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第88話 ミチの幽霊は先生達には見えない? (12)
「ミチ?」
僕は沈黙を始めてから、少し時間が経過したけれど、あれから黙秘のように声を漏らさないミチ……。
もしかして? もうこの辺り彼はいないのかも知れない? と思いながらも。ミチへと声をかけてみた。
「(……何だ、小山田?)」
するとミチから拗ね、不貞腐れ、気落ちした声音で僕へと言葉を返してきたから。
「ジュンユーにはミチの声がちゃんと届いたんだよね?」
僕自身もこの場から……。
そう今でも数学の先生やジュンユー……。そして二人の周りにいる男子や女子は、目に見えない何か……。まあ、今僕の傍にいるミチのお化けに怯えている様子がわかるから。
ジュンユーは僕と同じでミチの容姿は見て、確認できないけれど。コイツの声だけは聞こえるのだろうな? と言うのは。僕の席から遠く離れてはいるけれど。何となくだが、僕にも確認できたから、ミチへと尋ねてみた。
「(うん、聞こえていた)」
僕の問いかけに対してミチは頷いた。
しかしミチは直ぐに、悲しく切ない顔をしながら。
「(でもな、小山田……。数学の先生には俺の声が聞こえない……。届かない……。響かないのだ……」と説明をしてくれた。
「そうなの?」
「うん、そうなんだ……」




