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何を持ち込むか、それが重要だ。


* 注意、並びにお願い *


今回は『大高なりの入院生活への備え』についてなのですが、もしかしたら不愉快に感じる方がおいでかも知れないという懸念もございまして、予めお断りさせて頂きたく存じます。


ここでは、飽くまでも命や予後の生活を大きく左右する事の無い病による入院生活について述べています。


入院も闘病もそんな気楽な事ではない、与太話は聞きたくない、という方は、この時点でのブラウザバックをお願い致します。



 早いもので、術後11日が経過。


 腫れも不自然な浮腫もすっかり引いて、元通りの顔、つまり目の下の弛みクマとゴルゴ線まで綺麗に復活してしまった大高です。……ここだけは腫れたままでも構わなかったのになぁ……。


 などという阿呆な嘆きは置いときまして、本日は入院グッズのアレコレについてお話しようと思います。


 *


 入院。

 それは、あらゆるものの補給が困難な僻地に剥き身で放り出されるのに似ています。


 旅行ならね、有難い事に昨今は家に何を忘れて出掛けようと、大概のモノは現地でどうにかなる世の中です。文化果つる地の果てまで行く、またはよっぽど特殊なモノでもない限りは、おおよそは入手可能になりましたので、何をどう準備するかはそこまで深刻な話では無いのですが。


 こと入院となりますと、大幅に話が違って参ります。


 まあ確かに近年はある程度以上の規模の病院ならば、ひところのキオスク(ご存じない方も多いでしょうか、昔JR駅にあった売店の事です)にも似た万屋の如き売店以外にも、各種コンビニ、有名どころのチェーンのカフェやレストラン、どうかすると MUJI や UNIQLO までもが出店してたりしますので、闘病中に欲しくなったもの、あると助かる何かが発生したとて、まるっきり入手が不可能な訳ではないんですが。


 ただし、それらの店舗の存在を活かせるかどうかは、『その時点で自立歩行が可能、かつ自身で金銭を含む貴重品管理が出来る状態であるか否か』という処に掛かって来るんですね。


 闘病中、或いは手術の前後などで本人の動きが著しく制限されている場合、どれほど必要なモノが足りていなかろうと、『ああアレがあったらこんな事には……』という諦念の境地で不自由を凌ぐことになるんではないかと思います。


 勿論、見舞いに来てくれる家族や友人に頼める、或いは状況に応じて看護師さんが代わりに買ってきてくれるような場合が無いとは申しません。


 ことにこの数年は感染症の蔓延で、ひとたび病室に入ったが最後、治療とトイレ以外は病室がある階から出して貰えず、例え水のペットボトル一本だろうと看護師さんにお願いせねば手に入らないという事態も有り得ます。だから看護師さんたちも『何でも言って下さいね』と朗らかに仰るんですが、じゃあってんで只でさえ忙しく走り回っている看護師さん達に気軽にお遣いを頼めるかと言うと、また話が別なんですよねー。

 

 あと、その場にあるとも限らないモノを探すところから人に頼むって、かなり心理的ハードルが高いですので、何をどうしたっても必要な場合以外は入手が難しいと思っておいた方が無難です。


 もうひとつ、短期入院の場合ほど気を付けたほうが良いかなあと思いますのが、『見舞い客に頼んだは良いけど届くより先に退院日が来ました、もう要りません』でしょうか。


 人の手を煩わせた挙句に要らんものが増えるだなんて、洒落にもなりません。


 ですので、『短期であればあるほど、周到に考えておいた方が良い』というのが、過去、一泊二日を七回、十泊十一日を一回、規模の異なる病院で入院した大高の偽らざる所感です。備えあれば愁いなし。


 ―――などとエラそうに言っておりますが、十泊入院の時はねえ、そらもう凄い量を持って入院しまして (笑) 後始末が大変な事になりました。

 

 人生初入院、かつ全身麻酔での開腹手術だったのと、当時は独居のうえ頻繁に見舞って貰える状況ではなかったので、事前にその手の情報を検索しまくりまして、それこそ何処まで何しに行く気なんだというレヴェルの荷づくりをして臨みまして。


 でね、確かにその甲斐はあったんですよ。おまけに手術翌日の午後からリハビリが開始されたお陰でしょうね、十センチ近く切った割には回復が早く、術後六日めあたりから看護師さんが絶句する勢いで歩き回れるようになり、院内のセブンイレブンにも行き放題だったもので、有難いことに然したる不自由も無く退院まで過ごせた―――のは間違いないんですが、有体に言って、この時は明らかなる持って行き過ぎでした。


