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猫好きの、猫好きによる、猫のための異世界にゃんにゃん冒険譚~異世界行ったら愛猫が猫耳美少女になったけど、猫とは良き友であり、崇め、尽くす相手なんで恋愛感情なんて微塵もありませんが?~

掲載日:2026/09/20

注…登場する猫様の反応はあくまでもフィクションであり現実の猫様の反応とは異なる場合があります。筆者が猫様が好きなくせに猫様をお迎えしていないことと、お話を進める都合上どうしても変更せざるおえなかったため代わってしまいました。心からお詫び申し上げます。


戦闘描写ほぼありません、主人公強くしすぎました。ワンパンですワンパン

「姫様、どうなされますか?」


目の前には小瓶が一つ。中には一口飲めば昏睡し数秒で苦しみなく死ねる、魔法で生成した毒が入っている。


「まだ、辞めておきましょう」


「はっ、仰せのままに」


死ぬのは怖い。しかし、苦しむよりはマシとも言える


隣国へ婚約者に会いに行った帰り、突如レッドドラゴンに遭遇、馬車を捨て馬に乗り全速力で逃げるも、相手は数日不眠不休で動ける世界最強格、対するこちらはちょうど街と街の間だったこともあり迎撃できる設備のあるところに行くまで、馬を止まらずに飛ばしても3日、限界まで急いでも5日かかる。


そして今目と鼻の先まで迫っている


グオォオオ


大気を震わせる咆哮、来た


「総員、散開‼︎」


隊長であるモーリスの一言に護衛がばらける


ボッ


私がもともと居たところへファイヤーブレスが放たれる。


ドォン


竜が降り立ち、進行方向を防がれる


「姫様、三人付けますので少数で横の森から抜けてください。竜はこちらで」


「っ‼︎ありがとうございます。貴方の功績は本国で讃えられるでしょう」


「ははっ、それならば是非とも生きて帰らなければいけませんね」


森の中へ入る


「お前ら、気合い入れろ‼︎これで帰れば名声は思うがまま、報酬もたんまりだ。命かけろおぉおお‼︎」


「「「「「うおぉおお」」」」」」


背後から声が聞こえる


「みんな、ごめん」


森を抜けること1時間弱、馬の限界が近い。一度立ち止まり休憩を入れる


バサッ、バサッ


メリメリメリ


木々を薙ぎ倒しながら竜が舞い降りる


「姫様‼︎」


パァン


守ろうと前に出た三人が尾の一撃で吹き飛ばされる。その間に木陰に隠れられたが見つかるのは時間の問題だ。私に攻撃力はない、あったとしても相手が強すぎる。だめだ、勝てない。懐から小瓶を出し、蓋を開ける。口元へ運ぶ、手が震える。


ビュオ、ドォン


「キャァ」


木が前足に殴られ中程からへし折れる、手に持っていた瓶もその衝撃で手から離れ、中身が溢れる。


目の前へ竜の口が迫る、口を開ければ縦に長身な大人が二人根染めれるほどに大きい、縦に割れた瞳孔、熱い息。死が具現化したような威圧感。


もう…だめだ


「どりゃさぁああ」


ドォン


突如竜の頭が目の前から消える。その代わり現れたのは黒い髪に猫耳、獣人か?


「おい、怪我は…ないな、一応治癒魔法はかけておくか…よし。姫、少し頼む」


「後でジャンボアジね」


「もちろん」


何あれ、竜と互角に戦っている。攻撃対象が小さいため竜の攻撃は通らず、姫と呼ばれた獣人の攻撃は鱗を切り裂く。だが、リーチが足らず、決め手にかけるようだが


獣人が竜から距離をとる


ブォン


5重の魔法陣が展開、中のものを焼き尽くす


「無塵火葬」


多重積層魔法陣⁉︎国の魔法使い数人で運用するレベルの魔法を一人で⁉︎


「あっちで伸びてた三人は治療しておいたから安心しな」


「あ、ありがとうございます、貴方は?」


「ネコズキニコだ。立てるか?」


手を差し伸ばされたのでその手をとり立ち上がる。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


竜の魔力反応があったので来てみれば、案の定人が襲われていた。ここまで来るのに俺の脚力じゃ時間がかかる。姫に連れてってもらったのだが、人命がかかっているため、背に腹は変えられなかったとはいえ、姫に仕事をさせてしまった。後で埋め合わせとして美味しいご飯とブラッシングをしなければ。


それにしてもあの女の子、良い身なりだったから、どこかの豪商の娘とかかと思ったら、小国とはいえ王女だったとは。不敬罪でしょっぴかれ無いかな?


