大人になったというわけですね。うんうん。
朝のホームルームが終わり10分休憩の時間。
教室は先ほどはまた別の喧騒に包まれていた。
「いやー、蒼葉と会うの4年ぶりやっけ?懐かしいなー。」
自然と似合う関西弁。これが方言萌えか。いや、同性に萌えはしないが。
「え?あ、う、うん。」
「もしかして緊張とかしてんの?なんかおもろいな」
「そりゃ、緊張するよ。」幼馴染が爽やかイケメンになってたら。
「えー、そうかな。昔の蒼葉やったら大げさなリアクションでびっくりして、つか、それを期待して今の今まで転校こと黙ってたのに。」
「あー、まぁ。4年で色々あったと言うか。」
「大人になったと言うわけですね。うんうん。」
「んー?」
爽やかイケメン転校生と話す冴えない卑屈生徒。なんだこれ。蒼葉も理解が追いつかない。
「まぁ、蒼葉が話してくれるだけで安心するわ。こっち来て友達作れるか心配やから手伝ってな。」
「その手伝いはちょっとできかねたり?」
「なんで?もしかして友達おらんかったり?」
「ま、まぁ。顔見知りは何人か?」
「何があったんや蒼葉。相談なら乗るけど。」
「いや、相談事ってほどでもないし。」
「そう?じゃ、まぁ、これから一緒に友達作っていこうぜ。」
転校生と始める友達作り(転校生に手伝ってもらいながら)ってなにそれ。