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14トイとリイの遊び

「……はぁ……はぁ。ちょ、ちょっと待って。ストップ、ストップ」

 ▽ナナギが肩を大きく上下に動かしながらカザマ、トイ、リイに待ったをかける。

「お前らなんでそんなにへばらないわけ……?」

 ▽ナナギの言う通り、汗だくでヘトヘトになっているのはこの中でナナギ一人だけ。

 ▽他の3人はピンピンとしている。

「逆になんでお前はそんなにへばってんだよ」

 ▽カザマが問い返す。

「まだそんなに疲れるようなことしてねぇだろ?」

「え、何言ってんだよふざけんな」

 ▽カザマ、ナナギはトイとリイと遊び、ルチアはイサノの手伝いをするということで別れたあと、カザマたちは早速外で遊ぶことにした。

 ▽その内容はいたって普通の鬼ごっこ。しかし――。

「なんで鬼ごっこ5時間ぶっ通しなんだよ、しかも範囲村全体かよ、どう考えても広すぎんだろ!」

「はぁ? 村は一通りトイたちに案内してもらってんだからモーマンタイだろ」

「古いな! いや問題大アリだろ、もし道に迷ったらどうすんだ!」

「えぇ~、14歳にもなって迷子ですかぁぁ? はっずかしいおにぃ――」

 ▽カザマが嫌味を言い終わらないうちにナナギのエルボーがカザマの溝内に決まる。

 ▽その場にドサりと倒れるカザマ。

「2人はこんなクズ人間になっちゃダメだぞ」

『ハーイ』

 ▽笑顔で注意するナナギに笑顔でうなずくトイとリイ。

 ▽カザマになんか見向きもしない。

「倒れたんだからもうちょい心配してもよくね……?」

「おにーちゃん(あんなんで倒れるとか情けないね)大丈夫ー? 」

「真ん中の部分いらねぇ!!」

 ▽棒読みで心配するナナギにカザマが叫ぶ。

 ▽するとどこからか鐘の音が聞こえてきた。

「ん? なんだこれ」

「あ。お家に帰らなきゃ」

「えー、もうそんな時間かよ」

 ▽トイとリイが残念そうな顔をする。

「これって何?」

 ▽ナナギが2人に説明を求める。

「これねー、『もう夕方ですよー』っていうお知らせなの。あそこにとっても高い塔があるでしょ?」

 ▽カザマとナナギはリイが指差す方を見る。

 ▽そこにはこの村で一番高い塔が建っていた。

 ▽ここからは離れているので見えにくいが最上部には鐘が見える。

「あそこにある鐘が鳴り始めたら子供は家に帰らなくちゃいけないんだ」

「そっか、じゃあおれらも帰らなくちゃな」

「まだ溝内痛いんすけど」

「知るか」

 ▽そう言って4人はゆっくりと家へ足を向けた。


 ▽時は5時間ぐらいさかのぼってルチアの方は……。

 ▽ルチアはイサノに案内された二階にある一室にいた。

 ▽中は広く3人同じ部屋に入っても全然窮屈にはならなさそうだ。

 ▽しかももともと使っていなかった部屋のようでほこりは少し溜まっているようだが物はあまりないので数時間あれば片付けられそうだった。

「ごめんなさいね、こんなこと手伝わしちゃって」

「いえ……」

 ▽下からトイとリイたちの元気な声が聞こえてくる。

「……元気ですね」

「そうね、元気すぎて困っちゃうこともあるけれど」

 ▽イサノが少し苦笑いをする。

「でもよかったわ。元気で丈夫で全然私に似てないんですもの」

「……イサノさんは昔から体が弱いんですか?」

「ええ、生まれつきみたい。おかげで親にもたくさん迷惑をかけちゃった」

「……」

「子供の頃はなんとも思わなかったけど、やっぱり元気がなによりよ。私があの子たちを生むときそのことが何よりも心配だった」

「……」

「ってごめんなさい。こんな話あなたには関係ないわね、さぁやりましょうか」

 ▽そう言ってイサノは手を動かし始める。

「……」

 ▽ルチアもイサノと同じように手を動かし出した。


 ▽しばらくは何事もなく片付けは順調に行き、あともう少しで終わりというところだった。

 ▽ルチアはこの部屋の中では一番大きいだろうと思われる腰より少し高いぐらいのタンスを動かした。

 ▽中身は入っていないらしく持ち上げると思っていた以上に軽い。

 ▽別の場所に変えようとしたルチアの目がふと止まる。

「(なんだろう……あれ)」

 ▽タンスが置いてあった場所には一枚の紙切れがあった。

 ▽ルチアはタンスを一度下ろしその紙を拾い上げる。

 ▽紙はもともと古いものであった上にこんなところに寝かされたせいか茶色くなりボロボロになっている。

 ▽そんな紙には詩のような文字が書き綴られていた。

イラストね。

 ▽ルチアがそれをじっと見つめているとイサノが話しかけてきた。

「どうかしたの?」

「いえ、こんなのが出てきて……」

 ▽ルチアはその紙をイサノに見せる。

「誰が書いたんですかね……?」

「さぁ? 私は見るの初めてだわ。子供たちの字でもないし……」

「……あの」

「え?」

「この紙、ボクがもらってもいいですか?」

「えぇ、もちろん構わないわよ。でもそんなの一体何に――」

『ただいまー』

「お母さんお腹減ったー!」

「……はぁ……はぁ。ちょ、ちょっと待って。ストップ、ストップ」

 ▽ナナギが肩を大きく上下に動かしながらカザマ、トイ、リイに待ったをかける。

「お前らなんでそんなにへばらないわけ……?」

