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彼と彼女と夢物語  作者: 伝説の自宅警備員
第一章―夢物語のはじまり―
13/32

十一話―桐崎楓の企み―

今回は紗結の親友、楓ちゃんにスポットを当てました。

過去話が多く、なかなか展開が進まなくて申し訳ないです......

次から話が進みます。

予定では......

 彼女とは中学一年生の頃、同じクラスになった。

 始め見た印象は、まだ同じ十二歳だというのに周りの子達と比べ明らかに大人っぽく、綺麗だなとそう感じた。

 そして、だからこそ、自分とは合わないだろう、そう心に思っていた。



 彼女は桐崎(きりさき)(かえで)

 家は華道を営んでいる。

 当然その家の娘である彼女は、小さい頃から華道を母親から教わってきた。

 華道を生業として生きる人物である彼女の母親は、当然娘だからといって優しく教えることは無かった。

 厳しく、そして、辛く当たるそんな母親に、幼かった楓はどうして自分はこんなに厳しくされないといけないんだろう......そう胸に抱いていたのだが、しかしそれを決して両親に言う事はなかった。

 厳しい母から生まれてきた彼女だからこそ、自分にも厳しく生きてこれたのかもしれない……。


 そうしてそんな姿は周りからは大人っぽいと言われ、自分に厳しい彼女はそんな凛とした姿を必死に維持し続けてきた。


 “いつか母に認めてもらいたい”


 その想いで一心に。




 ◇◇◇




 彼女が中学に進学した頃。

 その時になって初めて紗結と知り合ったのだった。


 自分に厳しかった彼女。

 自分に厳しいが故、相手にも同じものを求めてしまう彼女。

 その結果、周りの人達にも生半可な態度を取る事など出来ず、常に厳しく当たってしまっていた。

 当然、そんな彼女に友達と呼べる人は一人も出来なかった……。



 そうして一人、彼女が孤高でいる中、そんな彼女に気さくに話し掛けてきていたのが紗結だった。



「ねぇ、次の授業って何?」


「今日の給食何かな~?」


「昨日のあのテレビ観た~?」



 等々。なんのことない話題ばかり。別にわざわざ楓に聞かなくてもいい事ばかり彼女は尋ねてきたのだった。


 楓はそんな彼女の気さくな態度に戸惑いつつも、相変わらずな態度でいつも素っ気なく返してしまっていた。

 それなのに、彼女はいつも何が楽しいのか、楓には全く分からなかったが、それはもうにこにこにこにこと、常に笑顔で楓に接し、彼女のそんな顔を見ていると同性なのに恋してしまうのではないかと勘違いしてしまう程に癒された。


