第12話 それは突然やってきた(5)
僕たちは雲一つ無い青空下──。ワイワイ、ガヤガヤと雑談……。
それも大島を取り囲むように会話に花を咲かせて……。大島に微笑み掛けながら。
『あのね』、『このね』、『こんな事があったんだ』、『ねぇ、大島知っている?』
と言った感じで会話をしながら、僕たちの学び舎へと向かっていた。
そんな何処にでもある日常の中で、物語の世界のような出来事が急に僕の目の前で起きたのだ。
そう小さな子供……。多分、3歳ぐらいだろか? 僕たちの小団体の目の前を若いお母さんと一緒仲良く会話をしながら歩いていたのだ。
しかし、お母さんが持つバッグから、何かしら小物が落ちたのだ。
だから僕たちが仲良く会話をしていたメンバーたちの一人がそれに気がついて、
「あ、あの、すいません。何か落ちましたよ」
と親切心から若いお母さんの背中へと向けて教えてあげたのだ。
「あっ、ごめんなさいね」
若いお母さんは、その娘の声を直ぐに聞き取り、後ろを振り返ってお礼を告げたのだ。
「あっ、本当だ! 手提げにつけていたキャラクターのアクセサリーが落ちたのね……」
若いお母さんは、僕達のグループの女の子が指さす、自分の所持している手提げカバンから落ちて、地面に転がるアクセサリーを見て少し驚いた顔をしながら言葉を漏らせば。
若いお母さんが今まで優しく、丁寧、大切に繋いでいた自分の宝物の手をふと離して──地面に転がるアクセサリーへと手を差し伸べてしまう。
だから今まで若いお母さんが大事に手を繋ぎ、庇護していた小さな男の子の口が開き。
「きゃ、きゃ」
と興奮し、弾んだ嬉しそうな声が漏れると。小さな男の子は、小さな子によくありがちな。突発的な行動に出て──車やバイクが走る道路へと飛び出した。




