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第87話 ミチの幽霊は先生達には見えない? (11)
「(……小山田ただいま……)」
僕の耳へとミチの声……。それもミチは気落ち、落胆した声音で僕に帰ってきたと告げてきた。
「おかえり」
僕は何だか声音が妙に暗いミチへと声を返せば。
「ミチ、数学の先生に『自分はここにいるから。話しならば自分が聞くよ』と告げなかったの?」と。
僕は首を傾げつつ尋ねた。
「(いや、小山田……。俺、何度も数学の先生へと『先生!』、『先生~!』、『お~い、先生~!』、『先生~、僕の声が聞こえるかな?』と何度も尋ねたんだ……。それも声を大にして叫び、呼び、声をかけたのだ……。しかし数学の先生には俺の声が届かない……。届かないんだよ。小山田……。だからさ、俺! 悔しくて、悲しくて、辛かった……。本当に辛かったのだ。小山田……)」
僕が尋ねるとミチは、数学の先生には彼の言葉が耳に入らない。聞こえないのだと、ミチは悲しい声音で僕へと教えてくれた。
「そうなんだ」
「うん」
僕もミチが悲しく、切ない声音だから下を向いて言葉を返した。
するとミチは直ぐに頷き、その後は黙り込み、沈黙を続けた。
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