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2.当事者から見た杉田文書

お二人の分を読了。いろんな意見があるなぁ。

 今回の記事には、二編、ゲイの当事者の方が書かれていますが。

 そちらを見ていこうかと思います。

 すっごい、当事者の意見って、気になるじゃないですか!


 ってなわけで。


・松浦さんのお話 特権ではなく「フェアな社会」を求む。

 今回の寄稿の中で、ダントツ理性的でよく書かれていたと思う。さすが元参議院議員。


 なによりも冷静な姿に、あぁそうだよね、落ち着くべきだよね、ととても思った。

 彼は最初に、杉田議員への過度なバッシングに疑問を呈しています。

 なぜって? それがLGBTのためにならないことをわかっているから、です。


 事実誤認の上でバッシングをした場合、とばっちりはLGBTに行ってしまう。

 実際に「兵庫県議」の差別発言疑惑の時に、かなりもめたという実例を挙げてらっしゃいました。

 

 そして杉田議員文章の「おかしい部分」をあげつつ、「それよりも」、LGBTの税金投入について、を語ります。

 うん。あの文章の一番のポイントは生産性ない人たちに税金を入れるのはどうか、だったのだから、ここを最初に持ってくるのはとても正しいと思います。


 同性パートナーシップ制度の証明書にはほとんどお金がかかってないし、そこをつついても……という感じ。

 私もそう思います。結婚するにしたって、税金入れるほどお金かかんないと思うんですよね。


 ただ、ここで、衝撃の事実が出てきます。

『LGBTツーリズム』なる企画があるというのです。

 復興庁が旗を振っているということなのですが、なんと「海外の富裕層のLGBTを被災地でおもてなしする企画」なんだって。

 ……「は? なにやってんの、復興庁」と普通に思った。


 私はこの企画の存在を今知ったのだけれど、こんなことをやられたらLGBTの評価ががくんと下がるに決まってるじゃないですか。

 これって、「ダイバーシティ的」な話を知った人が、「じゃーお金持ってるLGBTを海外から連れてきてお金使ってもらえばいいじゃん」って発想なんだよね。


 それで「おもてなしのために、復興予算使ってる」んだってさ。

 しかも、LGBT相手にする=施設などの設備投資が必要になる(トイレとか、お風呂とかね)らしく、そこでお金が動いているのだそうで。

 たしかに「ここをこそ攻めろよ!」と、めちゃくちゃうなずいてしまった。


 どうしてLGBTにしちゃった? というのがクエスチョンである。

 これが普通に「世界の富豪」に声をかけるのなら、施設もそのままでよかったわけでしょ? せいぜい外国語の表記だったり、案内音声だったりを拡充するくらいでさ。それとも今の状況だと「普通の富豪は呼べない」って思ったの? LGBTなら富豪でも大丈夫とか思ったのかな?


 お次「生産性発言についてどう思ったか」、ですが、すさまじく複雑なようです。

 もちろんショックだし、優性思想だという批判はもっともといいつつも、でも、ダウン症の子とか出生前診断で間引いてるよね? っていう話が載っていました。


 出生前診断ができる、という現代ならではの話ですね。そう考えるとそもそも産むかどうかの線引きというのは、優性思想がある程度絡んでいるんだなぁと思いました。


 そして、同性愛者団体と小児性愛団体がくっついてた、ってのは私は初耳でして。(アメリカでの話だけど)

 同性愛者団体のイメージ向上のために、小児性愛団体を切り捨てた歴史があるとか、初めて知りました!

 ここらへんをきちんと書ける、ってのは当事者の都合のいいこと以外をちゃんと見てるわけで、必要な観点だと思います。

 そうだよね。マイノリティだからこそ「押さえるところは押さえないと」批判されるってのを理解してるよね。



 さて、けれども松浦さんは、「それが本当のポイントではない」といいます。

 杉田議員の論文の一番にあるのは、「ある層の人の代弁なんだな」ということだそうです。

 ある層、というのは、端的にいえば「現代のスピーディーな社会に取り残されてしまった高齢者たち」ということになります。

 ちょっと短くまとめられないので、雑誌の方で確認してほしいのだけど。


 つまりは、人同士は交流するわけで。「LGBT当事者の側」だけじゃなくて「それを受け止める側」のことも考えようっていう話です。

 いきなり、同性愛だなんだと言われても、お年寄りはいきなりでびっくりするんじゃーい、ということですね。

 焦るな、急ぐな、ということなのでしょう。


 ここら辺に関しては、「日々きちんと挨拶をする」とか、交流を持つ、というようにしていけばいいと私は思っているのだけど、どうなのだろう?