 そう、“癒されていた”のだ。


 彼女は生まれてこの方、ずっと親から厳しく育て上げられてきた。

 そのおかげか、彼女の一つ一つの精練された所作は、事細やかで見る物に大人の上品さを醸し出し、年齢不相応の美しさを常に晒してきていた。

 当然そうして生きていく中、家に彼女の安らげる場所はなく、また学校でも気付いたら友達に厳しく当たってしまっているため、心許せる場所が皆無だったのだ。



 そんな中での紗結の存在。


 初めて出逢った厳しく当たっても離れない人。


 話しているだけで、その笑顔を見るだけで、心安らげる人。


 そして、心から信頼出来ると確信めいたものを感じられた人。



 楓は出逢って一週間も経たぬまま、紗結の事を心の中で初めての“親友”と感じていたのかもしれない。




 ◇◇◇




 高校に入学し、クラス分けが決まった日、彼女は心底喜んだ。

 今では自分からだけならず、向こうからも自分の事を親友として慕ってくれている紗結。

 そんな紗結と初めての高校生活を一緒のクラスで分かち合うことが出来るのだ。


 本当に嬉しかった。


 紗結の方も楓と一緒のクラスだと気付くと、一緒になって喜んでくれた。

 そんな彼女の笑顔に、楓も心から笑顔が零れるのだった。




 始業式の日から数日。

 紗結は元気が無くなっていた。

 多分周りに集まる生徒や友達は気付いていなかったと思うが、親友だからこそ分かる。

 彼女が笑った時、その笑顔はいつもと違っていた。

 彼女は必死に笑顔でいるようだった。

 合間合間に時折見せるもの悲しい表情。

 どこか陰りを帯びた笑顔。

 そんな表情を彼女は浮かべていたのだ。


 その事に楓は気付いていたものの、紗結から告げてくるまでは踏み込まないと決めていた。

 それは相変わらず自分に厳しい彼女だからこそ、親友である紗結にも厳しく、紗結が弱音を吐くまでは見守ろうと心に決めていたからだ。

 そのため、そんな紗結の変化を気にしつつも、普段のように振る舞う彼女に対し、楓も心を鬼にして普段通りに接したのだった。




 ◇◇◇




 そうして数週間が経った頃。

 突然紗結が元気を取り戻していた。

 しかも、その明るさは今まで以上に明るく見えた。

 彼女の陰りが物色されたのだと気付き、安堵したものの、そのあまりの変わり様に楓は戸惑いを隠せず、聞くつもりはなかったはずなのに、心のどこかで心底気になってしまっていたのだろう。思わずといった感じで楓は紗結へと尋ねていた。



「ねぇ紗結? なんだか元気になったみたいだけど……何かいい事でもあったの?」


「えっ? 分かるの!? ……やっぱし楓ちゃんだね!」



 楓がそう尋ねると、紗結は一瞬驚愕の表情を浮かべたものの、直ぐに納得のいった表情をし、うんうんと首を縦に振るのだった。

 そして、にこっと、笑うと(おもむろ)に話し始める。



「実は......元気がなかったのはね......、楓ちゃん......雨音くんの事、知ってる?」


「……えっ? あぁ……うん。確か紗結の隣の男の子でしょ?」


「そうそうそう! それでね、その雨音くんは昔、会った事ある男の子に似ていてね……それで始業式の日に会った時に驚いたんだけど、とりあえず挨拶をしたんだ……けどね……」


「……ん? けどね……?」



 突然言い淀む紗結に小首を傾げ、話を促す楓。

 紗結は楓を見つめると、意を決した感じで話の続きを再開する。



「実はね……、無視されちゃったんだ……」


「……無視?」


「うん……無視……。自己紹介したんだけど返してくれなくてね……こう机に顔を伏せちゃったんだ……」



 その時の事を思い出しているのか、眉をへの字に下げて悲しい表情を浮かべながら翔が机に伏した状態を真似する紗結。

 楓が「んー……」と、眉根を寄せて思案顔をしている中、紗結は「それにね……」と、話を続ける。



「時々目が合う事があったんだけどね、いつも目を逸らされちゃうの……。それに意を決して授業の事を聞いた時もまた顔を伏せて……無視されちゃってね……もしかして……わたし……嫌われてるのかもって……思って……」



 だんだんと悲しくなってきたのか、目の端に僅かに涙を浮かべ、声のトーンが少し上がる。

 その様子に楓は思案顔を続けつつも、「それってもしかして……」と小さく呟く。

 紗結はそんな楓の呟きに訝しみつつ、楓の言葉の続きを待つ。



「多分……多分だけどさぁ……、それって単純に照れてるんじゃないの?」



 楓は思案顔を止め、紗結を見つめると自分が予想した事を告げた。

 紗結は「……へ?」と呟き、この人何を言っているんだろうといった表情を浮かべる。



(相変わらず天然だなぁ、この子は)



