第119話 ミチは今は朝が忙しいようですよ? (30)
可愛い彼女さまは慌てて僕の背後に隠れ、抱きつき、震え始めるけれど。
僕は日本男児! 彼女のためならば命だって捨てる覚悟だってできているから。
「……ラン大丈夫だよ。僕がいるからお化けがでても平気だ……。だからランは僕の背に抱きついていればいいよ」と。
僕はランの侍らしく、勇んだ台詞を自分の胸を叩きつつ告げ、終えれば。
「うわぁあああああああああっ!」、「嫌だあぁあああっ! ママ助けてよ~!」と
牧田が自分の両目から涙をポロポロ出し、流し、鼻水まで汚く垂らしながら両手を上げ──狼狽ながら教室から飛びだしてきた。
だから牧田の気が触れたような様子を見てランも狼狽してしまい。
「きゃぁあああああああああっ!」と絶叫を上げるけれど。
「ラン大丈夫だ! 僕がついているから!」と。
僕は再度彼女さまの心を癒し、落ち着かせるように優しく声をかけ。その後はファイティングポーズをとり。
「──くるならばこい! 牧田! ランに悪戯はさせないからな……」
僕の敵はあくまでもお化けではなく、牧田なのだと。他人が聞けば首を傾げるような言葉を呟くけれど。
「うわぁあああっ! うわ~、ん! お化け! お化けだぁあああっ!」
牧田はこの通りの様子でね、お化けイコール、ミチを見て驚愕しているだけで。僕はミチを見ても畏怖を感じないから。やはり僕の敵は牧田なので、僕の握り拳の射程、距離内に入ったら殴ってやろうと思えば。
「うわ~、うわ~、ん! 小山田助けてくれ~!」