 染み込むようになじんでいく、ってのが、セクシャルマイノリティの戦術ではないですか。

 

 松浦さんはさらに「デモの話」にも言及します。

 前の論で私も5000人のデモのうち、どれだけLGBTだったの? って言ったけど。

 そのデモでは「反天皇制」やら「安倍総理退陣」のプラカードが躍っていたそうです。


 また、彼はこうも言います。「LGBT=リベラルは、マスコミが作った虚像である」と。

 ですよねー。


 既存の概念から、逸脱している人たち、という意味で、「周囲への寛容さ」を求める立場ではあるけれども、本人たちがリベラル派であるか、といえばそれはまた違う話なんですよね。だって、全然「自由」じゃなくない? 社会の型からは外れちゃってても、自由意思で好き勝手やってるわけじゃないじゃない?


 彼も言っていますが「ほとんどの人はカミングアウトをしていないフツーに働く社会人」だって。

 ちゃんと、いちおうは社会構造の中に入っていて、政治に関してだって「LGBTに否定的じゃないところがいいな」くらいなふわっとした感じなんじゃないかな。もしくはカムってないなら、社会生活のほうで優先的な項目のほうをとるのかも。


 だって、「きちんと社会の枠組みに入りたい」んだもん。LGBTって。

 仲間外れにされて、後ろ指さされて、そういうのがつらいってわかっているし、嫌だから。

 

 そして、今は、学校の先生から「仲良くしなさいよね、訳ありの子なんだから(こそっ)」って言われて、一緒のクラスにいる状態なわけよ。

 Tに関しては、まあ、とても多くの個性があるからして、「なじめない子」もいると思うけどね。

 また、LGBTに限らず、「社会からつまはじきにされちゃう人間もいる。

 私もつまはじきにされる側なわけだけれどもね。


 同性愛の人たちはすでにもう、ステルスで社会に溶け込んでいるのだから、適応力は高いのではないかなぁと思うのです。

 うらやましーねー!


 お次は「野党のLGBT法案」について。

 与野党ともに、LGBTに対する法案っていうのは作っている昨今なわけですが。

 お話によると野党のほうが「強制力ありで過激な法律」なのだそうな。


 これに関しては私も「与党案=理解増進法案」のほうが、「野党案=差別解消法案」よりいいと思う。

 松浦さんも本文で、その理由について語っているのだけど。

 野党案の方は、社会的障壁になる観念も罰せられてしまう、という点。

 これでは、LGBTが嫌だ、といえば、発言したほうのペナルティになってしまうわけで。

 特別ななにかになっちゃうわけです。


 どっちがいいかって当事者に聞けば、たいてい与党案っていうんではないかな。

 疲れ切っちゃってる当事者さんは、野党案に走るかもしれないけれど。

 私は、そんなんでLGBTの人が相対的に発言力を増すのは嫌だ。

 それは受け入れられているのではなくて、はれ物に触ってるっていうんですよ。

 

 この節で松浦さんが書いてる言葉で『多数の幸せを支えているプラットフォームを壊すのではなく、バッティングしている権利をいかに調節していくか』というのがあるのですが、まさにこれですよと、素直に思いました。

 あまりにもLGBT側のみのための支援をしすぎると、それこそ「税金使い過ぎ」と言われるのではないでしょうかね。


 さて、与党案のほうは、どういう風にしたいのかって話ですが。

 どうも「カミングアウトしないでも大丈夫なように」したいということらしいです。

 カミングアウト、一大イベントですよね、これ。

 たしかに、「言っても言わなくても大丈夫」くらいな感じになるのが、一番理想なようにも思います。

 言ったとしても「へー、そうなんだー」で終わるっていうのがね。


 トランスにしてもそうで。「ふぅーん。で? あたしのこと好きだったりするの?」とかなんとか、茶目っ気たっぷりでかるーく流されるのが理想だと思う。

 深刻ぶってほしいという人も中にはいるかもしれないけれど、それはちょっと障がい者利権狙っちゃってるかなぁって気がするね。

 まあ、Tだけは声の問題とかあるからね、苦手なところがあるってのは、ある程度配慮はしてほしいところではあるんだけどもね。

(そうなんないように早めに医療的な対処をしてほしいってのが一番なのだけどもね)



