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恋に恋してなにが悪い!  作者: 八雲 なお
6/7

うん!好きだよ!

スパムLINEかもしれないという疑念の感情が完全に消え、蒼葉の心は女子からLINEがきたという事実に心躍っていた。


興奮で震える手を抑え、返信を考えながら打った。


「忍原蒼葉です。一年間よろしくお願いします。 うん、あすかな好きだよ!でもなんでわかったの?」


五分ほど文字を打っては消し打っては消しを繰り返しようやくこの文章を完成させた蒼葉は大きく息を吐いた。ちなみに、『あすかな』とは、『明日の彼方から』の略称である。


程なくして返信がきた。


『アイコンがあすかなだったから』

『いいよね、なんかああいうの。私ああいう話好きなんだ!』


ポンポンと続けて二つ。ほう、長い文章は二つに分けるのか。それにしても自分が女子とLINEできてるぞ!蒼葉は内心感動すると今度はホッと息を吐いた。


「あぁわかる。初めてあすかなのキービジュ見たときはまたハーレムものかなって思ったけど、PVと一話見てそうじゃないってことがわかって、俺あんまりハーレムものとかわからなくて」


送信してから気づいたがこれはさっき桐丘さんが使っていた『二文分け』を使うべきところだった。次その機会が来たら使ってみよう。


『そうだよね!私もハーレムとかよく分からなくて…… 忍原君は他にはあすかなのどんなところが好き?』(続けて首をかしげるスタンプ)


「そんなことで悩むかよみたいなリアルな感じとか、四人の会話とかかなぁ。でもまあ特に好きなのは」


そこまで打って蒼葉は送信する。ここは二文分けを使うべきところだ。


そして続きの文を────


『あの四人の泥沼恋愛劇だよね!!』


「あの四人の絆の深さかな」──────── ん?えっとこれは?


『特に、4巻のキョウヤがルミに告白したと知ってキョウヤのことが好きだったエミがルミに嫌がらせするシーンとかいいよね!!』


「え?そんな展開になるの?」


『もしかして原作持ってないの?じゃあ、ネタバレしちゃったかな。ごめんね』(舌を出して謝るスタンプ)


「いや、それは別に構わないけど。そっか、そんな展開になるなんて予想してなかった」


『まあ確かに序盤は落ち着いてるもんね』


「桐丘さんってアイコンもだけど少女漫画とかそういうのが好きだったり?」


『うん!好きだよ!あすかなが好きってことは忍原君も?』


「まあ軽いラブコメくらいなら好きかな」


『なら、私がアイコンにしてる『私がモテるなんてどうかしてる。』がオススメだよ!』

『持ってるから貸そうか?』


え?あれって。


「それってハーレムものじゃなかったっけ?さっき桐丘さんハーレムものよく分からないって」


『あぁ、ハーレムものはわからないけど逆ハーレムものならわかるよ。鉄板だもん』


えええ。なにそれ。逆ハーレムとかあるの?


「そうなんだ。まぁ、考えとく」


『そっか、借りたくなったら言ってねいつでも貸すから』

『じゃ、もう遅いから寝るね。おやすみ』

(寝息を立てているスタンプ)


「おやすみ」


蒼葉の女子との初LINEはこんな感じであった。

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