第86話 ミチの幽霊は先生達には見えない? (10)
「……先生、また出た。出ました……。キョンシーが……。僕に騒ぐな……。静かにしろと言ってきます……。何とかしてください……」
僕が数学の先生とジュンユーへと視線を変えればミチの声にアイツは気がついていないのか? 真っ青な顔……だけではなく。今にも泣きだしそうな顔で数学の先生へとミチのことを何とかしてくれと嘆願しているようだけれど。
ジュンユーの顔色の様子を見れば多分? 今もミチのお化けに『騒ぐな』、『静かにしろ』、『俺の話をちゃんと聞けよ』、『おい、ジュンユー。聞いているのか?』と言った感じの内容を何度も告げ、尋ねられているのではないか? と思われる。
そしてミチの方もジュンユーに自分の気持ちが伝わらないから、気が荒くなり、イライラしているのかも知れない?
だって家のクラスの教室の天井の隅々が『バキン!』、『バキン!』や『ミシ』、『ミシ』と生木が割れる、裂けるような音が何故か? 軽天ボードで張られた中は空間の天井から。まあ、不思議な怪奇音が鳴り続けているからね。
「きゃ~!」
「いや~!」
「怖い」
「怖いよ~」と。
女子達がワイワイ、キャキャと騒ぎ立て、喧騒するから。数学の先生の方も狼狽しながら、自分自身もどうしたらよいか? まあ、わからない様子で頭を抱えているみたいだから。
僕のクラスはまた混沌とした怪奇! 恐怖の世界へと変わるけれど。
今回の騒動では僕の彼女さまは恐怖に堕ちることもなく。僕の方をチラチラ見ては微笑んだリ、手を振りつつ、自分の周りの席の奴等と恋バナに花を咲かして、ミチのお化けの件はどうでもいいみたいだから。
僕は本当によかったと安堵すれば。




