表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/21

5、熱くて堅くて大きくて



「えっ…えぇぇ!?」


教室に、夏希の声が響く。

「何よ…。」


「だ…だって。まだ出逢って2日だし…。」


「愛に時間なんて、関係ないのよ。」


自信満々に言う美魅。

言いたい事を言えたようだ。さっきよりは、落ち着きを取り戻している。

だんだん、いつもの美魅に戻りつつある。


「ってか、そんなことはどうでもいいわよ!!早く返事をしなさいよ!!」


だんだん苛々してきた美魅。


「え…えっと…。」


夏希もいきなりの出来事で照れているのか困っているのか。モジモジしていた。


「あの、急に言われても…困ります。」


「困ってるなんて、知らないわよ。私は、返事を欲しいの!!」


グイッと美魅は夏希に近寄った。


「…あの時の夏希、とってもカッコよかった。」


「えっ?」


「あの穢らわしい男達に、勇敢に立ち向かっていった夏希…。あの姿に私は、夏希を好きになったの。」


「そ…そんな。」


夏希の胸が、ドキドキして暴れている。


「早く…。そんなに私を待たせないで。」


美魅は、夏希に優しく抱きついた。


「っ…。」


今まで、告白されたことは何度かあった。だけど、夏希にはあまり、いい思い出ではない。


だけど、今回は違う気がした。こんなに可愛い子が、真面目に告白をしてきたのだ。


だけど…──。


「ご、ごめんなさい…。」


「……。」


美魅がピクッと動いたのが分かった。


「美魅ちゃんは、可愛いです。」


「…当たり前よ。」


「う…。で、でもね、まだ出逢って2日だし、そんなに美魅ちゃんの事を知らないの。だから、もっと美魅ちゃんを知ってからじゃ、ダメですか?」


美魅の、夏希を抱き締める手が震えていた。


「私のこと…知りたいの?」


「あ、はい。そう言うことになりますね。」


夏希は笑って、思わず美魅の頭を撫でた。


「じゃあ、教えてあげる…。」


突然、夏希はガクンと、バランスを崩した。


「へっ…。」


美魅に、優しく教室の床に押し倒されたのが分かった。


「み…美魅ちゃん!?」


美魅は倒れている夏希の上に覆い被さるように、乗っかった。


「私のこと知りたって言ったじゃん。」


紅い顔の美魅が、すぐそこにある。甘い吐息が、夏希の鼻をくすぐる。


「で、でも…。まだボク達高校生…。」


「クスッ…何を妄想しているのよ、エロ夏希。」


意地悪く笑っている美魅。


「っっ…!?」


「でも…いいよ、夏希。私は、夏希に触って欲しいな…。」


美魅は夏希の右手を掴んで、自分の胸に押し当てた。


「み、美魅ちゃん!?」


「ゴメンね。私、胸無いの。やっぱり男の子って、胸は大きいのが好きだよね…。」


「そ、そんなことないよ!!ボクは、胸が大きいとか関係なくて、優しい人が好きなの。」


「クスッ…。ありがとう。」


美魅は優しく微笑むと、胸に押し当てていた夏希の手を、足元に移動させた。


「美魅ちゃん?」


「もう我慢できない…。“こっち”も、触って…夏希。」


美魅は夏希の手を、スカートの中に突っ込んだ。


「ちょっと!!それ以上は──。」


「いいから、ちゃんと触って…。」


美魅の強い言葉に夏希は抵抗できず、されるがままになっていた。


夏希の手はスカートの中へと、どんどん入っていく。そして、とうとう美魅の一番感じる場所へと到達した。


「んっ…。」


手が触れた瞬間、美魅がピクッと体を振るわせる。


「っっ…。」


美魅のあそこは…。

“熱くて”

“堅くて”

“大きかった”



「──へっ?」


“堅くて、大きい?”

夏希の手は、何かが“握られていた”。


“熱くて、堅くて、大きい”何かが…。



「んんっ…。そんなに…握っちゃ、ヤだぁ…。

私の“おち○○○”壊れちゃう…。」


夏希の頭の中が、ぐちゃぐちゃにかき回される。



「美魅ちゃんに…ゾウさん…大きな…ゾウさん?」



午後16時58分。

水の都高校、2年3組の教室で、この世のモノとは思えない叫び声が響いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