そんなことを考えていると王女がこちらへ近付いてくる


「自己紹介がまだでしたね。ワツナ王国第一王女、キルクです。本日はお助けいただきありがとうございます」


「いえいえ、こちらこそ先程はとんだご無礼を」


所作が綺麗だ、ほんとに王族なんだな


「すまないが、何か身元証明書はあるか?」


まぁ、そんな身分が高いなら確認するはな


「ギルドカードで良ければ」


「あぁ…S級⁉︎」


「はい、あまり名は上げれていませんけどね」


「もしかして…黒の冒険者ですか?」


「いえ、まだまだ未熟で子犬みたいなものですよ」


「少し来てください、モーリスも」


キルクに着いて行き、人気の無い場所へ移動する。魔道具を使い範囲内の情報が外に漏れないようにしている


「あまり情報を漏らしたくない、ニコ以外は…」


「うちの姫に何かしようとしたら世界を滅ぼしてでも阻止しますよ」


着いてきた姫を締め出そうとしていたので軽く威圧しておく


「構いません、今はそれよりも『裏』のギルメンであっていますよね」


「えぇ」


さっきのやりとりは隠語で黒に関することを言い、それに対して犬に関することを言う。これで判別している。ギルド本部直属特殊依頼遂行課、通称裏ギルドとは、表では出せない、貴族などの依頼や高難易度などなどを受ける、特殊機関だ


「あの竜、どう思います?」


「…話を聞いた感じ、少なくとも。まとも竜ではなかったでしょうね。一番可能性があるものをあげるのならば何者かに操られていたという感じでしょうか」


「そんな…一体誰が…」


「さぁそれは分かりませんが、少なくともキルクさんの逃げた方向へ竜を向かわせたわけですから、どこからか監視していることには変わり無いでしょう」


「そうですか…あのような竜が他にいないとは保証できません。そして私たちだけでは勝てない。ニコさん、報酬は金貨100枚、国についてからになってしまいますが、この依頼(クエスト)受けていただけないでしょうか?」


『姫はどう思う?』


膝の上に猫形態になり膝の上でくつろいでいた姫に聞く


『この人は絶対にたくさん撫でてくれるタイプの猫好きだと私の勘が告げている』


猫好きに悪い者無し、姫も乗り気のようだ


「すいません、いまは別の依頼を受けている途中でしてお受けできません」


「そう…ですか…」


「ここももう少ししたら発とうと思っています、それまででしたら何かあれば力を貸しますよ」


「残念です、仕事が終わったらまた王都に寄ってください、歓迎しますよ」


すごい悲しそうな顔をしている。怖いのもあるだろうが、目が姫に釘付けですよ。そこまでして撫でたいか


「ありがとうございます、それでは」


魔道具の範囲外へでる


『ちょっとかわいそうだったかな』


『あれぐらいやっとかないと、相手はきっとかなり執着があるから、すぐにバレるよ。まぁ、後で私を撫でさしてあげるのも吝かではない』


『そう言って撫でられたいだけじゃないのか?』


『バレた?』


『姫がいいならいいんだけど、ちょっと寂しいかな』


『ニコならいつでもいいよ』


撫でてやると、気持ちよさそうに目を瞑る。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「はぁ、これからどうなっちゃうんだろうな」


ため息が出る。ニコさんがテントを大量に持っていたおかげで泊まる場所を考える必要は無くなったが、これからもあんな竜や魔物が襲ってくるのは少し怖い。今でも鮮明に思い出すことができる、形ある死が身に迫る恐怖を。


ニコさんたちが協力してくれれば心強かったのだが、クエストの二重受注はできない。仕方ないと割り切ってこれからどうするか考えよう


監視されているのであれば、どこからどのようにどうやって行なっているかだ、一番あり得そうなのは森の木の上とかだろうか、あまりそう言うのは詳しくないのでわからない。だめだ、わからない


うん、考えるのはやめよう。知らない分野のことについて考えても何も解決しない。


「…あの猫ちゃん可愛かったな」


何を隠そう、この私は無類の猫好きである。あの夜の闇を濃縮したような深みと艶のある黒い毛並み、大きな満月のような金の目、スラリとした見た目、全てが最高だった。何かの術で人の姿も取れるようだが、圧倒的に猫の見た目の方が好きである。しばらく一緒にいるならワンチャンあるかもと思ったが、一日二日では懐いてくれないだろうな…