 彼女のそんな姿に呆れつつ、けどここが可愛いんだよなぁと楓は微笑み、言葉の続きを話し出した。



「まず第一に、紗結はいい加減自分の美貌を理解する事だね」


「びっ、美貌だなんて……大袈裟だよ楓ちゃんっ!」


「何が大袈裟なもんかぁ。最近周りにクラスの男の子が集まってきてるでしょ? あれはみーんな紗結、あんた目当てで集まってきてるんだよ?」



 紗結は楓の言い放った言葉に手と首をがんがんと大きく左右に振り、否定の意思を表す。

 楓はまずそこからかと呆れつつも、しかし、真剣な眼差しで紗結へと言葉を返した。



「……えっ、えぇー…………、嘘だよぉー……。楓ちゃんとかぁ、胡桃ちゃんとかぁ、梓ちゃんとかぁ、成美ちゃんとかぁ、みーんな可愛いんだからぁ、皆のとこ集まってきて――――」



 『るんだよ』

 そう続けたかった紗結の頬を、楓は両手で挟んで言葉を無理やり終わらせ、真剣な表情......されどどこか怒気の籠った瞳で紗結と見つめ合った。

 その鬼気迫る表情に紗結は圧倒され、ただただ楓を見つめ返すしか彼女には出来なかった。

 そして楓は「......いい?」と、真剣な眼差しで問い掛ける。紗結は頬を抑えられながらもぶんぶんと頭を前後に振り、了承の意味を表現した。

 楓はその姿に「ふぅ」と、短く溜息を漏らすと再び言葉を紡ぎだす。



「胡桃や梓が可愛い事はもちろん知っているよ? 当然彼女達目当てで来ている男子もいるかもしれない……」


「あ、あれ……? 成美ちゃんは……? ひぃっ…….」



 言葉の途中で話を逸らされ、紗結へと楓は思わず睨みを利かす。

 あまりの凄味に小さく悲鳴を上げた紗結を一瞥し、話の続きを紡ぐ。



「成美の事は置いといて。そんな中でも紗結、あなたが一番の中心なのよ? 紗結がいなかったら皆集まってこないの。……知ってる? 男子達の半分以上は紗結、あんたに惚れちゃってる事?」



 楓の言った言葉に驚愕を隠せず、目を見開いたまま固まってしまう紗結。

 内心ではそれはありえないだろうと思いつつも、そんな事を言ったらまた楓に怒られてしまうと楓の表情から感じ取り、口をチャックする紗結。

 その様子に紗結は気付いてないし、信じてない事は分かったが、中学の頃からこうだったので楓は既に慣れたもの。

 楓は気を取り直し、話を戻す。



「......で、まぁ紗結がいつものようにモテモテだって事を前提に考えてね。その……雨音くんだっけ? 彼も紗結に恋しちゃってるのかはちょっと分からないけど、少なくとも紗結の美貌にやられちゃっているのは確かだって事を言いたいわけよ。......そこは大丈夫?」


「大丈夫……じゃない……けど、大丈夫……」



 紗結が否定の言葉を出そうとしたら、楓から来るプレッシャーが強くなり、紗結は渋々といった感じで納得する。



「それでなんだけど、元気がなかったのはその雨音くん? に無視されてたと思ったからなの……?」


「う……うん……」



 紗結の肯定する言葉に呆れつつも、これは自分がさっさと尋ねなかったからその勘違いをここまで引きずってしまったのではと軽く罪悪感を抱く楓。

 しかし、もう既に今更な事だし、今紗結は元気になっているのだからもういいだろうと気を取り直し、再び紗結へと話を振る。



「うん、OK。それで? なんで元気になったの? 雨音くんと口でも聞けたの?」



 楓がそう尋ねると、今まで暗くなっていた表情が嘘のように、ぱーっと、花が咲いたかのように表情を明るくし、紗結は言葉を捲し立てる。



「そうそう! それなんだけどね! 聞いて聞いて! 昨日ね、雨音くんがね――――」



 紗結の捲し立てた言葉に呆れつつ、それでも紗結が元気になれたのだからと楓もその話を微笑みながら耳を傾け、その途中にそういえば翔が休憩時間よく席を離れているなぁと思い出した楓は、その理由は自分達の所為かもしれないと紗結に示唆するのだった。




