と同様に隣にいる歌川もかなり動揺していた。

 あわわ。

 本人に言ったら否定されるかもしれないがそんな風に口に出して慌てていた。

 ……あわわ、と言って慌てている人を生まれて初めて見た。そんな人がまさか漫画の中ではなく現実にいるとは思っていなかったから。


 「我は……そうなる運命なのか?」


 「ええ、そうです」


 滝川一益は、竜也にその話のことを聞いた。

 竜也は答え、詳細を語りだす。


 「滝川一益様は、本能寺の変の後に上野国において行われます神流川の戦いで北条家に負けそのまま上野の織田家支配の影響力を失いながら織田家の本国へと帰参しますが、その時に織田家の重臣によって開かれた織田信長公亡き後の織田家後継者を決める会議の清須会議に参加することを許されず織田家での地位を失います。清須会議で羽柴秀吉が信長公の実質的な後継者としての地位を手に入れ対立した柴田勝家に滝川様は付きますが、柴田勝家は羽柴秀吉に負け、滝川様は降伏することになり余生をわずかな領地をもらいそのまま晩年を過ごすという将来になります」


 「それが、我の未来……」


 竜也が詳しい話をしたことでかなり滝川一益は神妙な顔つきとなった。

 竜也の話を聞いて神妙になったということは多少なりともその未来になることをイメージしてしまい恐れたということだろう。竜也が本当の未来を言っていることは俺達からしたらわかっていることだ。しかし、滝川一益は疑っている。そんな未来になるはずがないと。でも、歌川が本能寺の変のことを先に伝えて戻ろうとした件もある。未来を当てたことはすでに証明されている。だから、滝川一益はそんな未来があるかもしれないと急に恐れ始めたのだ。


 「どうですか、滝川様。私たちの話を信じてもらってもいいでしょうか?」


 「そうですよ。私が滝川様に本能寺の変のことを前に伝えたじゃないですか。そのことはどう思っているのです。あれは未来を予想していたじゃなくて未来を知っていたということに違いないと思いませんか?」


 「そ、それはじゃな……」


 たじたじになる滝川一益。

 だが、そろそろ未来人だということを認めざる得ない状況になっていると本人も理解し始めたようだ。

 そして、


 「わかった。お前達が未来人であるということは認めよう。それでお前達はそれを我に伝えてどうしたいというのじゃ」


 「はい。私達はこの神流川の戦いと後に呼ばれる戦に勝ちたいと思っています」


 「戦に勝つ? そういえば、さっきの話によると我はこの戦で敗北すると言っていたな」


 「ええ、負けます。もともとの兵力差に加えて上野の国衆が思ったように動いてくれなくて戦がうまくいかなくなってしまいます」


 「上野の国衆め」


 滝川一益は、竜也の言葉を聞いて悪態をついた。

 その顔は苦々しいものであった。


 「それで、今から上野の国衆達が協力をしてくれるように説得をしようと考えているのですが、それにもちろん滝川様も協力してもらえますよね?」


 「わかった。いいぞ」


 竜也の提案に思っていた以上に楽にのってきた。

 自分の未来を変えようと滝川一益も思ったのだろう。そのためにはまずこの戦に勝たなくてはいけない。上野国の織田家支配を終わらせないためにもここは踏ん張らなくてはいけない。

 だから、上野の国衆に説得することが自身の保身のためにも必要なことだと判断した。竜也はそのいった滝川一益の行動をすべて予想したうえで会話をしていたとなると……なんか、腹が立つ。


 「では、これから上野の国衆達に積極的に説得する所存ですのでご協力お願いします」


 「わかった。では、どなたの元へ行こうか?」


 「まずは、真田安房守殿のところから向かいましょう」


 竜也は、滝川一益に対して最初に言った人物は俺にとっては意外な人物であった。

 そもそも俺がかろうじて知っている人物であった。

 真田安房守。つまりは真田昌幸のことだ。


 「真田って上野の国衆なのか?」


 俺が、思った疑問はそれだった。真田っていえばやはり信州上田つまりは現在の長野県上田市を思い浮かべる。それなのにどうして上野にいるんだ?


 「小田君。真田はね、信州上田以外に上野の北部現在で言うところの吾妻郡から沼田市も領地として持っているの。有名な城として吾妻郡にあった岩櫃城、沼田市にあった沼田城、みなかみ町にあった名胡桃城なぐるみじょうがあるのよ」


 沼田城だけは名前だけ聞いたことがあったがあとの2つについては全く知らなかった。でも、真田が上野にも領地を持っているということだけは理解した。


 「ちなみに名胡桃城はあの豊臣秀吉の小田原攻めのきっかけになる城だからかなり知名度は戦国マニアの間では高いのよ」


 ……戦国について詳しくない俺からしたら知らないことでも戦国好きにとっては当たり前の事だったみたいだ。

 もっと、戦国の知識を知っておかないとこの時代で俺が生きていくことは難しいようだ。


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