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織田の三人組  作者: かつお
2/5

第1話

お読みいただきありがとうございます。

 天文5年 5月 那古屋城 林吉太郎

 というわけで早速今が何年かを知るために横にいる子に話しかけてみることにした。まずは何年か知らないといけないからな…。

「ごめん。今が何年かって知ってる?僕、ちょっと知りたくてさ。」

 そう聞くと話しかけた子が、

「わしは知らん。」

 と返してきた。(やっぱりな…。)そう思いながら次の言葉を考えていたら

「ところで…。」と聞いた子が返してきた。(なんだろう。)そう思いつつ次の言葉に耳を傾けてみると

「なぜ今が何年か知りたい。」

 と、子供らしからなぬ言葉と威圧で喋りかけてきた。(何かがおかしい。)そう思っていたらまさかの衝撃の言葉が聞こえてきた。

「さしずめ前世の記憶があるとかではないのか?」

 まさか!なぜそんなことがわかった!しかしそこは言葉に出さず「どうでしょうねえ。」と返したが、

「顔に出ておるぞ。」 と返された。元々大学の同級生からも「お前は顔に出やすいな。」とネタにされていたな。すると…

「なぜそんなことがわかる!というような顔をしているな。どうしてだか言おうか?」

 このやわらかい口調の裏にもところどころ威圧が混じっている。何でまだこんな子供なのにここまでの威圧感があるのかと思っていたが、その答えは意外と早く出た

「なぜならわしがお前と同じ前世の記憶を持つ者、つまり転生者だからだ。」

 まさかの自分と同じ境遇のものがすぐに見つかると…。しかし、これはどうとらえたほうがいいのか…。記憶を利用して動くのなら理解者がいるのでとても動きやすいが一歩間違うとすぐに打ち首だ。はて、これからどう動こうか…。


同日  那古屋城 織田吉法師

うすうすあり得るとは思っていたがここまで早く見つかるとは…。まあやつが前世ではどのようなものであったかを知りたいな。それによってこれからどう動くかが決まるしな…。

「お前は前世ではどのようなことをしていt」

「おい!さっき今が何年かとかの話をしていたな!俺にも教えてくれよ!」

と、なんだか熱そうなやつがつっかかてきた…。この話に食いつくということはこいつも多分前世の記憶を持つものなんだろうな。軽く聞いてみるか…。

「なぜそんなことを聞いてきた?聞いてきたということはお前も前世の記憶があるということか?」

「うむ。そういうわけだが?お前も、ということはお前とその横のやつも前世の記憶があるということだな。」

し、しくじってしまった。しかし、感づかれたなら仕方ない。本当のことを言うしかないな。

「そうだが?」

すると、

「お前もそうか。するとさしづめお前もだな。」

と、俺に聞いてきたやつにも聞いていた。するとそいつは、

「そ、そうだけど?それを知ってどうしたいの?」

と聞き返していた。すると熱そうなやつが、

「どうするなどという気持ちはない。ただこう三人もいると楽かなとおもっただけだ。ではかるくじこしょうかいといこうではないか。」

と、勝手に自己紹介をはじめやがった…。


同日 平手吉之助

と、ここまでで前世の記憶があるやつが三人もいるのか。まさかここまでだとは思わなかったが…。ならば自己紹介をしてもよいだろう。

「わしの名は...なんだろう、うーん、そうだ!そうだ!わしの名は平手吉之助じゃ。前世では国を守るために戦争に志願兵として参戦したが、上官の命令に従わなかった結果餓島に飛ばされ、そこであえなく餓死してしまった。今世では上には逆らわずに幸せに生きたいと思っている。」

「「いや、なぜ自分の名前がわかる!?」」

いや、何でだろうか。自分は何者かと強く思ったら思い出した...?ん、この場合は分かったというのが適切か?うーんまあいいか。とりあえず伝えよう。

「自分が何者か強く思ったらわかった。」

「「それだけかよ!」」

うーん、まあいいか。あのころに比べたらずいぶんましだしな。

「まあ、気を取り直して。」

おっと、おとなしいほうが何かしゃべりだしたぞ。

「私の名前は...うーん...林吉太郎です。前世ではK大学で歴史の教授をしていました。とりあえず今世では

前世での知識を生かして賢く生きようと思っています。」

「お前が言ったたならならわしも言わなくてはならんな。わしの名は…。]

おっとかなり将来やんちゃになりそうなやつがしゃべっておるな。こいつの名はなんとゆうのだろう、

「わしの名は、織田吉法師だ。」

ほう、織田、か。かなり有名な名字だな。なんて思っていると、

「も、もしやあなたは織田信長では?」

などと叫んでいる。ほう、織田信長か。織田信な…。わしでも知っている天下人ではないか!まさかそんな人だとは…。まあということはこいつに付き従えば大丈夫だな。そんなことを思っていたら、

「つまるところ…私はたぶん織田弾正忠家の筆頭家老の林佐渡守の子供で、吉之助さんは重臣の平手正秀の息子でしょうか。」

なんと、俺もそこそこの家であった。これからどう生きていこうか…。


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