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昨夜はすみませんでした。

ごめんなさい。

ちゃんと無事に帰れましたか?


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翌日、目を覚ますと朝一番で本多先生からメールが来ていた。




「……」


(なんて返そう……)


昨夜、本多先生と二人きりになってピンと張り詰めていた糸が切れたように


ホッとした瞬間、涙が溢れてきた。


本多先生はそんな私を見て、優しくそっと抱きしめてくれた。




そして、気がついたらキスされてて……私は思わず平手打ちをしてしまった。




本多先生の事は嫌いじゃない。


でも、本多先生にはみゆきさんがいるのに……そう思ったら余計に涙が溢れてきて、


その場から逃げ出してしまったのだ。






そうして、夜になっても私は何もメールを返せずにいた。


本多先生からも今朝のメール以来、電話も何もない。


多分、私が怒ってると思っているのだろう。






     ◆  ◆  ◆






それから一週間が過ぎた週末――。


一時間程残業をして、私と倖と暎子が更衣室で着替えていると倖の携帯が鳴った。




「もしもし」


最近、倖はいつの間にかすっかり元気になっていた。


どうも“彼氏”が出来たんじゃないかと私も暎子も思っている。


そして多分、今掛かってきた電話もきっとその彼からなんだろう。




「えっ!?」


私と暎子の目の前で話していた倖が驚いた声をあげ、慌てた様子で振り返った。




「「?」」


私と暎子がどうしたの? と言う顔を向けると


「本多先生が……病院に運ばれたって……」


青ざめた顔で倖が言った。




「「……えっ?」」


それを聞いた私と暎子も小さく声をあげた。




(本多先生が病院に?)




「うん、わかった、すぐ行く。S病院ね?」


倖は病院の名前を聞き、電話を切ると「今、S病院に搬送されたって……」と、


私と暎子に視線を戻した。






それからすぐに私達はタクシーでS病院に向かった。




「どうして、本多先生が?」


「私にもよくわかんない」


「病気? それとも怪我?」


「なんかよくわかんないんだけど、襲われて怪我したって言ってた」




(襲われた?)


私はふと、この間の三田くんとの一件を思い出した。


三田くんは例の一件で鹿児島の子会社に出向と半年の減給という厳しい処分を受けた。




まさかと思うけれどその仕返し……?

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