六話―持つべき友は親友―
『る~ん、る~ん、る~~ん』
相当ご機嫌なのか、周りからの視線など全く気付かず、はたまた気付いていたとしてもそんな事などまるでお構いなしと決め込んでいるのか、朝日が照らす参道を鼻歌を口遊みながら、スキップを踏む子供のようにステップを利かせ、だらしなくふやけさせた顔で歩む一人の生徒。
その人物こと雨音翔。
――
――――
――――――否、綾瀬紗結である。
何故かは分からないが、どうやら前日の朝も紗結はご機嫌だったようなのだが、前日は本日みたいに人の目も憚らずにステップを踏んでいなかった事を考えると、前日に比べ、一段とご機嫌のように窺える。
そんな紗結へと向かって一人、表情をこれでもかという程不機嫌そうにしながら後ろを歩く男の影。
紗結の幼なじみである鮫島雅也である。
「まーくんまーくん、はやくはやくー」
紗結は気分ルンルンにそんな言葉と共に雅也の腕を引っ張りながら先導し、雅也はその行為に一瞬耳が赤くなる。
紗結は幼なじみ故か、こうしたボディータッチを特に気にした様子もなく行うのだが、雅也はどうしても気になってしまう。掴まれている腕から感じてくる感触に、嬉し恥ずかしといった想いが表情に浮かんでくる。
しかし、それも一瞬。
ふやけてさせてしまった表情を直ぐに戻し、口を軽く尖らす。
「――紗結、お前ずいぶんと機嫌がいいみたいじゃねえか」
雅也の内心では正直この話題はあまり振りたくないと思っていたのだが、紗結がさっきからちらちらっとこちらに向かって『聞いてー聞いてー』という輝いた瞳をし、目を瞬かせて顔を向けてくるものだから、雅也は渋々紗結にそう尋ねたのだった。
「えー、えー、まーくんなんか顔が聞きたいって顔じゃないしなぁ......」
本人は気付いているのかいないのか、いや確実に気付いてなく素でやってしまうのが紗結なのだろう。上目使いで雅也にそう告げてくる。そのため、雅也は思わず照れ隠しで顔を背けてしまう。
しかし、そこは幼なじみ。ボディータッチ然り。さすがにこういった攻撃にも既に慣れたものだ。直ぐにふやけた表情を元に戻す。
「いやな、お前が聞いて欲しそうな感じでいるから聞いた訳でだなぁ、別に言いたくなきゃいいんだぞ?」
雅也なりの反撃を紗結に返す。
「あーごめーんごめーん。お願い聞いてー!実はね――」
傍から見たらどう見てもカップルのようなやりとりを繰り広げる二人。周りにいる登校中の男子生徒も女子生徒もそんな二人の様子に軽く嫉妬を覚える。
しかし、実は二人は付き合ってはおらず、唯の幼なじみであるという事は有名人の二人であるこそ周知の事実であり、それが周りで様子を見ていた者達の唯一の救いであった。
◇◇◇
そんなイチャラブ劇が繰り返されているとは露知らず、一人の少年は前日のようににやにやし始めたかと思いきや、突然「あ゛ー」と何かにイラつき始めたり、また「ふふっ」とにやけたかと思うと、今度は「はぁ......」と深い深い溜息を繰り返したりと、見事に一人で喜怒哀楽を表現していた。傍から見たら完全に危ない人物である。
そんな危ない人物、それは今度こそ雨音翔だ。
翔が喜怒哀楽浮かべている間中、隣にはもちろんいつものように親友の姿――長谷川亮がいるのだが、目の端に涙を蓄え、お腹を抱えながら「はぁはぁ、死ぬー」と苦しそうに唸っている。
もちろんお腹が痛いわけだが、その痛い理由は内臓から来る腹痛......というよりは、笑い過ぎて腹筋が痙攣しての痛みであるのだが......。
「――亮さぁ......お前、俺が苦しんでるのになんなんだよ?」
