第11話 呼ばれた理由(2)
判明します!!
「続きを話すその前に、霧映」
そういうと、水の王龍アトラスは部屋にある水差しに魔法をかけた。
「映像があったほうが分かりやすいと思ったのでな」
水差しの水が霧になり部屋の中央に集まって、60センチくらいの小型テレビのサイズになった。
「この魔法は、水を霧に変えて物事を見せる水魔法の応用した魔法だ」
へぇー便利だな水魔法。
「その通り水魔法は、何かと使えるぞ。宿主よ」
聞かれてただと!?
「顔に出てただけだ。安心していいぞ宿主」
いや、絶対聞こえてるよね!?
「ああ聞こえているぞ」
いちいち声に出さなくていい。
それより、何故俺の考えていることがわかるんだ
「それは、宿主がこの首輪の新しい契約者だからだ」
契約?俺そんなことしたか?
「我に力を求めただろ。そして我が認めた。それで契約完了だ」
つまりどうゆうこと?
「詳しく言いますとね。首輪と契約するには、首輪を守る龍王に自分を認めさせなければならないんです」
完璧な空気になりかけていたメフィスがアトラスの言葉を補ってくれた。
つまりキツナ達を守りたいために俺はいつの間にか首輪を守る龍王に自分を認めせて首輪と契約していたらしい。
これは俗にいう棚からぼた餅ということかな?
「宿主が何を言っているかはわからないが、とりあえず映すぞ」
アトラスがそう言うと霧に映像が映りだした。
「・・・これはひどい」
霧に映し出されたのは真っ黒な世界だった。
「これは、今からおよそ400年程前の出来事だ。当時世界はディザスターによって大地は黒く染まり、海は腐りとても生物がすめる環境ではなかった。我ら龍王は、自分たちの住める土地を探して常に移動し、身も心も疲れ果てていた」
映像の場面が変わり、ぼろぼろの群青色の龍が映し出された。
「これは、当時の我だ。当時は移動中に他の群れに襲われて自分の身さえ守ることができない状態だった」
へっ!?今の姿と全然違うじゃん。
「そのことは後々話そう」
映像の場面が変わる。
俺と同い年くらいの男の子がアトラスに話しかけている。
「これは、我と黒の英雄が初めて会った時の事だ。英雄は現れると突然我にこう言った「ディザスターを倒すから力を貸せ」とな。当事の我は自分より小さな生物の言う夢物語として聞く耳を持たなかった。だが英雄は根性だっけはあった。我が無視を通しても、英雄はしつこく「力を貸してほしい」と頼んでくる。それでも、我は奴を拒み続けた。あの事件が起きるまでは・・・」
映像が変わる。
「我が指揮する群れの前にディザスターが現れた。あの時は絶望した。だが奴はディザスターに一刀浴びせた。そして奴はディザスターの撃退に成功した。我は奴の守護龍になり、奴と共にディザスターに逆らう者たちを集める旅に出た」
映像の場面が変わる。
黒龍が率いる軍団と英雄が率いる龍の部隊だ。
「これは戦争か?」
「その通り。黒の英雄が率いる軍とディザスターが率いる軍との最初の戦争だ」
「最初?他にもあったのか?」
「ああ、あったぞ。あと二度ほどな」
三回もあったのか
「こちらが劣勢じゃないか?」
「まぁ一度目の戦争は我の群れの龍と英雄だけだったからな。他の龍王がいれば別だったかもしれないが・・・」
「それにしても強いな黒の英雄。一対一でディザスターを相手にしている。それなのになんで負けたんだ?」
「数の差だ。我らの群れも群を抜いて大規模な群れだったが、奴の率いる軍団は我の群れの二倍近くはいた。この戦争により戦意を喪失した龍は皆ディザスターに仕留められ生き残ったのは七体ぐらいだった」
また映像の場面が変わる。
これはすごい。壮観だ。
「これは三度目の戦争の映像だ」
「エルフに巨人、それに獣人までいる」
「いや他にもいるぞ。ドワーフにニンフ、そして魔族」
「やはりすごいですね。黒の英雄の人の心を動かすカリスマ性は」
「三度目の戦争では、龍王以外の龍は皆ディザスターの方についてしまった。これが世界の危機の正体だ。一頭だけでも自然災害クラスの龍を約20000頭相手にしなければならない。ましてや、そのうちの一頭はディザスター。もうそれは絶望的な状況だった。しかし、奴は「龍がダメなら他の種族に頼んでみる」といい半年の間我ら龍王の前から姿を消した」
そこまで言うとアトラスは深いため息をついた。
「本当にすごい奴だったよ。半年後に当時世界に住むすべての種族を連れて戻ってきたんだから」
「この結果に我ら神も黒の英雄を希望の眼差しで見たくらいでしたから」
「そこから、我らは奴を筆頭に20000頭のドラゴン相手に蹂躙していった」
ん?確かアトラスの群れもディザスターについたってことか
「ちょっと待て、アトラスお前は本当にそれでよかったのか。仮にも元は共に戦った同士じゃないのか!!」
俺は少し興奮気味で言った。
「あぁ、後悔はしていない。龍という生物は強いものに従う強さこそすべてなんだ。強きものに従って死ねたならそれはほこりになるだろう・・・」
そう言ったもののアトラスは少し寂しそうに見えた。
「まぁとにかくこの三度目の戦争で我らはディザスターを倒すことに成功したんだ」
「その後のことは、吹雪君が修羅姫から聞いたお話と同じですよ」
「ところで宿主よ。質問はあるか?」
この世界で起きた悲劇は分かった。だが、肝心なことが分かっていない。
「結局なんで、俺は呼ばれたのでしょうか?」
「それはですね。ディザスターが転生したんですよ」
「転生?」
「はい、そちらの世界ではラノベ(?)という作品でよく使われているものでしょうか」
神様はラノベを知っているのか!?。
「あなたには見極めてほしいのです。ディザスターの転生体がこの世界において害をもたらすかもたらさないか。あなたに判断してもらいたいのです」
「待ってください。それはどうゆう意味ですか?」
「宿主よ。女神はこう言っているのだ。私の用意した黒龍ダークボルトギネス・ドラゴンを倒せたくらいだからこの子に龍神の転生体を任せておいたら大丈夫ね。とな」
「ちょっと、アトラス私はそこまで思ってないわよ。確かに少しは楽できるかなーとは思ってはいたけど・・・」
ちょっと待て。
「な、なんでドラキラのモンスターの名前を知っているんですか?」
「ああそれはね。私がゲーム会社neverland社長だからですよ」
・・・はぁっ!?この女神様何者?
「まぁ、あのゲームは異世界に呼ぶプレイヤーを見定める為に作ったゲーム。黒龍ボルトギネス、白龍テンペストブレイン。この二頭を初めて狩猟したものを呼ぶと決めていたんですよ」
テンペストブレインだと!!それじゃあアイツも?
「アイツも来ているんですか?」
「アイツ?」
「明もこの世界に来てるんですか?」
「菊需 明。女性プレイヤーでプレイヤー名がキラ。別名 純白の竜騎士ですよ」
「ああキラさんですか。もちろん呼びましたよ。あなたと同じように」
次回のお話は雪目線ではありません。
純白さんのお話です。