【11月】エンディングムービー
新郎新婦が退場した後、エンディングムービーが始まった。今日一日の様子をまとめた映像が流れる。
小春ちゃんのウェディングドレス姿を初めて見たお母さんが、感極まって涙を流すところで、私ももらい泣き。今日だけで何回泣いたことか。
小春ちゃんの晴れ姿を見られて、お母さん嬉しかっただろうな。それと同時に、少しだけ罪悪感が湧く。
きっと私は、母に晴れ姿を見せてあげられないから。
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彼氏は一度だけいたことがある。遠距離恋愛だったが、色んな県を旅して、それなりに楽しんでいた。
フラれた時は死のうと思って、こっそり睡眠薬を溜め込んでいたくらいに病んでいた。しかし、ひとり行動を余儀なくされた時、私はひとりのラクさに気づいてしまった。お酒が飲みたい彼氏に付き合い、居酒屋へ行かなくていい。朝が苦手な彼氏に遠慮して、旅先での朝ご飯を我慢しなくていい。
なんて自由なんだ。ひとり最高!
ありがとう、別れてくれて!
そういった経緯から、私はひとり行動を愛するようになったのだ。
そして、このひとり行動を辞められない理由。それは自由を知ったからだけではない。
「新しい出会い」に、抵抗があったから。
私はどうも「お付き合い前提の出会い」というものが苦手なのだ。マッチングアプリや街コンにチャレンジしたものの、馴染むことができなかった。人見知りなので、自分から話しかけにいくのも無理。テレビで婚活バスツアーの特集をやっていた時、フリータイムで男性が意中の女性に積極的なアプローチができずにおろおろしている場面を見ると、自分のことのように辛くなったものだ。
こんな私だから、婚活をするには至らない。
「ひとりを辞められない」ことには、「ひとりを続けざるを得ない」という側面もあった。
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忘れられない話がある。バナナマンの日村さんと結婚した神田愛花さん。彼女は日村さんと出会うまで、自分の時間を他の人に割くなんてできないと思っていたらしい。しかし日村さんが神田さんの一言に対して二言も三言も返してくれた時、彼女は初めて「私はこの人のためになら、自分の時間を使いたい」と感じたそうだ。私はそれを聞いた時、なんて素敵な話なのだろうと思った。
私も神田さんのような出会いができるだろうか?
否。自ら出会いの場を拒否しているのだから、そもそも出会うところが無い。
人生ひとり旅。
ひとりがいい。
ひとりでいることしかできない。
たとえ私がその道を歩むと決め、それを母が許したとて、私は死ぬまで親不孝者なのだろう。だからこそ、晴れ姿を見せられない分まで、他の方法で親孝行をしたい。
自由に生きていこうとも、その気持ちは忘れないようにしたいと思った。
読んで頂きありがとうございます!
至らぬ点があればすみません。
完結まで頑張ります!