 ▽ナナギの言う通り、汗だくでヘトヘトになっているのはこの中でナナギ一人だけ。

 ▽他の3人はピンピンとしている。

「逆になんでお前はそんなにへばってんだよ」

 ▽カザマが問い返す。

「まだそんなに疲れるようなことしてねぇだろ?」

「え、何言ってんだよふざけんな」

 ▽カザマ、ナナギはトイとリイと遊び、ルチアはイサノの手伝いをするということで別れたあと、カザマたちは早速外で遊ぶことにした。

 ▽その内容はいたって普通の鬼ごっこ。しかし――。

「なんで鬼ごっこ5時間ぶっ通しなんだよ、しかも範囲村全体かよ、どう考えても広すぎんだろ!」

「はぁ? 村は一通りトイたちに案内してもらってんだからモーマンタイだろ」

「古いな! いや問題大アリだろ、もし道に迷ったらどうすんだ!」

「えぇ~、14歳にもなって迷子ですかぁぁ? はっずかしいおにぃ――」

 ▽カザマが嫌味を言い終わらないうちにナナギのエルボーがカザマの溝内に決まる。

 ▽その場にドサりと倒れるカザマ。

「2人はこんなクズ人間になっちゃダメだぞ」

『ハーイ』

 ▽笑顔で注意するナナギに笑顔でうなずくトイとリイ。

 ▽カザマになんか見向きもしない。

「倒れたんだからもうちょい心配してもよくね……?」

「おにーちゃん(あんなんで倒れるとか情けないね)大丈夫ー? 」

「真ん中の部分いらねぇ!!」

 ▽棒読みで心配するナナギにカザマが叫ぶ。

 ▽ふとどこからか鐘の音がする。

「ん? なんだこれ」

「あ。お家に帰らなきゃ」

「えー、もうそんな時間かよ」

 ▽トイとリイが残念そうな顔をする。

「これって何?」

 ▽ナナギが2人に説明を求める。

「これねー、『もう夕方ですよー』っていうお知らせなの。あそこにとっても高い塔があるでしょ?」

 ▽カザマとナナギはリイが指差す方を見る。

 ▽そこにはこの村で一番高い塔が建っていた。

 ▽ここからは離れているのであまり見えないが最上部には鐘が見える。

「あそこにある鐘が鳴り始めたら子供は家に帰らなくちゃいけないんだ」

「そっか、じゃあおれらも帰らなくちゃな」

「まだ溝内痛いんすけど」

「知るか」

 ▽そう言って4人はゆっくりと家へ足を向けた。


 ▽時は5時間ぐらいさかのぼってルチアの方は……。

 ▽ルチアはイサノについて行き二階にある一室を案内された。

 ▽部屋は広く3人同じ部屋に入っても全然窮屈にはならなさそうだ。

 ▽しかももともと使っていなかった部屋のようでほこりは少し溜まっているようだが物はあまりないので少し片付ければすぐに終わりそうだ。

「ごめんなさいね、こんなこと手伝わしちゃって」

「いえ……」

 ▽下からトイとリイの元気な声が聞こえてきた。

「……元気ですね」

「そうね、元気すぎて困っちゃうこともあるけれど」

 ▽イサノが少し苦笑いをする。

「でもよかったわ。元気で丈夫で全然私に似てないんですもの」

「……イサノさんは昔から体が弱いんですか?」

「ええ、生まれつきみたい。おかげで親にもたくさん迷惑をかけちゃった」

「……」

「子供の頃はなんとも思わなかったけど、やっぱり元気がなによりよ。私があの子たちを生むときそのことが何よりも心配だった」

「……」

「ってごめんなさい。こんな話あなたには関係ないわね、さぁやりましょうか」

 ▽そう言ってイサノは手を動かし始めた。

「……」

 ▽ルチアもイサノと同じように手を動かし出した。


 ▽しばらくは何事もなく片付けは順調に行き、あともう少しで終わりというところだった。

 ▽ルチアはこの部屋の中では一番大きいだろうと思われる腰より少し高いぐらいのタンスを動かした。

 ▽中身は入っていないらしく持ち上げると思っていた以上に軽い。

 ▽別の場所に変えようとしたルチアの目がふと止まる。

「(なんだろう……あれ)」

 ▽タンスが置いてあった場所には一枚の紙切れがあった。

 ▽ルチアはタンスを一度下ろしその紙を拾い上げる。

 ▽紙はもともと古いものであった上にこんなところに寝かされたせいか茶色くなりボロボロになっている。

 ▽そんな紙には詩のような文字が書き綴られていた。

 挿絵(By みてみん)

 ▽ルチアがそれをじっと見つめているとイサノが話しかけてきた。

「どうかしたの?」

「いえ、こんなのが出てきて……」

 ▽ルチアはその紙をイサノに見せる。

「誰が書いたんですかね……?」

「さぁ? 私は見るの初めてだわ。子供たちの字でもないし……」

「……あの」

「え?」

「この紙、ボクがもらってもいいですか?」

「えぇ、もちろん構わないわよ。でもそんなの一体何に――」

『ただいまー』

「お母さん、お腹減ったー!」

 ▽下からカザマたちやトイのごはんをねだる声が聞こえてくる。

「え、もうこんな時間!? ごめんなさい、ルチアくん、私晩ごはんを作ってくるからあとは任せてもいいかしら?」

「あ、はい大丈夫です……」

 ▽イサノは部屋を出ていきルチアは一人部屋に取り残される。

「……」

 ▽ルチアはさっき拾った紙を無くさないようポケットの中へと入れた。

 

 セーブ:14 ルチア トイとリイの家の一室

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