そんな亮の態度にやっと気付いたのか、翔は口を尖らせて不機嫌そうな表情を浮かべるとそう言葉を吐き捨てる。
そんな翔の様子を見て、少し笑い過ぎたかなと反省した亮は目の端の涙を拭きとる。
「いやーさぁ、俺もボコられたって話聞いた時はさすがに頭に血が上ったよ、ほんと。だけどよぉ......その後にまたあの夢の話が出てきたと思ったらさ、急に憤怒の表情を綻ばせてにやにやしながら綾瀬さんの話をお前がするからさぁ......ちょっと呆れて怒りが薄れちゃった訳だよ。挙句の果てにはそれからずっとお前が顔芸の如く七面相繰り広げるもんで思わずな......思い出したら......ぶぶっ」
話しながら先程の翔の顔を思い出してしまったのか、亮は再び吹き出して笑い始める。
「あぁ、だからもう笑うなよな! それに別に顔芸してたわけじゃないってーの! それでもお前親友かよ? 俺なんだか悲しくなってきたぞ......」
「あーあーあーあー、ごめんったらごめんってー。まぁあれだ。綾瀬さんの取り巻きの四人組だっけ? そいつらには俺がしっかり話しつけとくからさ! 機嫌直してくれって」
「いや、そうゆう意味で言ったわけじゃないから......。亮に関係ない事でまた面倒も掛けたくないし......。だからそこは気にしないでく――」
「なーに言ってんだ! それこそお前親友だろ? 俺に任せとけ! まぁ別にそいつらにやり返すとかそうゆうんじゃなくてさ、上手い事言ってそうゆう幼稚な事止めさせるだけだからさっ」
「いや......それでもそのせいで亮があいつらに絡まれる事になったりするかもしれないし......」
自分の事を心底心配してくれて、手を貸してくれると告げる亮に思わず胸に込み上げてくるものを感じながら、それでも迷惑を掛けたくないがために言葉尻が小さくなっていく翔。
「ははっ、翔。それこそどんと来いだって! お前だって知ってるだろ? 今までお前にちょっかい出してきた奴らを俺が叩きのめしてきた事を」
「......それは......そうだけど......。はぁ、わかったよ。ありがとな、亮。だけど本当やり返すとかは止めてくれ。確かにムカつくけど、それでもさすがに高校生にもなって喧嘩なんて幼稚臭くて恥ずかしいし、亮が、怪我なんてしたら困るし......」
「オーケーオーケー! 俺に任せなさいって! きっちり反省させてやるからさっ!」
「いや......だから......心配だよ、この人......」
歯をキランっと光らせてウィンクを決める亮に対し、翔は嬉しさ半分、『こいつに任していたらやっぱり危険じゃね?』という不安要素半分を胸に抱きながら歩んでいると、気付いた時には既に学校に到着していた。
「かっけるー! 今からじゃもう時間ないからさ、HRの後お前っちクラス行くでそいつら教えてくれぃ!」
「おぅ、わかった。けど......ほんと無茶だけはしないでくれよな」
「わかってるってー! んじゃ先行くわー!」
亮は翔にそう告げると、自分の教室へと走り去っていった。そんな亮の後ろ姿を眺めながら、
(さて、この後どうなっちゃうのか......。亮は信頼してるけど......正直心配が大きすぎる。でも......、やっぱり持つべきものは親友だな。なんだか、いつも助けられてる気がする。本当亮はかっこよすぎるよ......。俺が女だったら確実に落ちてるな......)
恋する乙女のような視線を翔は亮へ送りつつ、そんな事を考えながらもしっかりと予鈴のチャイムが鳴るギリギリの時間になるように意識をしながら、ゆっくりとした歩幅で自分の教室へと向かうのだった。
◇◇◇
(......ん? なんかいつもと違......う?)
