表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

メリーさん。

『もしもし、わたしメリーさん、今、羽田にいるの。』


そんな電話が竹倉(タケクラ) (マナブ)のもとにかかってきたのは休日の朝の事だった。


メリーさんって都市伝説のあのメリーさんか?少なくとも学の知り合いにメリー何て言うやつはいない。ついでに言うと人形を買った覚えも捨てた覚えもない。スマートフォンの画面を確認すると非通知になっている。


「あの、すみません。人違いではないでしょうか?」


そう思い確認して見る。


『竹倉 学さんですよね?』


どうやら間違い電話ではないようだ。


「 はい、確かに俺が竹倉 学ですけど。『では今日中にそちらへ行きます。』えっ!?……『ピッ!』」


話聞けよ………。とりあえずジイさんに聞いてみるか親戚の可能性もあるし。


学は自室を出て居間へと向かう。


「なあ、ジイさんメリーって言う人から電話が来たんだけど………」


新聞を読んでいたジイさんは顔をあげるとズレていたメガネをかけ直す。


「メリー?はて、そんな知り合いおったかな?」


ジイさんにも心当たりはないようだ。ちょうどその時、持っていたスマートフォンが震える。画面をタップして通話を始める。


「もしもし………。」


『もしもし、わたしメリーさん。今、秋田にいるの。』


いや、まて。最初の電話で羽田にいるって言ったよな。10分も立ってねぇぞ!?


俺がツッコミを入れる前に電話は切れた。






時計の針が一時を指す頃。俺とジイさんはおそめの昼食をレストランでとっていた。注文したジンギスカン定食を食べ終え。ジイさんの運転する車に乗って帰宅する途中メリーから連絡が入る。


『もしもし、わたしメリーさん。あなたのお家の前にいるの。お腹がすいたから何か食べ物を恵んでくれると嬉しいの。』


ヤバい………忘れてた!殺されたりしないよな……?


途中で弁当を買って急いで家に向かった。


玄関の鍵はかかったままだったが家の前にはメリーさんの姿はなかった。背後を取られないように背中を壁に預けながら家中を探したが見つからない。


もしかしたらイタズラだったのかもしれない。そう思い壁から放れて自室へ向かう。ドアを開けようと手を伸ばした所で電話がかかってくる。


『もしもし、わたしメリーさん。今、あなたのーーー』


背後に気配を感じ振り向く。そこにはジイさんがいた。


脅かすなよっ!


『ーーーあなたのおじいさんの後ろにいるの。』


バカな………!?


ジイさんの背中に隠れるようにして金髪碧眼の美少女がいた。その白く小さな手に持っていたスマートフォンをリュックのポッケトにしまうとこちらに顔を向ける。


「今日から家の家族になったメリーだ。」


ジイさんがそう言うとメリーが自己紹介を始める。


「はじめましてメリーです。お義兄さん。」


あれ………?お兄さんの発音がおかしかったような?


ジイさんに目で問いかけるとどこか疲れたような顔を見せる。


「学君。この子の父親は隼人(ハヤト)だ。」


竹倉 隼人、俺の父親の名前だった。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 都市伝説ではなくて、この展開! 面白すぎます。 新しい妹の名前が、メリーさん。 それにしても移動速度が、“都市伝説のメリーさん”なみに早いのはどうして?
2015/07/26 20:02 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