 では最後の項。

 松浦さんは、秋田出身なのだけれど、同性愛者であることで秋田の代表であるのはふさわしくないと言われたのだそうです。

 そして秋田にはゲイバーがないのだそうで。まあそりゃなじみの店とか作れないよね、顔ばれやばかろう。

 東京なら、地方から出てきた人が遊びに来たりするから、あそこはリアルと二丁目を完璧に切り離しているから成り立つのです。

 

 そして松浦さんは『LGBT特権が欲しいのではなく、フェアな社会を望む』と言います。

 なんか、うまく伝えられなくてもどかしいのだけど、この最後のところだけでも一読するべきだと思います。


 社会制度を変えても、という意見もあるけれど、現状「仲間外れ」感が半端ないのは確かなのです。

 受け止める側は、そうだって言われると構えちゃうし、壁ができますからね。

 もちろん、結婚して子供ができると、「家族の話ばっかりになっちゃう」人が多いのは事実で、一人の人間から、父親、母親になってしまうというのは、あるんですが……だとしても、特別扱いじゃなくなればなと思うのです。


『「LGBTであっても国民の一員」という承認』が、当事者にとって日本人としての矜持になるということが書かれています。

 これは、アメリカの愛国心と同性愛者の話が先にあってからの話でもあるのですが。

 国の制度の中で置いてきぼりを食らってると、愛国心っての芽生えにくいかもなぁとは思いました。

 それを言えば、普通の家庭も愛国心はあんまりないよ! っていうのはあるかもしれないけれどもね。


 まあ、松浦さんの寄稿はほんと、フェアでした。読んでない方はぜひとも目を通していただければ。

 う? 図書館に……ないかな、どうかな。 



・かずとさんの寄稿、騒動の火付け役、「尾辻かな子」の欺瞞


 尾辻かな子さんとは誰なのか。

 衆議院議員である。

 1974年生まれなので、まだまだ若い議員さんといっていいだろうか。

 同性愛者であり、カミングアウトっていう本(2005年)を出しています。

 パートナーシップ制度の時も話題になってたように思っています。


 さて、かずとさんの寄稿は、そんな尾辻さんへの、恨み節がほぼすべてです。

 書き方の問題もあるのだけれど、「著書をきっかけに、自身もカミングアウトできたのに……」「今は、どうなの!」という論調なのです。


 はい、こちらに関しても「炎上のほうへの反応」と言ってしまっていいでしょう。

 尾辻さんは、杉田文書に対して、ネット上でかなり反論をしていたようです。

 

 かずとさんが指摘するのは「新潮45の文章に対して、ネットで抗議する」のではなく「議会で一緒になるんだから、そっちで対面で話をしておけよ」ということだった。

 まあ、それはその通りだと思う。公式な場じゃなくて先に本人に聞いとけ、というのもごもっともだ。


 さて、ここからですが。

 二人のネット上でのやりとりが転載されるわけなのですが。

 かずとさんが言うには「尾辻さんは、LGBTに税金をつぎ込む必要性を答えられなかった」のだそうで。

 

 そこからお話が動くわけです。

 じゃあ、なんで答えがないのか。それは「LGBTは特別お金をかける必要がないから」なのではないのか、とかずとさんは指摘します。

 そして尾辻さんの主張は「Tのことばっかり言ってて、LGBの話題だしてないじゃん」と、恨み節がでます。


 まあ、そりゃ自分と同じで、自分の盲を開いてくれた人が、自分たちのために真摯に働いてないと思っちゃったらちょっと、すねちゃうのはわかりますけどね……

 そこで、素直に「特別な支援をいらない」と主観で言っちゃうのは、ちょっとどうなんだろうか、とも思った。

 部外者の私が言うことではないだろうけど、結婚の権利くらいは支援として必要だと思うのだけど?

