表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒の英雄譚 ~漆黒の女帝~  作者: 涙目 ホクロ
職人の街 ファージ
40/66

第39話 初の迷宮探索(6)

※微グロ注意。

カシャン、カシャン。

目の前の機械から金属音が響く。地面から何かを掘り出しているみたいだ。


「この巨大な機械は?」

「鉄堀機だよ。これで剣を作る鉄を掘るんだよ。でも迷宮に鉄堀機なんてやっぱりここはジヤの工房なのかな?」

「その線が高いな。何故ジヤはこんな所にわざわざ工房なんかを……ん?どうしたスザク?」


スザクが落ちていた一本の剣を手に取り、ゆっくり何か確かめるように観察し、「これは…駄目だな」と呟き、剣を投げ捨てる。


「主よ、ジヤとの戦い。我に譲ってもらえないか?」

「何故だ?」

「ジヤという若造の興味が出てきた、ただそれだけだ」

「なるほどねぇ。いいけど面倒な事態になったらオレも関わらせてもらうよ」

「承知した」


スザクが武器、特に刀に興味を持っていたことはここ数日で初めて知った。

多分ジヤの打った作品をみて、何か感じたのだろう。


「それにしても次の階層に行く階段見つからないね?」

「確かに階段らしきものは何もないな。あるのはこのでかい鉄堀機」


ん? 鉄堀機の装甲に何か挟まっている。

でも、少し高いな。


「スザク、ちょっとオレを持ちあげてくれ」

「承知」


スザクの協力を経て挟まっていたものを取り出す。

鍵だ、ただこの鍵異様にでかくて重い。


「何だろうね? その大きな鍵」

「見渡す限り扉的な物などないし、ましてやこの大きさ見当もつかん」


修羅姫とスザクが互いに意見を言う。

確かにこの大きさ何に使うかは予想できない。


「とりあえず、この鉄堀機を詳しく調べてみるか」


他に何か分かるかもしれない。

鑑定スキルを使う。ふむふむ鉄堀機ということしか分からない。

でわ鍵の方はなんだ? 鑑定してみる。


天秤が示す道しるべ、これすなわち均等なり


ふぁ? 

鍵の説明になってないぞ。鑑定スキルの故障か?

もう一度、鉄堀機を鑑定してみる。

ふむ、普通に鑑定できた。でわもう一度鍵を鑑定してみる。


天秤が示す道しるべ、これすなわち均等なり


先程と同じだ。

鑑定スキルは故障はしてないみたいだ。

それにしてこの鍵の説明、意味深過ぎる。もしかして何かの暗号か?

鍵、英語で言うとkey。他に鍵という意味は……。


ああ、なるほどようやく分かった。この鍵が示すもの、それは次の階層に進むためのヒント。

天秤が示す道しるべ、これすなわち均等なり。

このヒントで最も注目しなければならないのは均等。多分この鍵と同じ重さにしないといけないのだろう。

だとしたら計る物が必要だ。


――カチャン

どうやら足に散乱していた武器を踏んでしまったみたいだ。

ん? もしかしたらこの階層がトラップ階層だということが分かったかもしれない。

このエリア中にあるトラップの全ては探索者が捜索するのを邪魔するための品物、だとしたらこの散乱した武器の中から天秤を探すことがこの階の主な目的。


だとしたら天秤を発見したら何を計ればいい?

ここにあるのは、この鍵が挟まっていた鉄堀機くらいだ。

……それだ、鉄を掘るんだ。鉄を掘ってこの鍵と同じ重さにすればいいんだ。


さぁ謎は解けた、後は実行するだけだ。


「仕掛けが解けたみたいだね雪」


オレの表情から察してか修羅姫がそんなことを言う。


「ああ、解けた。スザク、鉄を掘れ。修羅姫はスザクのサポートで一緒に鉄を掘ってくれ」

『『了解』』

「オレは必要な物を探してくる」


正直先程みたいなできごとはもうこりごりだ。

罠探知のスキルを発動し、罠を避けながら階層全体に索敵スキルで天秤を探す。

四ヶ所で反応が出た、それをさらにスキルを重ねがけで使用し鑑定スキルで詳細を確認する。

天秤の破片一、天秤の破片二、天秤の破片三、天秤の破片四

厄介なのは、天秤の破片四の在処が先程、溶岩に沈めた岩盤にあったみたいだ。

そのため溶岩の中から反応が出た。

まぁとりあえず残りの三つを回収して対策を考えるか。

それにしても罠探知のスキル中々便利がいいな、罠詳細まで確認することができるのか。

――なんだ? 一瞬だが索敵スキルに魔物のマークである赤い斑点が現われた。

だがそれ以降索敵スキルには何も写されない。

気のせい、だといいのだが破片の回収を急いだほうがいいな。



一方その頃、第二層にて、雪たちと別れたバチョフの部隊。


「すごい、まだ燃えてやがる」

「おい、ニコラス。置いて行くぞ」

「あ、待ってください。隊長」


確かにニコラスの言うとおり、一番最初のエリアを出ておよそ三時間は経っている。

それなのにスザク殿が倒した敵はまだ燃えている。

それどころかそのスザク殿の炎を恐れてか、雪と別れた後から魔物に遭遇すらしていない。

おかしい、うまくいきすぎている。なにかありそうな感じがする。


「隊長、出口です。出口が見えました」


隊員がそう告げる。

もうそんなところまで戻ってきたのか。


「おい、貴様。そこで何をしている!! ここは危険だ直ちに街に戻れ」


ん、先頭の方で何かあったみたいだ。先頭を携わっていたアルスクの声が響く。

民間人が迷ったりしたのか?


