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20トイとリイの再会パート2

お久しぶりです_(:3 」∠)_

「あれ」


 ▽ナナギたちが家に戻ると玄関にカザマが一人たそがれていた。


「おい、カザマ。どうしたんだ?」


 ▽ナナギが話しかけるとカザマは遠い目をしたままそっと微笑んだ。


「(彼女のいない)仲間って大切だよな……」


 ▽ゾワッ


 ▽ナナギに寒気が走る。


「どうしたんだカザマ……? 何か悪いもんでも食べたのか」


「いや――」


「だって、お前がそんなこと言うなんて……」


「なぁ、お前の中でおれのイメージってそんな悪いの?」


 ▽真っ青な顔をしているナナギに真顔でカザマが尋ねた。


「早く中に入ろう……?」


 ▽疲れた様子でルチアは一人そそくさと家の中に入ってしまう。


 ▽それに続いてトイとリイが、その次にナナギとカザマが家の中に入る。


 ▽すると家の中には何とも言えない甘ったるい雰囲気が流れていた。


 ▽しかもその雰囲気を出している張本人たちは自分の子供たちが帰ってきたこともまったく気づいていない。


「……何あれ?」


 ▽ナナギがカザマに尋ねるとカザマは「仲のいい夫婦」といかにもげんなりしたような声で言った。


「お父さん……?」


 ▽トイがつぶやく。


「え?」


「お父さんだ!」


 ▽今度はリイが確信するようにはっきりと言った。


『お父さん!』


 ▽トイとリイは嬉しそうに駆け寄った。


「トイ、リイ!?」


 ▽トアキは自分の子供たちの存在に気がつくと驚いたような顔をしながらも体は手を横に大きく広げていた。


 ▽トイとリイは父の胸に駆け込む。


『お父さん、お帰り!』


「ただいま! お前たち、ぼくがいない間にこんなに大きくなったんだな」


「そりゃそうだよ、お父さんずっといなかったんだぜ?」


「そっか、そうだよな。お前たちいい子にしてたか?」


『うんっ!』


「そっかー」


「二人は村の人からも元気いっぱいだってよく言われるものね」


「へー、元気があることはいいことだもんね」


『(ちょっと待て)』


 ▽カザマとナナギは心の中で『(何いい感じに言ってるの?)』と待ったをかけるがさすがに家族団らんの中を邪魔するようなことはしない。


「あれ、二人はイタズラばっかりしてるんz――」


『あ゛ーーーー!!!!』


 ▽邪魔するようなことをいうルチアの言葉を遮るようにしてカザマとナナギは大声を出す。


「ど、どうしたの?」


 ▽突然大声を出した二人に驚いた様子でトアキが尋ねる。


「い、いやぁ、その、ほら! せっかく帰ってきたのにこいつら二人をまだ紹介してなかったなぁって、思ってぇ。ほら、この人がぁ、トイとリイのお父さんでぇ出張から今日帰ってきたトアキさん♥」


 ▽何を血迷ったのかカザマは不自然なほど瞬きをし、口調も無駄にキャバ嬢風に言う。


「は、初めましてぇ、お父さん! ぼくぅ、カザマと同じ学校に通ってるナナギって言うんですぅ~。……で、そこのイスに座って死にかけてる妙に前髪が長いやつがルチアって言うんですよぉ」


 ▽何のウイルスなのかカザマのキャバ嬢口調がナナギにまで感染している。


「え、あ、どうも……。」


 ▽初対面でそんな自己紹介をしたもんだからトアキは少々戸惑いながらもナナギに頭を下げる。


「あ、いけない。みんなが帰ってきたっていうのにまだ晩ご飯の準備なんにもしてなかったわ」


 ▽そう言ってイサノがソファから立ち上がる。


「ごめんね、みんな。すぐに作るからちょっと待ってて」


「今日のご飯何ー?」


 ▽トイがイサノに尋ねる。


「うふふ、大勢で囲んで食べるものと言ったら鍋よね」


「え、ちょっとイサノさん? 季節感どこいった?」


 ▽カザマの言う通り今はもはや春(暖かめ)である。


「わーい、鍋だぁ!」


「鍋なんて食べるの久しぶりだな~」


「早く、早く!!」


 ▽しかしこの家族はどうやら鍋押しらしい。


「わぁ、それいいですねぇ。ぼくもお手伝いしまぁす」


「ナナギ、お前はツッコミという仕事を放棄すんなよ。なんでおれにやらせてんだ」


 ▽未だ口調が気持ち悪いナナギはカザマの話も聞かずイサノと共にキッチンへと行ってしまったのであった。



「あぁあぁぁ……」


 ▽ナナギの口から魂が出てくる。


「なんだよ、部屋に戻ってきたとたん彼女に振られ赤点もとって親が離婚した子供みたいなため息ついて」


「何それ怖い。どんな例えだよ」


 ▽頭を抱えながらもツッこむ。


「まぁいいじゃん。で、なんだよいきなり」


「……いや。おれなんでさっきまであんな変なテンションだったんだろうって思って」


「え、今更?」


「なんていうのかな、それをやってるときは別にどうってことないんだけどふと冷静な自分に戻ると自分がめちゃくちゃ恥ずかしい事してたって気づいて『あぁ、あの時に戻らないかな』って思うっていうかさ……」


「思春期によくある病気の後遺症によく似てるな」


「てか、トアキさん絶対おれのこと変な奴だって思ってるよな。だっていきなり初対面でおネェ口調だったんだぞ? 今更普通に戻しても『あ、ちょっと気遣ってくれてるのかな?』とか思われて結局おれはトアキさんにおネェがちょっと入ったやつって認識は変わらなくてああぁ……」


 ▽一人でブチブチと言い始めたナナギの肩にカザマはそっと手を置く。


「ナナギ……」


「カザマ……?」


 ▽ナナギが顔を上げて振り返ると頬にカザマの指が刺さる。


「m9(^Д^) プギャー」


「……」


 ▽そこへ先に風呂に入っていたルチアが部屋に戻ってきた。


「お風呂空いた……どうしたの、この空気」


「イヤ、ナンデモナイヨ?」


 ▽そう言って笑うナナギの顔はどう考えても何もない人が見せる笑みではない。


「つーか、おれが幼馴染とかいう時点で普通とかマジありえないから」


「ちくしょぉぉぉおおおおお!!!」


 ▽カザマにトドメを刺されたのか空気が抜ける風船の如くナナギは部屋を飛び出していった。


 セーブ:20 カザマ・ナナギ・ルチア 部屋


ここまでご覧いただきありがとうございます!

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