オチ
ふ、副首領!なんでこんな安い酒場に!
は、はい、俺がエキーノです。
う、はい。そうです、申し訳ありません。俺がカンディータ嬢を招き入れました。
いや、決して副首領からの見合い話を潰そうという意図はなくですね……!
オルゾさんが彼女を気にいるかなと思いまして。まさか嫁にしようと画策しだすとは思いませんでしたけども。
そうです、彼女の親父がクズで、オルゾさんが自分から殴りに。笑っちゃいますよね、組の幹部が自らチンピラ殴りに行ったんですよ。
どれだけ彼女のこと気にしてるんだってんですよね。
借金ですか?カンディータ嬢の方から質入れされたものは自分で買い戻すって言ってたので、オルゾさんが一度買い取っておいて、金貯めたら返すと息巻いてますね。
親父の方の借金はスクアーロ、うちの高利貸しですけど、彼に一本化させました。
今はベッドの上ですね。ある程度治ったら、密輸屋のトンノ預かりです。地中海上で逃げられないように仕事させるんじゃないでしょうか。死ぬまで借金返済のため働かされるでしょう。
いやー、そのクズ親父をオルゾさんが事務所に引き摺ってきたんですけどね、それをカンディータ嬢が殴ったんです。あれで落ちましたわ。
いや、聞いてくださいよ副首領。
その後泣き出した彼女に抱きつかれて、高級仕立服のスーツに涙と鼻水つけられて憮然としてるのに振り払えないオルゾさんとか思い出しただけでも笑えますわ、あっはっはっh…………。
えーと、オルゾさん、いつからそこに?
………………
オマケ
「お前と結ばれるにあたって、ゆずれないものが1つだけあるんだ」
「そうなんですか?」
「俺とお前の子供の名前についてだ」
カンディータは首を傾げた。
「はい?えっと……、よほどヘンな名前をつけるのでなければわたしは拘りませんけども、オルゾさんが名付けられるんですか?」
「いや、違う。俺たちの子の名付け親はな……」