第98話 ミチは今は朝が忙しいようですよ? (9)
「そ、そうなんだ! ──それは怖かった! 恐ろしかったね、山口……」
ランも基本は幽霊が苦手……。畏怖……。恐れ慄いてしまうタイプの少女だから、山口さんの実話の怪談話を聞いて、「フムフム」とは頷き、首肯をしつつ聞いてはいたらしいけれど。
ランの心の中では早く山口さんにお化け、幽霊の話を辞めて欲しい。辞めてくれないかなと思いながら。
ランも自分の顔を蒼白させながら山口さんの恐怖体験を聞き、終わったようだから言葉を返せば。
山口さんは自分の目の前にある、先ほど学園の売店で購入したドリンクをストローで一口飲み込み、「ゴクリ」と喉を鳴らし、自分の気を落ちつかして「はぁ~」と声を漏らし終えると。
山口さんはまたランの顔を見て「あのね、蘭?」と声をかけてきた。
だからランの方も「どうしたの、山口?」とニコリと微笑みながら、首を傾げつつ言葉を返した。
「……実はね、私の恐怖、心霊体験は、あれで終わりではなくてね……。まだ続きがあるのよ、ラン……」
山口さんはまたランが『えぇ~、嘘でしょう~?』と嘆きながら尋ねたくなることを告げてきたらしい。
しかしランも山口さんへと『えぇ~、嘘~? やだ~! 怖いからもう聞きたくはない』のだと切り出せないから。
「えっ! そうなんだ……。あっ、ははは」と。
ランは山口さんへと笑い誤魔化したらしいけれど。