予定通り、予鈴のチャイムが鳴るギリギリに教室へと入った翔だったが、教室内の光景に真っ先に疑問の念が頭を過ぎる。
教室の中には普段とどこか違う、そんな雰囲気が見て取れた。
しかし、翔は首を傾げる。はてさて何がいつもと違うのか......。
(......あれ? 綾瀬さんの取り巻きの位置がいつもと違う?)
そう。普段ならば紗結の取り巻きは、当然紗結の周りに集まっている。これは作られ始めた当初から今まで一度も変わらずだ。
というのも、取り巻き連中はもちろん紗結が目当てであり、自然と紗結の席の周りに集まっているのだが、実は翔は知らなかったがそれ以外の理由も存在している。
紗結の取り巻きの女子達(翔がそう思っているだけで実際はただただ紗結と仲が良い子達)には相川梓、一之瀬胡桃、桐崎楓、栗田成美という四人がいる。
相川梓は、髪型がショートヘアで少し日に焼けた肌の持ち主。活発なイメージで、ボーイッシュなスポーツ女子が好きな男子にモテそうな、少しサバサバとした性格の女の子。
一之瀬胡桃は、小柄でお目目がクリクリしているのが特徴の高校生にはまるで見えない幼さの残る、可愛らしい感じ。常に髪を巻いており、ザ・女の子っていう性格。可愛いもの好きのロリコン男子から絶大な支持を受ける女の子。
桐崎楓は、唯一紗結と中学生の頃からの親友。紗結と並ぶ長身で黒髪ストレート。鼻筋の通った整った顔立ちは、普段紗結に隠れてしまっているものの、誰から見てもわかる美少女。口数は少なく、冷静沈着な御姉さんというイメージ。
最後に栗田成美。少しぽっちゃり体系の女の子。おっとりとした性格で、その場の雰囲気を和ませる、愛されキャラ。
そんな彼女達なのだが、何故紗結の取り巻きが紗結の席の周りに集まるかという理由がそこに隠されていたりする。
それは別に難しい事ではない。紗結と翔の席が隣同士な事からも推測ができる。
つまり、紗結の出席番号順の一つ前と一つ後ろの女子、つまり相川梓と一之瀬胡桃が紗結の席を挟んでいる事が大きな理由だ。
まず、今の席順が出席番号順になった事から、翔と同様に梓と胡桃は常に紗結の近くにいる。
そんな中、紗結の隣の席は翔なため、もちろんそこに会話はない。そのため紗結の向かう場所は必然的に前の席の人物か後ろの席の人物となった。
始めの内は、三人共が別々の中学からの生徒だったため、会話はどこか固かった。特に紗結は黙っていると凛とした表情とその美しさから、美の彫像の如く近寄りがたい雰囲気が醸し出されており、梓と胡桃の方から話し掛ける事はまずなかった。
しかし、紗結は天真爛漫な性格のためか、そんなこと気にした風もなく、気兼ねなく二人に話し掛け続けていた。
いざ紗結と話してみると、その姿から受ける印象とは打って変わって、実に無垢で天然でうっかりした性格の持ち主の紗結。その笑顔には目と心を奪われ、見た目とのギャップから少し驚かされながらも、紗結の人の好さに二人は心惹かれた。
そうして程なくして心の壁は崩れ去り、三人は今では休み時間の間は常に一緒にいるような仲になったのだった。
一方、楓は紗結とは中学生時代からの親友なので紗結と共にいるのは当たり前。それと同時に、席順で楓の後ろの席の成美とは、成美のおっとりとした雰囲気に癒やしを感じ、成美も楓の凛とした後ろ姿に密かに心惹かれるものを感じていたためか、そんな二人は直ぐに仲良くなり、そこから紗結達の輪に溶け込むようになったのだった。
ちなみに、取り巻きの男連中は当然紗結目当てで周りに集まっている。
しかし、中には梓のようなボーイッシュ溢れるスポーツ女子が好きな男子や胡桃のように小さくて幼い完璧ロリコン主義な男子、はたまた楓のような御姉様に叱られたいという性癖を持つ男子がいたりはする。
尚、残念ながら成美を求めて集まる男子はこの場にはいない。ただ、成美はそんな事に悲観した気持ちは全くない。どうやら今は楓と共に居られれば十分幸せらしい。
閑話休題。
そうした席順の理由から、仲の良い五人の内三人の席のある梓・紗結・胡桃の席に自然と集まり、結果、三人の真ん中の席である紗結の席が取り巻きの中心となったのだった。
しかし、それは現時点を除いてはであった。
(......なんで、今日はあっちに集まっているんだ?)
