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23トイとリイと森

「うわっ、ここぬかるんでるぞ」


 ▽前方を行くナナギが後ろにいるカザマたちに注意する。


「うへぇ、思ったよりでけぇなこの森」


 ▽すでに疲れた様子のカザマが一人弱音をはく。


 ▽もはや振り返っても村の様子は見えない。


 ▽前も後ろも右も左も木々が生い茂っている。


「……ねぇ、トイくん。ホリルルがこの辺にいるってことは他にもモンスターがいたりするの?」


「いるよ、ワタモリとかカエカエとか」


「なんだそれ」


「お前学校で何を学んだんだよ。ワタモリもカエカエもこっちが何もしなければ大人しいモンスターだ。攻撃力もそんなに高くない。ただ……」


「ただ?」


「モンスターがいるってことはそこはモンスター出没地域ってことだろ? 昼間は大人しいモンスターばっかりでも夜になると凶暴なモンスターが出てくるってこともあるんだよ」


「じゃあおれたちが夜の森に入っちゃいけないっていわれたのって、夜は危険なモンスターが出るからってことか?」


「一つの可能性だけど」


「はぁ~、そんならそうとはっきりいってくれりゃいいのによ。めんどくせー」


「まぁ子供が怖がらないように気を使ってたのかもな」


「ねぇねぇナナギ兄ちゃん」


 ▽トイがナナギに呼びかける。


「ん、どうしたの?」


「ルチア兄ちゃんどこにもいないよ」


「え?」


 ▽トイにそういわれ3人は足を止め振り返る。


 ▽確かに最後にノソノソとついてきていたルチアの姿はそこにはなかった。


「あいつ、まさかはぐれたのか?」


 ▽慌ててナナギが道を引き返そうとする。


「おい待てって、ちょっとしたらこっちに来るかも……」


 ▽そういってナナギに伸ばした手が固まる。


「来たわ……」


「へ?」


 ▽ナナギが振り返るとカザマだけでなくトイの顔まで青ざめていた。


「な、ナナギ兄ちゃん。後ろ……」


 ▽そういわれてナナギは改めて前を見るするといつの間に現れたのかそこには巨大な熊のようなモンスター、ベリアがいた。


「(た、確かベリアって大木でも平気で折れるぐらい力が強くて一度怒ると手に負えないんじゃなかったっけ……)」


 ▽ナナギはベリアの顔を見る。鼻息は荒く、歯もむき出し。とても穏やかな表情だとはいえない。


「何が理由かわからないけど、と、とりあえずみんな逃げろー!!」


 ▽ナナギの言葉を合図にその場にいた全員が動き出し、人間とベリアのリアル鬼ごっこがスタートする。


 ▽カザマは近くにいたトイの手を握って森の奥へ。


 ▽ナナギはホリルルの明かりが灯るランタンを手に持って森をてきとうに。


 ▽さてこの鬼ごっこ先に何がいけなかったのかをいってしまうと合流場所もろくに決めずやみくもに走ってしまっていることだ。


 ▽さすがSランクミッションを与えられたチーム()。


 セーブ:23 カザマ・ナナギ&トイ 村はずれの森の中


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