第3話
短いです
天文5年 8月 那古屋城 林吉太郎
今日ようやくある資料のまとめが終わった。ずばり…<この時点で呼び寄せておきたい武将リスト>だ。今後破戒僧のやつ(やつはどう頑張っても法師にはなれないのでこう呼んでいる。)が家督を握った場合、史実道理に進むと、筆頭家老の林佐渡をはじめ、柴田勝家等の一部の重臣がまだ生まれていない信行の方についてしまう。また、今は縁戚で岩倉や清州とはまだ仲良く行っていたが、信秀死後はまたごたごたしてしまい、結局多くの血が流れてしまったのだ。しかし、今は歴史知識のあるおかげでこのようなことができる。方針としては、取りあえず家督を握るまでにここに書いている人たちをほとんど家臣にし、そして史実のような「おおうつけ」と呼ばれないようにし、適度な農政改革で民からの信頼を得、家督相続時に信行がかかってきたら全力でつぶす。と、なっている。問題は農政改革だが、これはバカい僧の野郎が幼少期に那古屋城を譲ってもらっているから、そこでやるしかないな。あと、やはり市場の振興策も必要になるな。こうなるとどんどん僕が忙しくなる。仕方ない。研究室の経営を元にしてやっていくしかないか。はあ、今世も働きすぎで病になって死ぬかもな…。
天文5年 9月 那古屋城 平手吉之助
ようやく練習用の刀をふれるようになった。ここまで来るのにかなりかかったな。まさか子供の体があそこまで非力とは…。まあこれでようやく触れると思ったら…、
「よくここまでこれたな。なら次は本物の刀を振ってもらうぞ。」
と言われ、今度はもっと重い刀を振らされた。こんなのどうやって振るのだ!しかも父が腰につけているものより長いぞ…。ええい!こうなった以上最後まで振りきるぞ…。
とはいえ、前初めて刀を振った時に比べ刀を振ったときの速さが違う。やはり体ができているからかな…。まあとりあえずはこの刀を振れるようにならなければな…。
しかし、この時代の刀などの製鉄技術はやはり低いな…。もう少し強度を高めるためには…、合金などがあるか…。技術がたりるかどうか、だな。どうにかして作りあげたいところだが…。その前にこの刀を満足に振れるようにならないとな…。
同日 平手正秀
なんということだ…。振れるわけないと思って渡した太刀を筋は悪いとはいえ、振り回している、だと…。この子は天才か…。まさかあの刀を一か月で触れるようになるとは思っていなかったが、このたちも振ることができるとは。この子は将来織田家1の猛将になるかもしれんな…。
後にこのことを太田牛一の書、「三公記」にはこう書かれている。
「平手吉之助、3歳にして大太刀を振り回す」
ここに、後に「日の本一の兵」と呼ばれた男の一端が見えている。まさに「鬼将」である。
この話では信秀に城を譲られたのは幼少期としております。