第15話 初めて出来た友人の死(1)
「きゃぁ、ああああああっ!」
小さな男の子の若いお母さんの絶叫をかわぎりにして、
「うわぁあああっ!」
「きゃぁあああっ!」
「嘘ー?」
「冗談だろう?」
「誰か救急車ー!」
「警察ー! 警察を呼んでー!」と。
この他にも色々な声音で絶叫と交じり合いながら言葉が飛び交うパニック状態……。混沌とした世界の現状が僕の目や耳に写り、聞こえてくるほどの悲惨状態へとこの場が一瞬で変わったのだ。
だって虐められっ子でぼっちだった僕を狭く、寂しい空間から解放してくれた友人の大島の交通事故現場……。
そう正義感の強い大島道徳は、若いお母さんの手を離れ開放的になった小さな男の子……。道路へと急に飛び出た男の子を目にすれば。誰よりも咄嗟に素早く行動……。
僕が『あっ!』と声を漏らした時には大島の背中が僕の前から消えているほど、彼は何のためらいも無く、小さな男の子の許へと素早く駆け寄り、抱きかかえ、自分の身体を挺して庇う。
そう小さな男の子の盾になり。勇者の如く振る舞いで小さな男の子を庇い、自動車に『ドン!』と跳ねられ。
大島の身体は小さな子供をしっかりと守護した状態で道路に横たわる。
「うわぁあああっ!」
だから勇者となった大島が身体を挺して守った小さな命からは泣き声が上がるから。
僕も最初はほっとして安堵したけれど。
僕の初めての友人からは呻り声すら漏れてはくれないから。僕の顔色は真っ青になり。
他の男子や女子は『ワ~、ワ~』、『キャキャ』と絶叫を上げつつ喧騒していたけれど。
僕は「あぁあああ……」としか声を漏らすことができず。その後は「うぅ、ううう……」と声を殺しながら涙をポロポロと流すことしかできなかった。