 そこのところ、当事者側からいらないって言われるのもちょっとなぁ。


 

 そしてまた、かずとさんは「尾辻さんがLGBTにお金をつぎ込みたいのは、自身が手掛ける法人にお金いれたいから」というようなことを言っています。

 ま、まあ「LGBT政策情報センター」なるものは、確かにうさんくさいのではあるけれども。

 ここらへんは、なんとも実情の把握は困難です。

 実際、この団体がどの程度役にたっているのか、というのはわからないし、お金の話に関しては半分言いがかりのような気もします。


 ただ、「そのためにLGBTには弱者でいてもらわなければならぬ」というのは、うーん。

 ホームページの冊子を見てみたけれど、どことない気持ち悪さはあるけど、異性愛者と同性愛者比較した「例題」みたいなの出てて、いちおうそれが「間違い」ってわけでもないものだから、この冊子自体は悪くないんじゃない? と思うのです。

 ことさら、弱者アピールはしていなかったし、よくあることが書かれてたし。

 と思ったら、後半ちょっとうざくなったけれども。


 なんつーか、法律の話とかあたりから、「えっ、法律で権利保障すんの? 特別扱いなの?」って思ったり、それぞれに対する説明が細かくずらっと書いてあったりで、最初の引きはよかったんだけど、ちょっと詰め込みすぎたかなという印象でした。

 

 権利保障とかの話になっちゃうのは、スタンスの違いなんでしょうね。

 普通に暮らしていて、同性愛者と異性愛者が一緒に暮らせる、というのを信じているか信じていないか、かな。


 私は一緒の釜の飯を食うまで行ければ、なんとかなると思うんですよ。

 要は最初のステップが、踏み出せないから上手くいかないって感じ。

 社会怖がっちゃう、ニートさんに似てるかな。


 いろいろと揶揄されて嫌な経験がたまっていって、どうせ異性愛のやつらは自分のことなど認めないのだろうって感じになっちゃうわけです。そうなったら「法律でなんとかいうこと聞かせたい」になるんですよね。

 ただ、まぁ、私は同性愛者じゃないから実感を持っては言えないけれども、それって揶揄されたときに「それは言わないで」ってお願いしたんだろうか。

 その言葉、めっちゃ傷つくわー、あかんわー、オカマ呼ばわりさすがにあかんわー、オネェちゃうわー、みたいな感じで、マジで言えば、「お、おう……」ってなると思うんですよ。


 同性愛者への揶揄っていうのは、「ネタでやる」ケースほとんどでしょ。

 マジで差別主義の人って、そんなにいないと思うんです。いや、いるのはいるんだけどネ。

 一回目は、イエローカードでいいと思うんですよね。

 それで、そっちの話題はこいつダメだってなったら、その話題は避けてくれると思うんだよね。

「どーせ、無理」って口をつぐんじゃうことこそが、改善のストッパーなのではないかな。


 ちなみに、私は妊婦がとことんだめなわけなのだけど、「幸せそうな妊婦たちの、きゃっきゃした会話をぶち壊せはしない」ので、昼休みは基本ぼっちです。いえーい。 

 シャベルの疲れるヨ……ね。

  

 さて。

 炎上した原因は尾辻さんだった、とかずとさんは言いますし、もはや政策もなく、議論もできないと批判しています。

 ここらへんに関しては、まあ……そうなのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。

 

 ただ、私から言えるのは、「それってもう、杉田文書の話じゃなくね?」だった。

 まー、炎上の原因が尾辻さんにあるから、と言われると、まー、そうなんですけれども。

 

 尾辻さんは批判しかしないっていうけど、この文章がもう、批判だけしかないかな、と思いました。

 正直、もうちょっと建設的な意見が欲しかったところだけれど、しゃーないのかな。


1をアップしたあとちょっとして書き始めたのだけど、お二人の感想に温度差があって申し訳ない。

でも、だんだん読むの嫌になってきてて、次の「その他の文章」については、正直どうしようかという気分になりかけています。


そろそろファンタジー書きたい!

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