第38話 今まで教室内で起きた恐怖体験……(7)
「アーシは声を掛けられたかな?」
苦笑いを浮かべながらまた告げる女子もいるから。
「どんな?」
「何て?」
「美紀、どんな言葉をかけられた?」
ヤーイーは苦笑いを浮かべている上田美紀へ真剣な顔で尋ねた。
「……ん? ああ、アーシの場合は只、『消しゴム落ちているぞ!』と声を誰か解らない奴から声を掛けられたみたいだけれど。その時はアーシ、声の相手が幽霊だと思ってもいないから『ありがとう』、『ごめん』と素直に言葉を返して消しゴムを拾ったよ。それからさ、消しゴム拾ってね。机に置いて、黒板を見た瞬間にね。あれ? 今誰がアーシに声をかけてきたんだろう? と首を傾げたのだけれど。怖いから余り気にしないようにはしていたけれど。皆がこれだけ騒ぎ出すと、アーシが経験した不思議な出来事はオカルト現象だったんだなと確信したよ。あっ、ははははは」
上田はヤーイーの問いかけに対して本人は畏怖した様子も見せないで微笑みながら説明をして最後は高笑いを浮かべたから。
「ああ、俺も昨日だったかな? 上田のような消しゴムではなく、定規を落としていたみたいで、『おーい、定規が床に落ちているようだから拾ったらどうだ?』と声が聞こえてきたような気がしたから。俺も上田と一緒だよ。空耳なのかな? と思ったのだけれど。まあ、一応は床を見て確認してみたら、本当に定規が落ちていたから。俺の場合は幽霊と悪霊とか、そんな怖い者たちのことは、脳裏で咄嗟に思い浮かべずに。俺の許へと女神様が降臨されてアニメやマンガ、ライトノベルの主人公のような、ゲームのレベル、スキル持ち……。異能能力が備わった男になったのかも知れないと喜んだのだが。皆の話を聞いていると、俺の許へと現れたのは女神様ではなく、お化け様だからがっかりだよ」
また他の奴が自分の不思議な体験を説明して、己の体験はファンタジー体験ではなく、恐怖体験だったみたいだからと肩を落とした。




