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氷の射手  作者: かもめ
1/1

使い魔の方が優秀でした。


(まだまだ、だなぁ)


小難しい顔をしてモカは廊下に貼り出された第1学年前期中間試験と書かれた成績表を見上げる。


「モカ、成績どうだった?」


クラスメイトのハルが話しかけてきた。

モカの多くない友人の1人で親友とも呼べる存在だ。


「全体で13位だった」


「え!全然いい方じゃない!ガッカリしてたみたいだったから悪かったのかと思ったわよ」


心配そうな顔をしたり、いい成績だと分かると自分の事のように喜ぶ。そんな感情を素直に出せる友人のことがモカは大好きだった。


「お兄様は首席で卒業してたから、まだまだだなぁって思ってただけだよ」


モカには兄がいる。3歳年上で去年このアレスト学園で生徒会副会長の席に座り、学業では首席で卒業している。憧れの兄であり、いつか追いつきたいという思いがある。


「目標高いね!私なんか真ん中くらいだったら全力で喜んじゃうのに!」


そう言うとハルは突然真面目な表情でモカを見つめる。


「え…な、なに?」


「モカ…また貴方髪の毛適当にしたわね?ちょっと来なさい」


ハルはアクセサリー商の娘だ。流行やオシャレは常に把握している。

モカは身だしなみをそこまで気にするタイプでは無いため、肩甲骨辺りまで伸びた焦げ茶の髪をひとまとめにするだけ、というのがいつもの髪型だ。

教室に入り、モカを自席に座らせるとハルは櫛を取り出し慣れた手つきで髪を梳かし始める。


「今回のテストなんて中等部の振り返りがメインだし、これからが本番なんだからあまり落ち込んでたらダメよ?モカはモカ、お兄さんはお兄さんでいいじゃない」


「うん、そうだね」


「来週は使い魔召喚の義があるでしょう?そんなだったらガーゴイルが出てきちゃうわよ」


ハルに気を使わせてしまっている事に気がついたモカは気持ちを切り替える。

卒業まであと3年近くあるのだ。追いつけるチャンスはきっとある。


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