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黒の英雄譚 ~漆黒の女帝~  作者: 涙目 ホクロ
始まりの街 アスラ
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第9話 アスラの街防衛線

技が炸裂します。

街に降ってきた岩を押し戻した俺は俺はキツナたちを避難させ、ヤマタノオロチところに走っていた。

何故、ヤマタノオロチのところに行くのかって?

それは、ヤマタノオロチは俺の眷属のキツナが奴の子、ヒュドラを狩りつくしたため現れた。

つまり、それは俺が許可してしまった為に起きた出来事。

眷属の失態は主の失態。

俺は、このことに責任を取らないといけない。

それと、ヤマタノオロチに向かう理由がもう一つ。

修羅姫だ。

先ほどキツナたちを避難させた時に、港で避難誘導をしているはずの修羅姫がいなかったからだ。

気になって他の兵隊さんに聞くと、少しでも街の人が避難する時間を稼ぐためにヤマタノオロチの注意を引き付けに行ったらしい。

間に合ってくれ!!


その頃アスラの街の城門前にて、修羅姫がヤマタノオロチと対峙していた。

「くそっ、なんて固い鱗なんだ。まるで岩だ、こっちの刀の法が刃こぼれしちゃってるよ」

修羅姫はボロボロになりながらも何度も立ち上がり、ヤマタノオロチと対峙した。

「刀が駄目なら、魔法はどうだい?」

そう言うと修羅姫は刀を鞘に納めた。

「古きから掟を守る、厳格の精霊よ。我に力を貸したまえ」

修羅姫の体から熱気が溢れる。

「イフリートモード。・・・さぁ、焼かれなよ」

修羅姫が手を振りかざすと周りに8個の炎の玉が出現した。

えんぎょく乱舞らんぶ

炎の玉はヤマタノオロチに向かって放たれた。

「今の僕にできる、最高の技だ。立たないでくれよ」

しかし、その期待は裏切られる。

ヤマタノオロチは無傷だった。

「そんな、効かないのなら僕に勝ち目はないじゃん・・・」

ヤマタノオロチが吼えると上空に魔法陣が出現し、巨大な岩が召喚された。

「龍の魔法で私は死ねるのか。軍人としては龍の魔法で逝けるのは最高の誇りだが19では死にたくなかったな。それと雪、できれば君とまた会いたいよ」

そして修羅姫が自分の死を悟り目を閉じた瞬間、巨大な岩が修羅姫をめがけ落とされた。


あれ、どこも痛くない。もしかしてこれが死ぬということなのだろうか?何も見えない。真っ暗だ。

でも、心地いい、何かに抱えられているみたいだ。

「・・・・姫?」

今のは、幻聴かな?雪の声がしたような。

「あのー修羅姫?起きてますか?」

また聞こえた。ここは死後の世界のはずなのに。

「もう、いい加減降りてもらわないと戦いにくいんだけど・・・」

今度ははっきり聞こえた。

僕はゆっくりと目を開ける。

「ようやく起きたね。修羅姫」

えっこの状況をどうとらえればいいんだろう。

す、好きな人にお姫様抱っこされてるなんて。

「何をしているんだい、君は!!僕のことはいいから早く避難しなよ」

「大丈夫だよ、修羅姫。ヤマタノオロチに負けるような俺じゃないから」

雪は、僕より背も小さいのにその小さな背中はとても頼りに思え、その言葉は僕を安心させた。

「それじゃ、修羅姫降りてもらえる?」

「う・・・うん」

この時分かったことがある。

僕はやっぱり、雪のことが大好きなんだな。



さてと、修羅姫も助けられたことだし温泉を邪魔してくれたでかくて頭が8個ある蛇君に仕返しをしよう。

まぁ、元は俺が悪いんだけど・・・。

「ヤマタノオロチよ、今引き返すのなら貴様の命は見逃してやる。どうする?」

「ダレガヒキカエスモノカ、ワガコタチノイカリトクトソノメニヤキツケルガイイ」

ヤマタノオロチは、空中にまた魔法陣を出現させ巨大な岩を召喚した。

「シヌガイイ」

「残念だけど、死ぬのは多分そっちだよ。・・・ユニットチェンジver水の王」

俺の首輪が青い光を放ち、俺はキツナたちを助けた時の姿になった。

《水よ、ここに集え》

俺は、空気中の水蒸気を水に戻し水を集めた。

昔テレビ見たことがある硬い岩には、超高圧の水を注入して壊す方法。

確か・・・水圧破砕すいあつはさいだったけ。

とりあえず、ヤマタノオロチの鱗自体硬い岩そのものだ。

この方法が効かないわけがない。

「くらえ、温泉を邪魔してくれた恨み。龍鱗破砕りゅうりんはさい!!」

ヤマタノオロチと召喚された岩を俺は超高圧の水の弾丸で消し飛ばした。

「ふう、少しやり過ぎちゃったかな?」

この瞬間ヤマタノオロチの敗北が決まった。

「す・・・すごい。やっぱり雪はすごいよ!!あんな龍を一撃で倒すなんて!!まるで神話に出てくる黒の英雄みたいだよ!!」

修羅姫が興奮して言う。

「黒の英雄って?」

「知らないの?」

「うん」

「そっか、それじゃあ話してあげるよ」


昔、この世界ファルテナが危機に陥った時に、女神メフィスが召喚した勇者それが黒の英雄。

黒の英雄は、当時この世界を治めていた炎の王、水の王、雷の王、氷の王、岩の王、治癒の姫、封印の巫女と共にこの世界の危機に立ち向かい見事に世界を救った。

しかし、危機に立ち向かった勇者以外の者たちは皆力を使い果たしその姿を1つの首輪にし深い眠りについた。

黒の英雄は、7人がゆっくりと安らげる地を求めて世界中を旅した。

そして、黒の英雄はようやくみんなが安らかに眠れる地を見つけた。

だが、そこは太古から続く龍の土地だった。

黒の英雄はその龍に掛け合った。

土地の一部を譲ってくれないかと。

昔から龍は自分より強い者に従う、自分より強いということを証明することができたら土地を譲るそう言って黒の英雄に勝負を仕掛けてきた。

黒の英雄は旅の疲れと世界の危機に立ち向かったため力はもう残っていなかった。

だが、最後は黒の英雄は龍を倒し、土地をもらって国を建て、英雄は余生を過ごした。


「これが、黒の英雄の神話だよ。ついでにその国は千年帝国って呼ばれているよ」

「今も、実在してるのか?」

「うん、してるよ。ついでに、勇者召喚の儀式を研究してるとか怪しい噂もあるけどね」

勇者召喚の話が本当なら帰る方法も分かっているかもしれない。

それに、俺の他に召喚された人たちがいるかもしれない。

千年帝国かどんなところなのだろう。

「おーい、雪無事ですか?」

ツバサたちがちょうど来た。

「雪様!!このたびは申し訳ございませんでした。私が調子に乗ってヒュドラを狩り尽くすことなどしなければこんなことにならなかっったのに・・・」

「まぁ、キツナ落ち着いて。今回の件は許可したのは俺だったし俺の責任だから」

「しかし・・・」

「眷属の失態は主の失態、だからそんなに自分を責めるな」

「分かりました。でも、これだけは言わせてください。本当にこのたびは申し訳ございませんでした」

「許すよ。さてと、海を操ったときに体に海水の匂いがまとわりついて気持ち悪いんだよね」

「それなら、雪ぼくのうちのお風呂にもう一度入らないかい?」

「いいね、それ。それじゃあ、お言葉に甘えて」

そうして、俺たちは宿に戻っていった。

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