5、熱くて堅くて大きくて
「えっ…えぇぇ!?」
教室に、夏希の声が響く。
「何よ…。」
「だ…だって。まだ出逢って2日だし…。」
「愛に時間なんて、関係ないのよ。」
自信満々に言う美魅。
言いたい事を言えたようだ。さっきよりは、落ち着きを取り戻している。
だんだん、いつもの美魅に戻りつつある。
「ってか、そんなことはどうでもいいわよ!!早く返事をしなさいよ!!」
だんだん苛々してきた美魅。
「え…えっと…。」
夏希もいきなりの出来事で照れているのか困っているのか。モジモジしていた。
「あの、急に言われても…困ります。」
「困ってるなんて、知らないわよ。私は、返事を欲しいの!!」
グイッと美魅は夏希に近寄った。
「…あの時の夏希、とってもカッコよかった。」
「えっ?」
「あの穢らわしい男達に、勇敢に立ち向かっていった夏希…。あの姿に私は、夏希を好きになったの。」
「そ…そんな。」
夏希の胸が、ドキドキして暴れている。
「早く…。そんなに私を待たせないで。」
美魅は、夏希に優しく抱きついた。
「っ…。」
今まで、告白されたことは何度かあった。だけど、夏希にはあまり、いい思い出ではない。
だけど、今回は違う気がした。こんなに可愛い子が、真面目に告白をしてきたのだ。
だけど…──。
「ご、ごめんなさい…。」
「……。」
美魅がピクッと動いたのが分かった。
「美魅ちゃんは、可愛いです。」
「…当たり前よ。」
「う…。で、でもね、まだ出逢って2日だし、そんなに美魅ちゃんの事を知らないの。だから、もっと美魅ちゃんを知ってからじゃ、ダメですか?」
美魅の、夏希を抱き締める手が震えていた。
「私のこと…知りたいの?」
「あ、はい。そう言うことになりますね。」
夏希は笑って、思わず美魅の頭を撫でた。
「じゃあ、教えてあげる…。」
突然、夏希はガクンと、バランスを崩した。
「へっ…。」
美魅に、優しく教室の床に押し倒されたのが分かった。
「み…美魅ちゃん!?」
美魅は倒れている夏希の上に覆い被さるように、乗っかった。
「私のこと知りたって言ったじゃん。」
紅い顔の美魅が、すぐそこにある。甘い吐息が、夏希の鼻をくすぐる。
「で、でも…。まだボク達高校生…。」
「クスッ…何を妄想しているのよ、エロ夏希。」
意地悪く笑っている美魅。
「っっ…!?」
「でも…いいよ、夏希。私は、夏希に触って欲しいな…。」
美魅は夏希の右手を掴んで、自分の胸に押し当てた。
「み、美魅ちゃん!?」
「ゴメンね。私、胸無いの。やっぱり男の子って、胸は大きいのが好きだよね…。」
「そ、そんなことないよ!!ボクは、胸が大きいとか関係なくて、優しい人が好きなの。」
「クスッ…。ありがとう。」
美魅は優しく微笑むと、胸に押し当てていた夏希の手を、足元に移動させた。
「美魅ちゃん?」
「もう我慢できない…。“こっち”も、触って…夏希。」
美魅は夏希の手を、スカートの中に突っ込んだ。
「ちょっと!!それ以上は──。」
「いいから、ちゃんと触って…。」
美魅の強い言葉に夏希は抵抗できず、されるがままになっていた。
夏希の手はスカートの中へと、どんどん入っていく。そして、とうとう美魅の一番感じる場所へと到達した。
「んっ…。」
手が触れた瞬間、美魅がピクッと体を振るわせる。
「っっ…。」
美魅のあそこは…。
“熱くて”
“堅くて”
“大きかった”
「──へっ?」
“堅くて、大きい?”
夏希の手は、何かが“握られていた”。
“熱くて、堅くて、大きい”何かが…。
「んんっ…。そんなに…握っちゃ、ヤだぁ…。
私の“おち○○○”壊れちゃう…。」
夏希の頭の中が、ぐちゃぐちゃにかき回される。
「美魅ちゃんに…ゾウさん…大きな…ゾウさん?」
午後16時58分。
水の都高校、2年3組の教室で、この世のモノとは思えない叫び声が響いた。




