表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒の英雄譚 ~漆黒の女帝~  作者: 涙目 ホクロ
始まりの街 アスラ
13/66

第12話 純白の竜騎士《ドラグナー》(1)

不明な点などがあったらコメントしてください。

すぐに直しますので

冷たい。

大理石の上に寝そべっているみたいだ。

暗い。

目を閉じている時みたいだ。

ここはどこだろう?

手を動かしてみる。

ん?何か握っている。

私はそれを手探りで触っていく。

これは通学カバンだ。

確か吹雪と普段通り帰ろうとして吹雪の教室に行ったら警察がいて、あれそこから先は何だったけ?


「つ、ついに成功した。急いで魔王様に報告を」

真っ暗な空間に声が響いた。

誰かがドタドタ走って行った。


魔王・・・中二病の人にでも誘拐されたのだろうか?

いやそれはないか。

私には誘拐される理由はない。

胸はBカップでクラスの子たちより小さいし、顔も美人というわけでもない。

それに、お金持ちというわけでもない。いたって普通の家庭だ。

ただ私の唯一の長所といえば運動ができるくらいだ。

あれ、自分で言ってて悲しくなってきた・・・。


ドタドタドタドタ

あわただしい足音が聞こえてきた。

「バアンッ!!」

すごい音が鳴り響き、真っ暗な空間に眩しい光と共に一人の男が飛び込んできて・・・私に抱き着いた。

「・・たかったよ、会いたかったよキラノ。ようやく戻ってきてくれた」

男の人は泣いていた。

人違いをしていないか?この人。てか、気持ち悪い。初対面の人に抱き着くなんてほんとサイテー。

「あ、あの誰?」

すると、男の人はこう言った。

「覚えていないのか。それも仕方ない、あの世から連れ戻した時のショックが残っているんだろう」

ダメだ。この人完ぺきに頭いってるよ。話してることが分からない。

「放してください!!警察に通報しますよ!!」

私は大声でそう叫んだ。

「ケイサツ?なんだそれは?」

「夢に出てきた何かではないではないでしょうか?キラノ様はまだ目覚めて間もないですし」

男が部下らしい奴に聞いた。てかこの人はまだ放さない。仕方ないあれを使うか。

私はカバンからある物を取り出す。

そして男の人にめがけて・・・プッシュッ―――――――。

「な、なんだこれはとても目に染みる。状態異常魔法か?てか痛い痛い痛い痛い痛い痛い」

そりゃ、そうだ。吹雪に言われて購入しておいた防犯スプレーその名も激辛君。

あの時は吹雪が「お前も結構美人なんだからこれ持ってた方がいいぞ」って心配してくれた時に買っておいた物。吹雪が私のことを心配してくれたことが嬉しくてつい買ったものだけど、まさかほんとに役に立つ時が来るなんて。あっいい加減やめないとこの人の目が見えなくなるな。私は激辛君をかけるのをやめた。

「いててて。まさか無意識に魔法を放ってくるなんて。記憶がなくても才能はあるね」

魔法?何言ってるのこの人。いい年して中二病なんて残念すぎる。それにこの人、顔は中々のイケメンなのに。

「魔王様、キラノ様は混乱している様子です。ここはキラノ様に休んで貰う必要があると思います」

「混乱してるなら仕方ないな。リリーシャ、キラノを部屋に案内してやって」

男の人の部下のメイドさんの案内に従って私は暗い部屋を出た。


私がいた部屋は地下だったらしい。その結果に二階分くらいの長い階段を上った。

それにしてもすごいところだ。ここはもしかしたら海外なのかなと思ってしまうほどだ。

長く続く廊下は黒曜石(?)というものだろうか。中々オシャレだ。それに明かりは電機ではなく松明だ。

「気に入って頂けたでしょうか?」

リリーシャさんは微笑みながら聞いてくる。

あれ、リリーシャさんの肌の色さっきは部屋が暗かったから気づかなかったけど肌色じゃない!?

藤紫色だ。それに分かりにくいけど耳も人間より少し長く尖っている。

「どうかなされましたか?」

私が不思議に思っていたことに気付いてか、リリーシャさんが尋ねてきた。

「いえ別に」

とりあえず、適当にごまかしておく。

「ここがキラノ様のお部屋です。何か用がある場合は部屋の中にあるベルを鳴らしてください。すぐにお伺いしますので」

そう言うとリリーシャさんは今来た道を戻り始めた。

さてとどうしよう一人取り残されちゃったぞ。

とりあえず部屋に入るか。

私は扉のドアノブを回す。

「すっ、すごい!!」

思わず呟いてしまった。

部屋は約40畳くらいで、キングサイズのベット、右壁一面には本、そして外の景色を見下ろせる3メートル位の窓しかもベランダ付き。左壁一面はドレッサーや戸棚、鏡などの身だしなみを整えるもので埋め尽くされていた。

なんだか小さいころ憧れていたお姫様になった気分だな。この年でお姫様とかは少し恥ずかしいが・・・。

私はふと思った。こんな豪華な部屋を持つ人が誘拐なんてするだろうか?

それにあの二人は私を誰かと勘違いしてる。

キラノさんか。どんな人なんだろう。私の顔と似ているのかな?何気なく私は部屋にあった鏡を見た。

「え、なに、なんで、ウソ、私じゃない、こんなの私の顔じゃない!?」

衝撃に駆られた。

だって、想像してみてほしい。目を覚ますと自分の顔が整形でも無理そうなくらいのレベルに変化していたら。

気持ち悪い、というか気味が悪い。ほんとに夢なら覚めてほしい。

赤い目に耳が少し尖って、肌の色が色白い。私は部活でサッカーしてたから違和感しかない。

そんな時頭の中にメールの受信音みたいな音が頭の中に響いた。

そして「頭の中にメッセージが届きました」無機質な声がし、突然視界にメッセージが表示される


初めまして菊需 明さん

私はこの世界ファルテナの神メフィスという者です。

こちらの世界のちょっとした事情により貴方方の世界から十人ほど召喚させていただきました。

その中でも、貴方の召喚された場所は特別な場所。

この世界の傲慢の魔王ルシファーの妹キラノさんのポジションに転移してしまいました。

こちらの勝手により本当に申し訳ございません。

それとあなたの姿はドラキラのプレイヤー、キラに変更されてます。

もちろんあなたの装備や愛龍の白龍テンペストブレインも用意しています。

最後にこんな危険な地に召喚して本当にすみませんでした。後日詳しい話を行いにそちらに向かいますのでその時は宜しくお願いします。


なんだろう私疲れているのかな。

もうなんかよく分からないや。

とりあえず、とても眠い。もう寝よう。起きたらすべて元に戻っているはず。

私はそれを願いにキングサイズのベットに入り、舟を漕ぎ出した。

今更ですがこの世界の設定語は日本語です。

すみません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