 ◇◇◇




 数日が過ぎたある日の事。

 紗結の事で翔に興味を持った楓は、時折翔を観察するようになっていた。

 そうして観察していく内に、どうやら自分の考えは間違っていなかったのだと理解した。


 翔を後ろの席から覗いていると、時折彼の顔が何気ない様子で横を向く事がある。

 横、つまりは紗結の方だ。

 窓際に座る翔であるからこそ、その何気ない仕草は授業を集中して傍聴している紗結は気付かない。

 しかし、後ろの席だとよく分かった。

 どうやら翔が紗結へと恋心を抱いているだろうという思いは、彼の行動を観察していく内に、日を増す毎に、確信へと変わっていった。


 しかし、その事を楓は紗結へと告げなかった。


 それは何故か……?


 一つは、恋愛は本人同士で頑張るものだと思っていたからだ。

 そのため自分が茶々入れていい事ではないと思ったからである。


 二つ目は、紗結の幼馴染でもある雅也の存在である。

 紗結と幼馴染であるが故、紗結の親友である楓とも関わり合いが深くなる。

 深くなるにつれ、楓は雅也が紗結へと恋心を抱いている事に気が付いた。

 いや、楓でなくても学年全員が知っている可能性の方が大きい程、あからさまな態度だった。

 唯一気付いていないとすれば、紗結本人であるだけか……。


 そうして中学三年間、楓は雅也と関わっていく内に、その純粋すぎる恋心に一種の尊敬めいた感情を抱いていた。

 紗結へと本格的なアプローチをしないまでも、永遠と振り向いてくれない相手をずっと好きでいる......並大抵なことではない。

 それに加え、雅也をモテるのだ。

 ただモテるだけではない。ファンクラブが出来る程だ。

 当然数多くの女子達から雅也はアプローチされ続けてきた。

 中には紗結には及ばないまでも、他の学校ではマドンナ的扱いに成れるだろうと思われる程綺麗な子、可愛い子もいた。

 それにも(かかわ)らず、雅也は全てのアプローチを断り、ただ一心に紗結へと恋心を抱き続けているのだ。

 

 正直、本人には悪いが正気の沙汰ではないだろう。


 そう、楓は思うも、そんな尋常じゃない雅也に尊敬し、出来ればその想いが報われてくれればと思っていたのだった。


 そのため、楓は翔について紗結へと助言する事はなく、当然雅也の事も、自分が口出して純粋過ぎる想いを踏みにじる事は絶対にしたくないと、助言をする事はなかったのだった。




 そんなある日の事だ。

 帰りのHRにて、担任の蛍先生から学外研修で富士ミドルパークに行く事を知った。

 その事実に周りは盛り上がったものの、彼女がその時の班分けを“出席番号順にする”と言い出した。

 当然紗結を想う男子達が騒ぎ出した。

 蛍先生は彼氏がいない腹癒せ、もしくは面倒臭がっている呈を装っていたが、鋭い楓は彼女が翔のためにそう案を出したのだと気が付いた。


 今まで気にも留めずにいたのだが、楓は翔を観察するようになって、彼が普段独りぼっちな事に気が付いていた。

 

 ......そう、まるで中学までの自分みたいに。

 

 理由はどうあれ、そう思うとその辛さや親近感めいた物をいつの間にか感じていた。

 紗結との恋路は応援しないまでも、彼を何とか救ってあげる事は出来ないものかとも考えていた。


 そんな中でのこの学校行事。

 蛍先生が一瞬翔へと視線を向けた時に閃いたように気が付いた。


 “彼女も翔をなんとか独りぼっちにさせないようにしている人物の一人”


