7学園
「はぁ、やっとついたか……」
▽カザマは学園前でため息をついた。
「すごく長い道のりだった気がする……」
▽ナナギもカザマと肩を並べため息をつく。
「そう?」
▽その中で1人首をかしげるルチア。
『お前のせいだろ!』
▽カザマとナナギが口を揃える。
▽館から学校に戻る時ルチアが何回も休暇を要求してきたので行きしよりも3倍近くの時間がかかっているのだ。
「だってこの杖歩きにくくて……」
▽そう言ってルチアは肩に掛けてある紐を背負い直す。
▽背中には木で作られた杖があった。
▽杖の先はアメのようにぐるぐると丸まっている。
「じゃあそんな杖持ってくんなよ!」
▽カザマが不満そうに怒鳴る。
「だって一応この杖魔導師コースの制服についてたものだったから持ってきたほうがいいかなって……」
「まずその魔導師の必需品みたいな杖を倉庫の奥に入れてる時点でアウトだろ」
▽ナナギがつっこむ。
「だって部屋に置いとくの邪魔だったから……」
▽ルチアはなんの悪気もなさそうに答える。
▽館から出る前にも相当時間を食ったらしい。
▽そういうわけで3人は他のチームよりだいぶ出遅れており、3人は急いで(といってもルチアがいるので)実際は学園長室へはのんびりと向かった。
「改めて今から試験なんだと思うと緊張するな」
▽ナナギがそう言うと隣にいたカザマがどうでもよさそうに言う。
「もう始まってんだろ」
▽ナナギは小声で「うっさいなぁ」と文句を言いながら学園長室のドアを軽くノックした。
「入りなさい」
「失礼します」
▽3人は中へ入る。
「よく来たな。まぁ、お主らで最後じゃが」
▽学園長室にいたのは机の上に立っているとっても小さなおじいさんだった。
▽身長はカザマの膝の高さもない。
▽顔には立派な白いヒゲが生えており、まゆげの毛で目は隠れてしまっている。
▽しかしその立派な白髪は頭には生えておらず光に当たると反射してまぶしそうな頭だった。
「えっと学園長?」
▽カザマは指をさして尋ねる。
「人に指は指すものじゃない」
▽そう言って小柄なおじいさんは「ほっ」と机から飛び降りカザマたちの目の前に立った。
「わしは正真正銘、このアライド学園の学園長、イグリじゃ」
「イグリ……なんかイガグリみたいだな!」
▽そう言ったカザマの頭をナナギが素早く叩く。
「ふむ。ほかの子供たちもそうじゃったのだが、なぜみんなわしを見ても学園長とわかってくれんのじゃ。寂しいのう」
「だって学園長おれらの視界に入ってねーもん。てゆーか一番寂しいのは学園長のあたいててててて」
▽ナナギはカザマにヘッドロックを仕掛ける。
「なんなんだよさっきから!」
「お前はもうちょっと言葉を選ぶってことができなのかよ!」
「はぁ!? だって本当のことだろ!?」
「いいよ、お前黙ってろ」
▽そう言ってナナギはカザマに肘鉄を食らわせた。
「すみません学園長、バカは気にしないで話を続けてください」
「じゃあそうしようかのぅ」
▽そう言いながらイグリは懐から紺色の小さな箱を取り出した。
▽その箱は縦横10センチぐらいで学園の校章が金で書かれている。
▽その箱をイグリはカザマに渡した。
「なんだこれ?」
▽カザマが首をかしげるとイグリは「のっほっほっ」と笑う。
「それはミッションボックスじゃ」
『ミッションボックス?』
▽カザマとナナギは同時に言って首をかしげる。
「そうじゃ、その箱が代々この学園に伝わる有所ある箱での、その箱を開けるとお主らのレベルにあったミッションが出てくるという仕組みじゃ。その箱からどんなミッションが出てくるかがわしでもわからん」
「ふーん、じゃあとりあえず開けてみればいいってことだよな」
▽カザマはそう言い箱のふたをパカリと開いた。
▽すると箱が金色に光り部屋全体を金色の光で包み込んだ。
▽しかしそうかと思えば光はだんだんと弱くなり最終的にその光は完全に箱の中へと戻ってしまった。
「……なんだったんだ、あれ」
▽ナナギが少し唖然とした表情でつぶやく。
「ふむ。久しぶりに見たのう」
「え、さっきの何か意味あったのか?」
▽カザマの質問に対しイグリはまた「のっほっほっ」と笑う。
「箱の中を見てごらん」
▽そう言われて3人は小さな箱の中を見る。
▽そこにはさっきまで入っていなかった3枚の金のメダルがあった。
▽メダルには校章が描かれており裏には大きく『S』と書かれている。
「お主らはどうやらSランクのミッションらしいのう」
▽イグリの言葉にしばらく黙る3人。
▽3人とも(一人は見えないが)目が点になっている。
「ま、せいぜい頑張ることじゃ」
「え――」
『えぇぇ――――!!?』
セーブ:7 カザマ・ナナギ・ルチア 学園長室
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