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マリーゴールド  作者: はち
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2.回想

 高校時代、静喪先生は変わっている先生と皆から呼ばれていた。死んだ魚の目のように熱を失った目をしていて、何を考えているのか誰にも分からなかった。私は友達の多いほうではなかったけれど、クラスの全員が先生を変わっていると思っていることは知っていた。


 その総意には思春期特有の同調圧力のような、強制力があった。けれどそれがなかったとしても、私は先生のことを変わった人だと思っただろう。


 でも決して悪い先生ではなかったと思う。授業は分かりやすく、冷たい目だったがよく笑顔で話しかけてくれる先生だったから。クラス内のいじめを見て見ぬふりをしたり、不必要な叱責もしなかった。


 だから、『変わっているが良い先生』というのが、私や他の生徒の総意だった。

 でも卒業式の日、私の中でその意見は変わった。


 先生は私に目をつけた。研究対象を見つけたマッドサイエンティストのように、私のことを嘗め回すように、調べつくすように見てきた。

 だから私にとって、静喪先生は『やっかいな先生』という認識になっている。


 私はその目から逃げるように学校を去った。まあ、ただ卒業しただけだが。でもそれからは、高校には近づかないようにした。もし再会してしまったら、次こそは全てを見抜かれてしまうと、そんな危機感を覚えたのだ。


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