「にゃー」


「あれ?姫ちゃん?」


まさかきてくれるとは。で、でもニコさんも明らかに猫好きでその愛猫を私が勝手にモフるのは…


「にゃー?」


パァン(首を傾げる姫に理性が弾け飛ぶ音)


うわぁ、この毛並み最高、ふわふわなのにさらさら。しかもめっちゃ甘えてきてくれる


「あー、キルクさん?ちょっといいですかね?」


「えっ」


ニコさんがテントに入ってきている、いつの間に


「ごごご、ごめんなさい、いえ決してやましい気持ちは、いや少しはあったかもしれないですけど、姫さんをモフったのは…えぇっと、はい、すいません」


「姫の同意の上なら構いませんよ。彼女が自由に生きれるようにする、それが私のやりたいことですから」


この人、重度のネコラーだ、とても好感が持てる


「で、用件なんですけど。どうもあなたの護衛の中に裏切り者がいそうなんですよね。なんで、私と二人でここを出ます」


「へ?」


思わず変な声が出てしまった。


「決定事項ですか?」


「えぇ、それが最も良い手だと」


S級と言う時点で疑ってはいないが…そんな唐突に言われても心の準備が…


「だとしても私の代わりって…」


「姫がやってくれますよ。な、姫」


「もちろん、この黒姫に任せときなさい」


私と同じ見た目の姫ちゃんが立っていた。すごい、私と瓜二つだ


「姫にはうまくごまかしてもらいますので、今すぐ出ますよ」


「服とかは…」


「姫のを使ってください。幸い身長と体型は近いので大丈夫だと」


「いやいや、そういう話じゃ」


「姫様、どうかされましたか?」


外から声をかけられた


「もう人が…行きますよ」


「え、ちょとま、きゃぁあ」


抱えられ、外へ連れ出される


キャンプからかなり離れたところまで来ると、おもむろに立ち止まった


「ちょ、ちょ、ちょっと、突然なにやってるんですか?!」


「ケシー」


「はい、まいどありにゃ~」


どこからかともなく、二足歩行の猫が出てくる。猫の妖精ケットシーだ。


「…」


あまりの光景に言葉もでない。ケットシーは珍しく世界に目を向けても、見たと言う人は数えるほどしかいないだろう、話した人となれば過去に遡っても片手に収まるぐらいなのではないだろうか。


「で、旦那今回はどこまで行くにゃ?」


「カイルの街まで頼む、報酬はこれで」


「おー、キングマグロ、それも丸々一匹。良いのかにゃ?」


「あぁ、その代わり急いでくれ、あとこの話は内密にな」


「はいはい、それじゃあお急ぎ便参りますにゃ~」


そのかげ声と共に大きく振り上げた手(前足?)を地面へ着ける


ブォン


地面に大きな穴が広がり、飲み込まれる


「きゃああぁぁ…」


~~~~~~~~~~~~~~~


穴からでるとすぐ目の前にカイルの街がある。やはりケットシーの『世界の裏路地』はすごいな。


「ニコさん、さっきのはなんだったんですか?もう、色々起きすぎて何がなんだか分からなくて」


「あまり詳しくは言えないのですが、特殊な伝とだけ」


「とりあえず、ここからはどう行動するのでしょうか、まさかなにも考えていないなんてことはないですよね?」


「もちろんです、あの街に情報屋の伝があります。そこから今回の首謀者をあぶり出そうかと思っておりまして」


「それは分かりましたけど、そんなお金私の国にはありませんよ?」


S級、それも裏ギルドの職員ならば依頼を出すのに半日でも金貨10枚は下らない、ましてや明らかな組織的犯行それも竜を使役しているのだからかなり大きい、その解決となると数千は固い、いくら王族とはいえ一人のために出せる金額ではないか


「これは、うちの姫が認めた人を助けたいという個人的な行動なのでお金は要りません」


「でも、そんな…」


「じゃあ、私が貴方を拐った罪に問われたときに無罪にしていただける権利でどうですか?」


「…ふふ、分かりましたそれで行きましょう」


最初は何言ってんだって顔をしていたが、こちらの意図に気がついたらしい


「あ、あと街に入ったら敬語はご容赦を、怪しまれてしまいますので」


「ええ、構いませんよ。私もその方が気楽ですし」


少し一悶着あったものの、ギルドカードと、隠蔽魔術を駆使し無事街に入ることができた。


「で、その伝って言うのはどこにあるんですか?」


「まぁ、みてな。にゃ~、にゃ~」


キルクさんが(゜ロ゜)‼という顔で固まっている。まぁ、突然猫の鳴きまねをしだしたらそうなるわな


「にゃー」


近くの猫が集まってくる…おっ、居た。そのうちの一匹を抱え上げ首輪に手紙を挟み、ロックバードのササミをあげる


「猫がこんなに、天国です~」


キルクさんが猫に群がられてる、なんだ?あの人またたびでも常備してんのか?


数分待つとその猫が帰ってくる。


首に挟まれた紙を読む。


『西の小国、東の大国、天より分かちその頂きに…』


「すまない、キルクさん。すぐ戻る」


「へ?」