 なにしろ一度たりとも洗濯しない覚悟でしたので、着替えだけでもエラい量。そのうえで、箱ティッシュ、S字フック付きバスケット、ボディ用ウェットシートと全身に使える保湿クリーム、余分のタオル、のような真っ当なものに加え、ご飯の友&おとっときのおやつ、連れ合いがくれた縫いぐるみ、厳選した文庫本を数冊、果ては携帯加湿器(電源無しで使える折り畳み式の奴ですね)に至るまで、思いつく限りの物を大きいキャリーケースと馬鹿でかいトートバッグを駆使して持ち込みましたから。退院時に全て押し込むのに苦労し、引き摺って帰るのにも四苦八苦したのをよく覚えています。


 もちろん、帰宅後に片付けるのも、もんのすごく大変でした。まだ縫い目も生々しく、下手に腹筋に力が入ると息が詰まるような状態だったもので、全て片付けきるには数日を要したもんです……などという間抜けな顛末にもなり得ますので、準備周到も程々に (笑)


 そのくせ、この時、ひとつだけ後悔した事がありまして、何かと言うと、保温マグを持って行かなかったんですよ。


 ―――これは本当に悔やみましたねえ。秋の終わりの入院だったもので、切実に温かい物を温かいまま飲みたかったんですが、すっかり後の祭り。飲料の素はコーヒー紅茶は言うに及ばず、インスタントココアからスープから至れり尽くせり持ち込んで、お湯だって目の前の給湯器から幾らでも貰えたんですけど、病室が案外寒くて、すーぐ冷めちゃうのが大変に哀しかったものです。


 この経験があるもので、以降は一泊だろうと保温マグは必須の持ち込みとしておりまして(夏場は夏場で持ち込んだ氷がなかなか解けないのでとても便利)先日もちゃんと持参しました。


 これはねえ、本当に良いですよ。飲食制限が無いのなら、持っていると多少なりと気分が和らぐ気がします。畳めないから嵩張るっちゃ嵩張るのと、いちいち濯ぐ手間は掛かりますけどね。なので紙コップの方が手間が無くて良いというのも一理ありますが、大高的にはオススメです。

 

 そうだなあ、食器関係で言うと、もうひとつ。


 入院手引き書に持ち込みの記載が無かったとしても、割り箸、或いは使い捨てのカトラリーの類は持っていた方が良いかも知れないです。


 これは大高の個人的事情、つまり片目が嵩高く覆われ眼鏡も掛けられず、ろくすっぽ周囲が見えない状態での食事になることが多いから、ではありますが、そうでなくとも、病状により手指の力が弱ってたりして、案外といろいろ取り落す可能性があります。いちいち洗いに行くのも腹が立ってくるでしょうから(それどころか立って歩くすら儘ならないかも知れないし)、長期短期に関わらず、転ばぬ先の何とやらとして持ち込まれても損は無いかと思います。


 あとねえ、少し前にも書きましたけど、箱ティッシュはあった方が良い。病院によっては手引書に記載が無い事もあるんですが、持って行っといた方が良いです。


 ポケットティッシュをいくつか、というのもアリですが、箱のほうが何かと重宝します。昨今の物は箱自体が薄べったくなってますから、そこまで邪魔にはならないと思うんで。


 何故なら、弱り具合によっては、うっかりペットボトルをぶっ倒したり、手許が狂って汁物をぶちまけたりとか、しないとも限らないから。そのたびにナースコールして助けを求めると言うのも中々に居た堪れない気がします。いや、自分でやった事はまだ無いんですが、隣のベッドからてんやわんやが聞こえて来た事がありまして。何であれ水っぽいモノの処理は早いに越した事はない。看護師さんがなかなか来られなくてもはや手遅れ、まるごと寝具交換なんて、大ごとにならないとも限りませんし。


 それと、病室が案外と乾燥してる場合がありまして、鼻やら目やらがムズムズしてくることがあります。もちろんティッシュくらい現地で買えないことはないのですが、時期によっては病室に軟禁状態、頼みの移動式売店とはすれ違い、という可能性も無くは無いので、まあ、持ってく方が安心できるかなー、と。


