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プロローグ

伯爵令嬢のセシリアは暗がりの廊下を駆けて行き、中庭へと出るとそのまま地べたにしゃがみ込んだ。


あれは確かに、ルーカスだった……。


夜会に婚約者のルーカスと共に参加していたセシリアは、席を外すと言って居なくなってしまった彼を探す為に広間を出た。暫く探し回っていてようやく彼の姿を見つけた。セシリアは声を掛け様としたが、その瞬間、彼は女性と口付けを交わした。身体を寄せ合って抱き締め合う二人。行為がエスカレートする様子を呆然としながら暫く眺めていたが、彼が女性のドレスに手を掛けた時、我に返り踵を返しその場から立ち去った。


相手の女性は、セシリアの親友のベアトリスだった。頭が真っ白になってしまった。


紳士的で優しかった彼と、信頼していた親友のベアトリスの二人が浮気していたなんて、信じられない……。


「ルーカス、様……」


つい先程の光景が頭に焼き付き離れない。気分も悪くなる。

ルーカスとの婚約は親が決めた政略的なものだが、お互いに良い関係を築けていると思い込んでいたのに……。


「酷い彼だね」


「⁉︎」


突然聞こえた声にセシリアは顔を上げる。すると、木の幹に身体を預けてこちらを見ている美青年と目が合った。まさか先客がいたとは思わなかったので、目を見張り固まってしまう。


完全に見られてしまった……はしたない……。


「あ、あの……」


「ねぇ、君もそう思わない?」


月明かりに照らし出される彼は、妖艶に笑みを浮かべていた。セシリアは彼から目を逸らすと、また顔を伏せる。彼の事は知っているが、ほぼ初対面だ。そんな人に、婚約者の浮気話など出来ないと黙り込んだ。


「ごめんね、突然話しかけたから、驚かせちゃったね。俺はヴァルタル・シュワール。少し外の空気を吸いに外に出たんだけど、その途中で彼がお楽しみ中だったのを見てしまってね。俺はそのまま中庭に出たんだけど、そうしたら今度はこんなに愛らしい人と出会した。で君は彼の婚約者のセシリア嬢だったね」


「……はい」


「彼の相手の女性は、確かベアトリス嬢だったかな」


「私の、親友です……」


「成る程ね」


沈黙が流れた後、彼は私にこう言ってきた。


「そんな婚約者なんか捨てて、俺にしなよ」







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