~~~~~~~~~~~~~~~~


「なるほど、闇ギルドか」


現在の状況、ニコさんが居なくなり数秒後に戻ってきたときにはなぜか片手に簀巻きにされた少女が居て。


その少女がなぜか泣きながら、色々な情報を話したあと、逃げるようにどこかに行った。以上


いや、どういう状況


「囮がバレた。ヒドラが出てそれを討伐するために動いたらしい」


「黒姫ちゃんは大丈夫なんですか?」


「姫は大丈夫だ、ヒドラごときには遅れをとらない。闇ギルドが相手なら、それよりも…」


パァン


「きゃぁ」


「早いな、既に目星を着けてたか」


気づかぬうちに魔力障壁が張られておりその外側に矢が落ちている。まさかあの矢でこの攻撃を放ったのか?


「ちょっと退いてくんねぇかな、そいつ殺せないんで」


「それはできないな」


「残念だ」


すごい量の矢が当たっているのだと思う。速すぎて良く見えない


ギィン


背後に障壁が展開され、ナイフを持った男が止められている。伏兵か


ゴォ


巨大な火の玉が現れたかと思うと収縮し小さくなる。


「おまっ、こんなところでそんな魔法打って良いと思ってんのか」


そう言いながら射線を切るように逃げる


「ガッ」


途中で、突然バランスを崩し、見えなくなる。


「ニコ、途中に居たやつとケシーをつれてきたけど使う?」


「あぁ、あとそこのやつも頼む」


「もう、やったよ?」


いつの間にか背後から攻撃してきたやつものされていた。


「とりあえず、闇ギルドまで行くぞ」


「そうだね。というわけでケシーお願い」


「まったく、猫使いが荒いんにゃから」


ケシーがまた手を上にあげる、なんかデジャブ


ブォン


「またこれですかあぁぁ…」


「報酬はツケとくからにゃ~」


~~~~~~~~~~~~~~


「何度も言っているが、来るときは先に連絡してくれたまえ」


その超絶ハードボイルドな声の主は、闇ギルドのギルドマスター、白髪白眼に黒いロングコートという見た目だ。見た目は少年のようだが、その実80歳ごえとかいうバグみたいな年齢詐偽をしている。


「善処する、それよりも今回は依頼の取り消しだ」


「依頼とはなんだね?私はしがない生い先短い老ぼれジジイだと言うのに」


よく言うわ、証拠を限りなく消して動いている。いや、もはや本人が動かなくとも闇ギルドが回るようになってしまっているので、証拠も何もないか。


「とりあえず。ワツナ王国のキルクを暗殺する依頼があるはずだ、それを無くしてほしい。あとこれを」


「これは…竜の宝玉か。これまた珍しいもんを」


「あとできれば依頼主の情報も」


「だから知らないと何度も言っているでしょうに…ここからはただの老人の愚痴だが、あの娘は少々行儀が悪くてな、少し懲らしめたいと思っていたところだ」


「頼むぞ」


「…ロビーに行くといい。美味しい菓子と茶を用意させよう」


「また何かあれば来るからな」


「二度と来るんじゃないぞ」


ロビーに行くと紙の束と菓子とお茶がある。


「美味しそうですね」


「おいしい…モグモグ…よ」


「もう食べてますよ…」


そんなやりとりをする二人を横目に紙に目を通す。


依頼主は隣国の公爵家の娘、サルーン。キルクさんの婚約者(第一王子)が好きだったらしく、キルクさんを殺せば振り向いてもらえると思って依頼したらしい。あーあ、評価がFだ闇ギルドをゴロつきの集まりとかひたすら貶していたらしい。依頼料も王族を暗殺するには安すぎる。


ご親切に魔力署名入りの契約書も付けられている、よほど嫌われていたな。公爵家との繋がりと弱みを握るために受けた感じか。そりゃ、これと比べたら、竜の宝玉と闇ギルドを潰せる戦力をもつ奴を敵に回すことを考えれば切るわな。一応闇ギルドの利用は違法だ、これだけの証拠があれば容易に捕まえられるだろう。


これだけやればもう刺客は来ないかな


「さて、このまま王城へ行くか。ケシー」


「あーもう、1日に4回も使うにゃんて、これやるの疲れるんにゃけど」


ドサドサドサ


大量の魚系の魔物、肉系の魔物を用意する


