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夢で逢いましょう  作者: 牧田紗矢乃


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プロローグ

「待てぇぇぇぇ……」


 とてもよく響く、ロングトーンの声。

 それは一匙の狂気を孕んだ雄叫びだった。

 遠くから聞こえるそれを、心地よいと思っていたあの頃は幸せだったと言えるだろう。


 しかし、それが自分へと向けられた途端、その声は恐怖に変わった。

 自らの身へと振りかざされる凶器のやいばは、獰猛な光を放つ。


 ――どこへ行けば逃れられるのか。


 思案する間にもそれ(●●)は迫った。

 まるで、逃れることのできない未来を暗示でもするかのように――。



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