第30話 教室内を徘徊する者……(6)
「俺なんか昨日! 午後の五時間目の授業の最中に、ついついと転寝をしてしまって、机を枕に寝ていたら。トントンと誰かが俺の肩を叩いて、『起きろ、起きろ、授業中だぞ!』と告げてきた。だから俺、『……ん? ああ、ありがとう。すまない』とお礼を告げつつ、自分の机を枕にしている上半身を起こしたんだよ。『うぅん、別に良いぞ。今度から気をつけろよ』と、まだ寝起きしたばかりでぼんやりとしている俺に対して、誰かがまた優しく声をかけてくれたから。俺はそいつに『ありがとう』と告げたんだよね。するとさ、転寝をしている俺の事を起こしてくれた者は、ギシギシと足音を立てながら何処かに移動して行ったんだよね。寝ぼけていた俺は、最初は後ろの阿部が起こしてくれていたとばかり思っていたのだけれど。俺の席から移動した足音をちゃんと耳にしているから。俺は、最初は授業が終わり、休憩時間なのかな? と思って、自分の頭を動かし、辺りを見渡して状況確認をすればまだ授業中で、皆が真面目に黒板や教壇で授業の解説をしている先生の事を見詰めているから。俺はあれ、可笑しい? と思って。俺が聞いた足音は気のせい? 空耳だったのかな? と思ってね。俺は後ろの阿部に『寝ているのを起こしてくれてありがとうなぁ』と小声でお礼を告げたんだよ。すると阿部の奴は『はぁ?』と『俺知らねえぞぉ』と言葉を返してきたんだよ……。なぁ、阿部?」
そいつは自分の摩訶不思議……。恐怖体験を周りの者たちへと説明をすれば。自分の後ろの阿部へと視線を変え、尋ねる。
(お願い)
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