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恋に恋してなにが悪い!  作者: 八雲 なお
2/7

うわ!イケメンじゃん!


それにしてもどうやら今日は転校生が来るらしい。


よくある展開としてはその転校生(美少女)と恋に落ちて幼馴染(これまた美少女)と取り合いになるというものがある。


残念ながら蒼葉には異性の幼馴染などいない。ということは蒼葉がもし恋愛モノの主人公であるならここは転校生と恋に落ちるべきなのだろう。まぁ、それもまたありえない話だが。


キンコンカンコン。蒼葉の妄想が終わったと同時に本鈴のチャイムが鳴った。


それに合わせて皆が席に着き、蒼葉もゲームをやめ、スマホをカバンにしまった。


教卓に目をやるとそこには20代半ばといったぐらいの男性教師がいた。


「はい。皆さんおはようございます。今日からこの2年1組の担任になりました、現国の横山(よこやま)(おさむ)と言います。1年間よろしくお願いします。」


くしゃっとしたパーマが特徴的な、何処となく優しそうな雰囲気のある先生だった。


「おー、おさむんじゃん!やった!」


どこかの陽キャラ女子が言った。どうやら『おさむん』と呼ばれているらしい。


「はいはーい、そこ。先生をつけるように。」


注意すべき場所はそこなのかとクラス中が笑いに包まれる。皆慣れないクラスに緊張していた様子だったが、それが少し弛緩する。


「何か先生に質問とかあるかな?」


優しい口調で先生がクラスに問いかけた。ここで、質問したりひと笑いとったりするような者がおそらく今後のクラスヒエラルキー上位に君臨するんだろう。


が、まだそこまでする勇気がないのか皆ソワソワとしたままであった。蒼葉もそうであったことは言うまでもない。


理先生はそれを察したのだろう。


「まぁ、今じゃなくてもいいからいつでも質問しに来てね。教師としてアウトな質問以外は全部答えるから。」


あはは。とまたクラスが笑いに包まれる。


「では、皆さんも知ってるであろう転校生を紹介します。どうぞ。」


クラスが和やかな雰囲気の中転校生を教室に招き入れた。なんて気配りのできる人なんだろうと蒼葉は内心感動する。


果たしてそこに現れたのは



爽やかイケメンだった。


「うわ、イケメンじゃん!」


先ほどの陽キャラ女子が囁くように言う。


「お前さっき感情出さないって言ったじゃん。」


「どこからきたんだろう。」


「てか、聞いてねーし。」


またそんな会話を小耳に挟みつつ。はて、どこかで見たような顔だなと、転校生の顔を見つめる。


と、転校生が


郡山(こおりやま)史也(ふみや)です。大阪から来ました。高校で転校ってのは珍しいと思うけど、まぁよろしく。」


え、郡山史也って。


「はい、みなさん仲良くしてあげましょうね。えーと、郡山くんはあの空いてる席に」


蒼葉は空いている左の席を見る。どうやら郡山史也は蒼葉の隣の席らしい。


郡山史也は、その席に腰を下ろすとこちらを向き、


「また、よろしくな。蒼葉。」


と、言った。








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