「ワガハイハ、ベルゼブブニオツカイスルマゾクジュウヨンハクシャクノヒトリ、ツウショウブタトヨバレルモノ」

「!?」


突如目の前に先頭を行っていた、アルスクの首が現われる。

そう胴体なんか繋がっていない、|生首<・・>だ。


『『ひ、ひぃぃぃーーーー』』


何が起きたか分からなかった。ただ感じ取れたのは、先頭から来るとてつもない威圧感と隊員たちの悲鳴。

足が動かない、俺が指揮をしなければいけないのに。こ、声が出ない。

目の前で隊員が次々殺されていく。

イヤル、ミレマ、アラン、みんなが殺されていく。


「ブヒヒヒヒヒヒッヒヒ、ヤハリニンゲンノチハカクベツニイイカオリヲハナツ。ワガハイノコウブツノカオリダ」

「や、やめてくれ、こ、これ以上仲間を殺すのは……」


ようやく絞り出せたのはカスカスの声。でもどうやら相手にはちゃんと聴こえたらしい。


「ブヒヒヒヒ、キサマガタイチョウカ? ナントモチイサイ、チイサスギル。コレデハマルデアリヲフミツブスカンカクダ」


いざ目の前にしてみるとい先程感じ取った威圧感が恐怖を与えてくる。

――恐怖を具現化した怪物。

大きい、先程まではそんなことなかったのに。

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い


「ブヒヒヒヒ――シネ」

仲間を葬ってきた槍を振り下ろす。


殺される


そう確信した。どうあがいても目の前の敵を倒すことは不可能だ。

最後の希望は今の一分にも満たなかった会話の間に一人でもいい、誰か逃げ延びることだ。


カキンッ


「――その人に触るな。この豚野郎」

「ブヒ!?」


振り下ろされた槍がはじき返される。

目の前に現れたのは、長槍を持った蒼い髪をした青年。

俺のよく知る人物、でも少し違う。


「カガトなのか?」

「私もいますよ。バチョフさん」

「ビャッコさん」

「まぁ事情は追々説明します。今のうちに撤退を」

「感謝します。それでビャッコさんは?」

「私ももちろん戦いますよ。『雷刃閃光』」


ビャッコさんの身体が青白く光を発する。


「あのビャッコさんですか?」

「まぁこれも追々説明しますね。さぁ早く皆さんに指揮を」


先日カレーを御馳走してくれた彼女とは似ても似つかない。

ますます魅力的だ。

おっといけない思考がずれてしまった。

これはチャンスだ。


「隊員全員に告ぐ。出口をめがけて突っ走れ」

「ブヒヒヒヒ、ソンナコトワガハイがユルストオモッテイルノカ?」


当然のごとく、怪物が追いかけてくる。


「その言葉そっくりそのままお前に返すぞ豚野郎。オレから逃げ切れると思っているのか」


カガトが槍で怪物の腹部を槍で刺す。


「ここに開放するは、龍の咆哮。目覚めろ『蒼雷槍テンゲキ』!!」


解放の呪文(コマンドワード)叫び本来の槍の姿に戻す。

だが見たことないあんな槍、そもそもカガトは短剣使いのはず。

何故槍の扱いが、あそこまでうまいのだろうか?


「ブヒヒヒヒ、イマノハキイタゾ。ダガショセンハフイウチニドモオナジテハクワナイゾ」

「何を言っている? オレの攻撃はまだ終わってない」


腹部に突き刺した槍から電撃が放たれる。


「ブヒヒヒヒッヒッヒ」


電撃により怪物の肉が焼ける匂いが漂う。先程のダーティワームに負けない匂いだ。


「隊長、残りは貴方だけだ。早く逃げろ、こいつ地味にタフだから今ので死んでないっぽい」

「あ、ああ分かった。また後でな」


ここはとりあえず二人に任せよう。

そしてあとでちゃんと説明してもらおう。



「待たせたな豚野郎。さぁ続きをしようか」

「私も混ぜてくださいね。貴方の雷じゃ火力足りてないみたいですから」

「足引っ張らないで下さいよ。ビャッコさん」

「あら、人間の小僧があまり調子に乗らないでください。豚野郎の次に仕留めちゃいますよ」

「ブヒ、ブヒヒヒヒヒヒヒ。オマエラゼッタイニコロス」

『『あまり調子に乗るな。豚野郎』』


カガトの正体は追々話すとします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