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ノロトキ!  作者: 汐多硫黄
第十二戒 「追憶。怪物少女の日記帳」
81/107

12-2

 

 DATE:I はれ。

 めがさめたら、めのまえに「ぼうし」がいた。すごくかっこわるいなきそうなかおで「よかったね」といった。

 なにがよかったのか、ボクにはさっぱりわからなかった。

 「ぼうし」がコーフンぎみにいろいろとはなしてくれたけど、ボクにはやっぱりよくわからない。

 ボクにムツカシイはなしをするのはやめてほしい。けど、ひとつだけわかったことがある。

 ボクのからだじゅうが、いちどばらばらにしてから、むりやりくっつけたような《ツギハギ》のあとだらけになったこと。

 「これでもう、きみは、かんたんにはしねないぞ」

 そんなことより、ボクはてあしがとれてしまうんじゃないかと、きがきじゃなかった。 


          ◇


 DATE:O はれ。

 オトナたちがもともとおもっていたけっかとは、ちがうけっか。

 グーゼンノサンブツだって、これからまたいそがしくなるよって「ぼうし」がいっていた。

 たいくつじゃないのはうれしいけど、またシンサツダイの上でいたいおもいをするのかな?

 もうなれたけど、いたいのはやっぱりきらいなのです。


          ◇


 DATE:P くもり。

 ボクだけのおへやをもらった。

 いままでのつめたいおへやからくらべたら、すごくかいてきだ。つくえもある。いすもある。

 なんと、ベッドまである。すごい!

 「ぼうし」にありがとうといったら、すごくかっこわるいかおでなんどもうなずいていた。へんなの。 

 ケンキューブショってやつがかわるらしく、これからあたらしいおとなたちのところでジッケンする。

 

          ◇


 DATE:A はれ。

 「ぼうし」がなまえをつけてくれた。 

 これまで、おとなたちはボクのことを「#f19072」ってよんでいた。

 ボクは、それをボクのなまえだとおもっていたけど、ほんとうはちがうらしい。

 「きみはうまれかわったんだ」って「ぼうし」はいう。「ぼうし」のいうことはいつもよくわからない。 

 でも、なまえをつけてもらえるのはなんだかワクワクした。

 きょうからボクは《シノノメ》だ。


          ◇


 DATE:S くもり。

 「ぼうし」はボクになまえをくれたから、ぼくも「ぼうし」をなまえでよぼうとおもう。

 ほかのオトナはみんなおなじにみえるけど、「ぼうし」はすこしだけちがってみえるから。

 ためしになまえで「アラヤ」ってよんだら、すごくかっこわるいかおでかたまったあと、ぷるぷるふるえてどこかにいってしまった。

 きっとおなかでもいたかったのだろう。「アラヤ」はいつもかっこわるい。



END



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