24トイとリイの行方不明
作者が一部ふざけております。
「うわぁあぁああぁあああ!!!」
▽ナナギは深夜の森を全力疾走していた。
▽振り返るとベリアも四足を動かしてナナギを追ってくる。
「(ベリアがこっちに来たってことはカザマたちの方は安心だな、でも……)」
「これどうすればいいんだ!!?」
▽相手は四足のモンスターこちとら生身の人間。そのうち捕まってしまうのはナナギでもわかっていた。
▽何かこのモンスターをまくいい方法はないものかとナナギは脳内でいろいろと巡らせてみるも足りない脳では何も思いつかない。ついでに酸素も足りなくなってくる。
「うぉわ!!」
▽ほとんど上の空状態だったナナギは足元にあったどでかい石につまづいて転んでしまった。
「あいたた……」
▽四つん這いになった状態ですぐさま自分がさっきまで置かれていた立場を思い出し、ナナギは振り返る。
▽ホリルルの光がつまったランタンは転んだ衝撃で壊れてしまったらしく、明かりは一切ない中ナナギはじっと五感全てを集中させた。
「……」
▽しかしベリアの姿は一向に見えず、大きな獣が駆け回る足音すら聞こえない。
「(もしかして、もう追ってきてないのか?)」
▽ナナギがゆっくりと身を起こすと奥の方でベリアらしき影がのっそりのっそりと帰っていくのが見えた。
「た、助かった……」
▽ナナギがホッと息を吐く。
「(それにしてもなんで急に追いかけてこなくなったんだろう……)」
▽不思議に思いながらもナナギは足元に転がっていたランタンを拾い上げる。
「あちゃー、ヒビが入ってる……。弁償しなくちゃな」
▽そう自分で言ってハッとした。
▽ベリアは確か睡眠中は特にデリケートな生き物で光にはとてもよく反応し目を覚ましてしまう。
▽そこに何匹分ものホリルルの明かりがすぐ近くを灯せばベリアが起きてしまうのも無理はない。
「これが原因で起こしちゃったから怒ってたのか。ちょっと悪いことしちゃっ……。」
▽ナナギはふと思う。
▽この村の人たちが夜の森に入ってはいけないと言っていたのはてっきり夜になると危ないモンスターが出るからだと思っていた。
▽確かにデリケートな神経をもつベリアはいた。
▽しかしベリアは怒らすことさえしなければ大人しい方のモンスターだった。
「(森に入っちゃ行けない理由は何か別にあるのか……?)」
▽ナナギはあたりを見回す。
▽むちゃくちゃに走り回ったが実はけっこう村の近くまで戻ってきていたらしく、少し歩くと村に戻ることができた。
▽なんの手がかりもなしにまたこの暗闇の森で一人みんなを探すことは難しい。
「(それに……)」
「よし」
▽ナナギはトイとリイの家に向かって急いで走りだした。
▽そして……。
「はぁ、はぁ、はぁ~~ーー」
▽カザマとトイは森の中でヘバっていた。
「も、もう追ってこないかな?」
「お、おう、どうやらナナギの方を追いかけてったみたいだな」
「ナナギ兄ちゃん大丈夫かな……」
「そうだよなー、あいつがうまいことあれを
引き寄せてくんないとまたこっちに来るかもだしなぁ」
「普通にナナギ兄ちゃんの生命の心配だよ」
「んー、てかどうする? ランタンはナナギのやつが持ってちまったからよく見えねーし……。お前なんか戻り方とかわかんねーの?」
「昼ならわかるけど、今はわかんないよ。ここがどこなのかもわからないし……あれ?」
▽トイがカザマの後ろの何かを見つめていた。
「ん、どうした?」
「あそこ、あそこにいるのホリルルだよ」
▽そう言いながらトイが指差す方をカザマも見てみると少し離れたところに小さな丸い光が見えた。
▽小さな光だがその光は黄色く、暖かい。
「あれがいるってことは確か近くに川があるってことだよな?」
「う、うん」
▽カザマとトイは立ちががりホリルルに近寄っていくと木が生えていないはれたところに出れた。
▽足元は土などでは感じられない柔らかさがあるので草か花が広がっていることがわかる。
▽しかし水の流れる音はどこからも聞こえてこない。
▽一匹のホリルルはそこを意図的に照らすようにその石に止まっていた。
▽トイはそれを見て小さく呟く。
「……お墓?」
セーブ:24 カザマ&トイ 森の中のどこか
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