翔は理由が分からず、頭の中にクエッションマークが浮かんでいた。
現在、紗結の取り巻きは紗結を含めて窓際の後ろ席に集まっている。
翔は知らなかったが、その場所には楓と成美の席があり、そこに紗結含め取り巻き連中が集まっているのだ。
つまり、この状況は取り巻きという名の台風が紗結と翔の席から移動した事を表していたのだが、しかし、何故場所が移ったのかが翔には不可解だった。
しかし、ここは楽観的思考の持ち主の翔である。悩んでても分からないし、わざわざ理由を聞く訳にもいかない。まず、第一に誰にも聞けないのだが......。
なら台風が去った事を喜ぶべきだと、どこかご機嫌に、颯爽と自分の席に着いたのだった。
そんな翔の姿を、後ろの方で視界に捉え、微笑む紗結の姿があった。その微笑みは、まるで慈愛に満ちた聖母様を彷彿とさせた。
そんな紗結の突然の微笑みに、周りで紗結を窺っていた者たちは思わず感嘆の溜息を漏らす。
しかし、そんな中、常に紗結の一挙手一投足を見ている者――淳史がそんな紗結の視線の先を辿り、翔の姿を捉えた瞬間、般若のような形相で憎悪に染まった視線を翔へと送っていた事に、当の本人は気付かずにいたのだった。
翔が爽やかな気分で席に着くと、見計らったかのように直ぐにHRを始めるチャイムが鳴り響く。
紗結の取り巻きはもちろん、他に席を外して友人と談笑していたものや、後ろの方でバカやってふざけていた者など、皆が皆席へと戻り始める。
当然、翔の隣には紗結が座り、その髪から香る甘い香りに翔はくらっときては、紗結の隣の席という事でいろいろと矢面に立たれていても、その分こうした幸せがあるんだよなとその余韻を噛みしめるのだった。
◇◇◇
「――では朝の連絡事項は終わりです」
そして、訪れたその時間。
HR終了時の最初の休み時間......というよりも移動教室などのための空き時間と呼ぶべき時間。
「よっ! かっける~、来たぜ来たぜ~!」
他クラスなんて事はお構いなしという風に、陽気に声を掛けながら翔の教室に入り込む人物。翔の唯一の親友こと長谷川亮の登場である。
そんな亮の登場に、当然クラス中の視線が注がれる。
視線を送る、女子達の心の声はというと......
『えっ!? 誰あのイケメン!?』
『なに!? ちょーカッコいいんですけど!!』
『あっ! サッカー部で一年生レギュラーの長谷川くんだ!』
等といった好奇の視線。逆に男子からはというと......
『おいおい勝手に教室入ってくんなよって......イケメンだな』
『うわー、なんて爽やかスマイルだ......引くほどイケメンやん......』
『あっ! 亮じゃん!』
『おっ! 長谷川やん!』
といった、イケメンに対する羨望や嫉妬。あるいは亮と同じサッカー部の者や、はたまた明るく能天気な性格のためか、直ぐ友達の出来る体質の亮が、どういった訳か他クラスの男子なのにもう友達となってしまった友人からの心の声の数々。
しかし、男女関係なく一番多かった心の声はというと......