 なのだと……。


 その事に気が付いた時、彼女の身体は勝手に動いていた。

 手をすーっと上に伸ばし、周りが静かになったところに一言。



「先生。私は公平にくじ引きがいいと思います」



 そう言葉にしていた。

 楓には考えがあった。

 くじ引きをする事で、誰かが独りぼっちになる事は必ず起きない。

 そして、くじを引く順番。

 これをどうにかすれば、ある程度なら思い通りに班分けをする事が出来る。


 そして、蛍先生に気が付いてもらうように視線を翔へと向けた。

 それに気付いた彼女に楓はウィンクを返し、自分の意見を通してもらおうと目論んだ。


 その結果、その目論見は見事成功し、くじ引きで決める事になった。

 これで計画は上手くいく、そう思うと思わず自身の顔に悪い笑顔が浮かぶのが手に取るように分かったのだった。




 HRが終わって直ぐ、楓は紗結に「ちょっと部室に行くの待ってて」と告げ、蛍先生の下へ向かった。

 蛍先生の周りには学外研修の事が気にあるのか、あるいは彼女の初めて聞く恋愛事情に興味を持ったのか、何人かの生徒が集まっていた。

 楓がその光景に出直そうかと思った時、蛍先生と視線が交わった。

 二人して頷き、無言の会話をすると、蛍先生が「少し桐崎さんとお話がありますので......」と告げると、生徒達からの質問の嵐を振り切って、楓と共に廊下へと出たのだった。


 廊下ではさすがに話すのは無理だろうと思った楓は、隣の教室が使われていない教室だと気付き、その教室へと誘導する。

 そうして教室の奥の方へと進むと、楓は振り返り、蛍先生を見据え言葉を紡ぎだす。



「日暮先生。まずは班分けをくじ引きにしてくださってありがとうございます」



 腹部に両の手を置き、精練された所作で綺麗にお辞儀をしながら、楓は礼を述べた。

 そのあまりにも綺麗な様子に、蛍先生は驚嘆し、目をぱちくりさせながらも言葉を紡ぐ。



「い、いえ……、桐崎さんに感謝される事ではないわ。あなたも雨音くんを想ってそう意見してくれた......そうでしょう?」



 驚嘆しながらも何とか口を動かして言葉に発し、同意を求めるように小首を傾げながら尋ねる蛍先生。

 その姿に楓は感心し、微笑みながら同意の言葉を紡ぐ。



「そう……です。あのままいけば多分好きな者同士で班決めをする事になりました。そうすると彼は……雨音くんは独りぼっちになったでしょう。それに……多分私の親友の所為で、先生に迷惑掛けてしまう事にもなったでしょうし……」


「それは……綾瀬さんかしら? 確かに彼女の所為でクラス中が大変な事になっていたかもしれませんね?」



 そう言葉にするなり、「うふふっ」と微笑む蛍先生。

 やはりこの先生はよく私達生徒を見てくれているのだなと嬉しく思い、楓は感心しながら話の続きをする。



「……はい。御恥ずかしながら、本人は全く気付いていないんですよ……、本当困った子です。そんな彼女だから可愛いんですが……。話が脱線してしまいましたね。実はくじ引きなんですが、その引く順番を蛍先生が決めて欲しいんです」


「順番ですか……そうする事で彼が上手く馴染める班に出来ると……?」


「はい……そうなんですが……そのために一つ、不正をしていただく事になるのですが……」


「……不正ですか……。話を聞いてみない事には何とも言えませんね……伺っても?」


「はい、実は――――」



 言い淀む楓が“不正”という言葉を発すると、蛍先生は一瞬眉尻をぴくっとさせた。


 しかし、それでも話を伺おうと蛍先生は続きを促し、楓は少し声のボリュームを落とすと、その不正話の続きをするのだった。


さて、楓ちゃんの過去が明らかになり、更に鮫島少年の恋心が今まで黒に近いグレーだったのが、ここにきて彼の過去話をする前に完全な黒になってしまいましたね......

ってことはまた近いうちに鮫島少年の過去話をしてあげないと......話が進みませんね(泣)


そして、学外研修の班決めでの裏話が出てきましたね。

桐崎さんは意外と腹黒い?

次は班決めがどうなるか見ものですね。

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