第123話 ミチの姿が(2)
あの時にミチが僕へと『家に帰る』と告げてきた……。いつもミチは朝、昼、晩と学校の教室や校舎内を徘徊して回っている……。ミチ的には学園の《《裏校舎内》》を警備……。パトロールをしているらしいけれど。
まあ、普通の人から見れば只の地縛霊が、何かしら執着するものが《《そこ》》にあり、《《それ》》にこだわり、気になり、執着するから。何かしらの不幸で他界した人の思念が地縛霊として残り、居座り続けるということだから。
ミチはもしかして? 教室内の苛められっ子だった……。
そう、入学当初から一人寂しくして、教室の中から窓に映る、外の景色じゃないね……。
そう、この教室……。クラス内で、みんなが休憩時間毎に友人、知人と楽しく和気藹々と会話をしている様子を、窓を鏡にして、恨めしそうに見て観察している僕のことをいつも気にかけ見詰めていたから、アイツの思念が残ってしまい。
ミチは交通事故で他界した後も僕がまた以前のように《《ひとりぼっち》》に逆戻り……。また虐められっ子に戻るのではないか? と気にかけ、成仏できないでいるから。
自分が気になること……。思念が残る場所へと戻り……。僕がちゃんとクラスメイトの輪に入っているか? を毎日確認……。
そして自分の代わりになる僕の友人を探してくれて、アイツの目にかなった人物が僕が以前から好意を寄せていた彼女ランだったのかも知れない?
だからミチは僕とランの仲をとりもち。僕の心を強くする成長を促し。僕が以前の苛められていたメンバーたち……。
アイツ等から自分の彼女を守るのだ! 守護するのだ! と、己の勇気を奮い起こし! アイツ等と対峙して僕は生まれて初めての喧嘩で彼女のランを無事に守護した。その凛々しい容姿をミチは見て──。これならば、もう自分がいなくても大丈夫かも? と思ったのかも知れない……。
ミチはその日から僕の様子を注意深く見て観察した。
そしてランと牧田の日直の日……。
その日に牧田は僕やミチの予想通りに……。また懲りもしないでランへとよからぬことを企てようと策を練ってみた。
そしてランが他の女子たちと一緒で日直の仕事をこなすために朝一人で登校するだろうと予測をして教室で待ち受けているミチが現れ牧田を『恨めしや~』と脅かした。
そして牧田はミチのお化けを見て狼狽し、泣き出し、錯乱した。
そんな最中でも僕は彼女を守り、錯乱しかけていた牧田の精神状態を優しく語りかけ落ちつかすことに成功した。
だからミチは僕の男らしく! 立派になった! その様子を見て! これならば自分の家……。仏壇の中へと帰宅をしてもいいかもと思い。自分が成仏……。あの世へといくために自宅へと帰宅……。
だから、この教室にはもうミチの居る形跡がないのかも知れない? と思えば。
僕は何だか、窓の外で降る雨のように心が冷たく悲しいなと思うのだった。
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