はしやすめ 一周年記念
お久しぶりです、お気楽にお読みください。今回は15話の夜の続きとして書かせてもらっております。
▽トイとリイの家での夜。
「そういやさ」
▽カザマが布団の上で寝転んだまま話す。
「なんでナナギとルチアは今のコースを選んだんだ?」
『は?』
「だからさ、猛獣コースとか魔導師コースとかの話。それを選んだってことは何か理由があんだろ?」
▽そう言われナナギとルチアは少し考える。
「う~ん、おれはやっぱり動物が好きだったからかなぁ。いざってときに役に立つし」
「自分じゃ取れないものだって取ってきてくれるもんね……」
「あと障害物とかあって行けないところへ連れてってくれたりな」
「いや、食料としてだけど」
「もっぱら非常食扱いじゃねぇか! 何がどう好きだったんだよ!?」
「こう調理したらうまいだろうなーって考えるのが」
「最悪だ……。日頃クズで何の役にも立たないダメ人間と言われるおれでもわかるレベルで最低だ……」
「カザマ、そんな酷評されてるの?」
▽ナナギにドン引きのカザマがルチアにドン引きされる。
「なんてのは冗談だけどさ」
▽そう言ってナナギは一人笑う。
「やっぱり普通に動物が好きってだけだよ。それはそうとカザマこそなんで勇者コースを選んだんだよ。一番に合わなさそうなのに」
「え、だってさ。憧れるじゃん」
「え?」
「物語の中とかじゃ勇者は敵を倒してみんなのヒーローになるだろ? そういうの、子供の頃からずっと憧れていたんだ」
「カザマ……(もしかしてカザマってクズなんじゃなくて本当は純粋なだけ……?)」
「だって、そいつぶっ殺しただけで人望集まるわ、恋人ゲットできるわ、金も支給されるわってもう人生ウハウハライフが目に見えてるんだぜ? そりゃ勇者コース一択になるだろぉ」
「やっぱりお前クズだわ」
▽少しでもカザマを見直したナナギが即撤回する。
「現実的だって言ってくれ」
「クズではないの……?」
「いや、自分で言うのは別にいいけど他人に言われると嫌ってことあるじゃん?」
「まず自覚してるなら直せよ」
「おれのアイデンティティをなくせ……だと……!?」
「クズがアイデンティティってなんだよ」
▽ナナギはため息をつき話を戻す。
「で、ルチアは?」
「ていうか万年引きこもってた野郎に理由とかあんのかよ」
「おい、言いだしっぺ」
「え、と……制服」
『……は?』
「制服にフードがついてた、から……」
「まさか……それだけ?」
▽ナナギの問いかけにうなずくルチア。
「色も全体的に黒めだし……。この制服が一番着るならいいなって」
「さすがルチア……。おれでもそんな喧嘩売るような理由では選べないぜ……」
「いや、お前らどっこいどっこいだぞ」
▽生唾を飲むカザマに光がこもってない目で薄笑いをしながらナナギがツッこむ。
「あ~、もっとまともな理由持ってるやついねぇのかよ」
「お前が言うなよ」
「でもさ……」
▽ルチアが二人に向かっていう。
「こんな理由じゃ、そりゃあボクたちのレベル上がらないよね」
「……」
「……」
▽カザマとナナギはお互いの顔を見て目をパチクリとさせる。
『引きこもりのお前と一緒にするな!』
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