 あとですね、大高的には必須なんだけれども、あんまり同じようなモノを持っている人とカチ合わないなーという品がございまして、何かと言うとヘッドホンです。


 イヤホンじゃないですよ。でかいヘッドホン。


 何故にそこに拘るかと言いますとね、ヘッドホンならば、大部屋で、かつ満員状態でも、ほぼ確実にひとり時間が確保できるからです。


 イヤホンでも可能じゃないかと思うでしょう? これが然に非ずで、『明らかに装着しているのが外目に判る』状態でないといけないのです。


 だってね、他者からはその存在が判然としないという場合、何が不都合って、『人恋しくなったお話好きのお姐様の強襲を躱しきれなくなる』もうこの一点に尽きます。


 や、イヤホンだってもね、わざとらしく外してから『ハア?』とか言って惚ける事は可能ですが、しかし外した時点で既に半分くらいお姐様の勢いに負けていると言って過言でない。一番悪いのは大高の弱腰だっちゃあそうなんですけど、いやあのね、結構、難しいですよマシンガントークで話しかけて来る同室の人を穏便に追い返すのって。そう言う方ってヘタすると『いま術後で非常に辛いんで放っといてください』すら通じない場合があるんで(マジで一度遭遇しました。どうにかお引き取り願うまで大変に辛うございました)遮断機(ヘッドホン)を装着のうえ完全に眼も瞑り、見るからに『コイツはいま外部の音は一切聞こえてないから話しかけても無駄』と判る状態を演出するのがとても重要なのです。


 なにしろ大高、『感染症対策の一環として病室内での私語は禁じます』になってから遭遇してますからね、その手のお姐様に。カーテン閉め切ってたってダメな時はダメで、『ねええ~起きてらっしゃる~?』とか言いながら捲ってきたりする人を相手に徒手空拳で勝てる訳がない。少々感じが悪かろうとも、あらかじめ最大限に防御しとくに越したことは無いのです。別にほんとに音楽なんざ聴いてなくとも、被って寝たふりしてるだけで済みますからね。入院中は極力放っておいて欲しい方には大変オススメします、目立つヘッドホン。 


 そうそう、防具としてではなく、本当に音楽を聴いたり動画を観たりするのにイヤホンを持って行こうとお考えでしたら、有線の方が良いと思います。何でかと言うと、落とした時が洒落にならないから。自力で拾える状況なら良いですが、身動きするのもツラくて取りに行けないとか、消灯後に隣のベッド下まで転がってってお手上げとか、正真正銘行方不明になりましたとか、本当にありますから。その点、有線であれば、少なくとも最悪の事態は防げるんじゃないかと推察しますので、どうぞご検討下さいませ。




 とまあ、つらつらと並べて参りましたが、飽くまでも大高は、という話でございまして、つまる処、何があれば快適に過ごせるかというのは人それぞれ。


 大高は必須と信じていても、要らんそんなもん、という方も勿論いらっしゃることでしょう。


 入院理由に因ってだって、いろいろ変わってきますしね。


 ですので、万が一、入院加療するという事になりましたなら、同じような条件の方の情報を求めて検索しまくる、のが一番良い方法かと存じます(はははは我ながら今まで書いたことがパァですね)


 とはいえ、もしかしてこの大高の駄文でも、どなたか様の何かのご参考になりましたら嬉しいなあ、という処で、今回は締めたいと思います。


 



―――と、一旦締めておいて何ですが、ひとつ大事な事を思い出しました。


あのですね、院内着を借りる場合は良いんですが、自前で持ち込みます、そして手術もその自前の衣服のままで行います、と言われている場合。


例え入院前の説明で『被って着る物で構いません』と言われていても、せめて一着は前開きのものを持って行きましょう。何故なら、大高、今までの目の手術はすべて自前の衣服で受けましたが、悉く前開きである必要があったからです。


外来で渡されたプリントに不審を抱き、その場で確認をし、『顔面の施術ですから被りでOKの筈です』と断言された今回ですら、実際に入院してみたら病棟の看護師さんに『前開きに着替えて下さい』と言われましたからね。


大高は経験上、目の手術でも心電計を付けられるもんだと知ってましたから、念のためにと持ち込み、事なきを得ましたが、事前説明を鵜吞みにして入院、施術寸前になってからそんな事を言われて慌ててレンタルの手続きするとか、心から御免こうむりたいと思いますんで、ここは用意周到にしといた方が吉かなと。


あ、そして、最終的には捨てても良い奴にしときましょう。思いのほか汚れる可能性も、無きにしも非ずなので。


以上、ご参考までに。



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