「無料文化」と「作家の報酬」の微妙な距離感 ヽ(°∀。)ノ
――なろうにおける読者と作者の心理戦
最近、小説投稿サイト「小説家になろう」で、作者に金銭報酬が支払われる仕組みが導入された。
読む側は無料のままなのだが、それでも一部の読者からはこんな声が上がっているらしい。
「有償作品とか、なんか嫌だな」
「金のために書いてるのかよ」
……まあ、気持ちは分からなくもない。
なろうという場所は、長いあいだ「アマチュア文化の聖地」のような場所だったと聞く。
作者は趣味で書き、読者はそれを無料で楽しむ。
その代わり、感想を書いたり、評価を入れたり、ランキングを押し上げたりする。
つまり、こういう暗黙の契約があったかもしれない……。
作者はタダで書く。
読者はタダで読む。
その代わり、お互いに場を盛り上げる。
だから読者側にも、ある種の自負がある。
「この作品は、俺たちが育てた」
ランキングを押し上げたのは自分たちだし、ブックマークを増やしたのも自分たち。
そう思えば、「急にお金の話が出てくるとモヤっとする」という心理も理解できる。
しかし、ここで作者側の事情もある。
小説を書くのは、実は結構しんどい。
2000文字くらいの短編ならともかく、連載となれば毎週数千文字以上。
しかも、なろうでは更新が止まると読者が離れる。
ランキングも落ちる。
つまり実質、半分仕事みたいな趣味 (´・ω・`)
それでいて、「金のために書くな」と言われたら、作者側としてはこう思う。
いや、じゃあお前書いてみろよ……、と。
ここで問題なのは、作者の立場によって対応が分かれることかもしれない。
だいたい、二つのタイプがあるはずだ。
〇人気作家
ブックマーク数千~数万、ランキング常連。
書けば読む人が常時いる。
このタイプは比較的ドライだろう。
「報酬? まあ貰えるなら貰います」
読者の機嫌をそこまで取らなくても、作者そのものに需要がある。
いわば、「作家 > 読者」の構図になっているだろう。
〇底辺作家
ブクマ20とか、PV数も乏しい作者。
この人たちは切実である。
読んでください
感想ください
星ください
下手すると、
「お願いします!読んでください!」
みたいな頼み込む状態になる。
つまり、「読者 > 作家」なのである。
同じ制度でも、見える景色が違う。
今回の「報酬制度」も、この二つの層で受け取り方が全然違う気がする。
人気作家にとっては、「お、ちょっとした副収入」くらいの話。
しかし底辺作家にとっては、「……え、僅か十数円のことで読者が離れたらどうしよう」という不安材料にもなる。
なろうという場所の不思議
なろうはよく、「読者が強いサイト」と言われる。
書籍作家の世界だと、編集者や出版社が力を持つが、なろうでは……
・ブックマーク
・評価
・感想
この三つを握っている読者が最大の権力者だ。
だから不人気作者は、ときに神に祈るように言う。
「評価ポイ〇トください!」
これはもう、きっと半分お賽銭箱である。
……とはいえ。
私は思うのだが、作者に少しくらいお金が入る仕組みがあっても、別に悪いことではない気がする。
むしろ、更新が安定するのではないか?
・モチベーションが上がる
・連載が途中で消えにくい
というメリットもある。
なろう最大の悲劇は、「面白い作品が途中で消えること」だからだ。
【結論】
結局のところ、読者と作者は共存関係なのだと思う。
作者は読者を求め、読者は作品を求める。
どちらか一方では成立しない。
そして今日も、なろうのどこかで作者が叫んでいる。
「評価ポイントを入れて作者を応援しましょう!」
……と。
そして私のような底辺作家は、今日も静かに土下座しているのである。
深き心の泥沼の中で……。
現在「――星間覇道 ―― すべてを失った少年貴族と、それを値踏みする女海賊が、帝国の内乱に関わる話」という宇宙SF戦記を連載中です。
よかったら読んでみてください (*- -)(*_ _)ペコリ
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