『『『『なんであんなイケメン(亮)があんなモブ男(翔)に親しげに声掛けてんだ!?』』』』
と言ったものだった。
そのため、視線を注がれるのは当然亮だけでなく翔も含まれている。
そんな視線に当然翔が耐えられる訳もない。
「おいおいおいおい、どこ連れてくんだ?」
そんな亮の声など無視して、翔は強引に亮の腕を引っ張ってそのまま廊下へと連れていったのだった。
「――亮、あんな目立つような入り方はやめてくれよな」
翔は周りに誰もいないとこまで歩を進めると、先程人の視線を多く浴びた恥ずかしさと、亮の無頓着な行為への多少の苛立ちを含め、少し不機嫌そうに亮へと言葉を紡いだ。
亮はそんな翔の言葉を理解できなかったのだろう。きょとんとした表情をし、そのまま首を傾げる。
「なにがだ......?」
翔の言った言葉の意味がやはり分からないのか、そう聞き返す亮。
亮は自分自身の行動と翔のクラスでの立場を分かっていないのだろうと、翔は小さく「はぁ」と溜息を零していた。
「いや、もういいよ。たぶん言うだけ疲れそうだし」
「おいおい、そりゃどうゆう意味だよ?」
「そのまんまの意味だよ。はぁ......、とりあえず話を先に進めようよ」
「なんだいなんだい。まぁ時間もない事だしさっさと用件を片しちゃうか。んで......例の奴らはどいつらなんだい?」
言うだけ無駄だと判断した翔は話を進めようと先を促し、亮は何の事か分からないながらも時間がない事からまぁいいやと教室の中が見えるとこまで近付くと、翔に尋ねながら教室の中を覗くのだった。
教室の中では先程の亮の乱入で未だに恋する乙女になってしまった女生徒や普段通りふざけている者達と実に様々な光景が見て取れた。
そんな光景の中、翔は中を覗き込み、後ろの窓際の方を見やると「ん」と顎で亮の視線を翔の視線の先へと誘導させた。
「あそこの集団がいるしょ? あん中の身長が抜きんでている男二人とデブとチビの四人だよ」
「おうおう、ずいぶんとわかりやすい事この上ないな。んじゃちょっくら行ってくるから翔はトイレかどっかにでも居てくれや」
意気揚々と亮はそう告げると、後ろ手に手を振りながら再び翔の教室へと入っていったのだった。
そんな亮の後ろ姿に期待や感謝、加えて不安や心配、自分の不甲斐無さに対する後悔といったいろんな感情が胸中を巡り、翔は最後に一言「頼む......」と小声で呟くとトイレへと向かうのだった。
◇◇◇
その日は一日、休み時間の間中、翔はいつも通りトイレやベンチで時間を過ごしていたのだが、どうやら紗結の取り巻きという名の台風圏は、窓際後ろの席に停留していたようだった。
結局どうしてそうなったのかは翔には分からなかった。一瞬、昨日見た夢の事が脳裏を過ぎったが、さすがにそれはありえないだろうと頭を横に振る。
理由はどうあれ、結局本人達にしか分からないのだし、それならそれでラッキーだと思うことにしたようで、翔はその事よりも昼間の亮の言葉を思い出していた。
HR後の空き時間に亮が淳史達に何かを告げてくれたらしいが、翔は昼休みの時にいつも通り別館校舎裏の廃置き場で亮と共に食事を摂っている時に詳細を聞こうとした。
「なーに、もう大丈夫大丈夫! 心配いらんでぇ~」
しかし、亮はそうはぐらかすような言葉を口にし、微笑みを浮かべるだけで翔に詳しい事は教えてくれなかった。
それに対し、翔は多少の不安や心配はあったのだが、こうゆう時の亮は今までの経験上、いつも助けてくれたという実績や、何より深い信頼があった。
そう思うと翔の表情に浮かんでいた陰りが次第に消え去り、それを見止めた亮は優しく微笑んだのだった。
始めの文で翔だと勘違いしてくれた人はいるのかな~? いないだろうな~?
そして亮くん。......かっこいいですね。
男の自分でも惚れちゃいますよ、いや、ほんと。