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きらいなもの

作者: 雲雀 蓮



僕は嘘が嫌いだ。

なぜ真実をありのまま言わないのか、僕には理解ができない。



「君の好きなものはなに?」



そう問いかけた。

彼女は"いつも通り"言葉を濁したように笑った。


彼女の様にみんなが嘘を吐かないような世界になればいいのに。

何時だって正直で、素直であれば疑い合うことはないのに。



「うーんとね、いろいろ!」

「なんだよそれ。もっと具体的に」

「えー」



いわゆる馬鹿だとも思うけれど、その分素直で、かわいらしい。

なにごとも抵抗なく好きになれて、疑うことを知らない純潔。

いつか社会という大きなものに飲まれて淘汰されてしまうのだろうか。

いやそうならないように、僕が守ってあげなくては。

使命感に近いような思いを抱く。



一生懸命に僕の質問への答えを考える彼女。

「うーん」とか、「えーっと」と言葉を吐いては頭を抱え込む。

その様子がどうしても愛おしく感じた。






前に虐めというものを見た。

暴力を直接振るうのも、言葉で刺されるのも。

どちらも醜くて、恐ろしいほどに理不尽なそれらはこの世界のどこかに必ずある。



でもきっと彼女のような純粋無垢な存在が世界を浄化するのだろう。




「××君が一番大好き!」




彼女の言葉で僕は今日も頑張ろうという意思が湧いてくるんだ。







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