「好きなだけ持って行っていいぞ」


「どこまででも言ってくださいにゃ、旦那」


「調子がいいな。ワツナ王国王城まで」


「はいにゃ」


「姫、キルクさんもう行くよ」


あれ?お菓子がテーブルいっぱいにあったはずだが、今はもう数えるほどしかない。少ししか目を離してないよな


「なんなんですか⁉︎その目は」


「いや、一国の姫にしてはなんと言いますか…」


「なっ!!そうですよ、私なんて、姫に似つかわしくないお転婆娘ですよ」


わかりやすくいじけてるな


「よし、行くか」


「そうだね」


「じゃあ開きますにゃ」


「ちょっと、スルーしないでよ。私が持っている唯一のボケなんだから」


というか口調も性格も少し変わってないか?まぁ、命狙われてたら慎重にもなるか。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ケシーの裏路地で城に着き次第、キルクだけ置いてすぐにギルドへ向かった。置いてく時これから起こったことを説明しなきゃいけないと悟って絶望していたが、先に元凶を潰さないとまた狙われるからな、頑張ってくれ。


「ギルマスは居るか?」


「ギルドカードをお願いします」


「これで」


「えーっとランクは…っ‼︎す、すぐに呼んできます」


ランクを確認すると、慌てて奥に引っ込んでいった


「中で待っているので。ついてきてください」


受付嬢の後ろに続き部屋に入る。


「ギルマスに直接来るとは、さも重要なことなんだろうな」


「あぁ、闇ギルドを使った奴が出た」


「闇ギルド関連か、証拠はあるんだろうな」


「あぁ、もちろんだ」


先ほど入手した紙を出す


「でかした、また一歩闇ギルド壊滅へと近づくやもしれん。報酬は高くつくぞ」


余談だが闇ギルドは尻尾を出さなすぎて、利用者一人わかるだけでもかなりのことだ。


「そんなことよりも捕縛状を頼む」


「あぁ、すぐにでも書こう」


ギルマスの捕縛状、これがあれば例え貴族だろうと、王族だろうと捕まえられる。どの国にも所属しないギルドという独立した且つ生活に不可欠な組織だからこそできる芸当だ。


「これが捕縛状だ、すぐにでも隊を編成して…」


「それは大丈夫だ、俺らだけで行く」


「何を言っているんだそんなの不可能だ、っておい」


捕縛状は手には入った、あとは捕まえるだけだ


『ケシー』


『あー、もう今日はこれが最後だからにゃ』


一気に目標のいる家屋の前へと移動する。


「中には…」


「非戦闘員を除いて、50人ちょっとって感じだね」


「すいませーん」


「…」


誰も出てこない


「ここの娘さんに捕縛状が出ているのですが大人しく引き渡してくださーい。さもなくば武力行使にでますよー」


「…」


「よし、姫やっちゃって」


「了解」


ドォン


姫の蹴りに門が吹き飛ぶ、即座に魔法で扉も破壊。ロビーへ入る。ご丁寧に10数人のお出迎えだ。


魔法使いからの魔法が弾幕となり迫る


「旦那、もちろん後で報酬は取りに…ってどういう状況にゃー‼︎」


「ちょうどいいところに、手伝ってくれ」


床の穴から顔を出したケシーをつかみ中へ放り投げる


「あーもう、やればいいんにゃろ、やれば」


空中へ穴が開き魔法が飲み込まれる


ドォン


穴を通り撃った主へと魔法が還る


五人はダウン


「ケシーやって‼︎」


「はいにゃ」


姫が前にできた穴に飛び込む。


敵の内一人の背後に出口が開く、すれ違いざまに爪での一閃。まずは一人、そこから床を蹴り再度穴へ入る。


仕組みを理解した一人が背後に空いた穴に向けて剣を振る。俺の正面に穴が開く、中にいくらか魔法を打ち込む、すると剣を振ったやつの前に開いた穴から射出される。これで二人。ケシーの裏路地は好きな時に、好きな場所と繋げられる


ブォン、ブォン、ブォン


フェイク含め大量の入口が開けられる。ここからはただの蹂躙だった、ロビーの人間をあらかた倒し終えた後。奥へ進む、目標の気配が一番奥の部屋にある。


廊下には複数の部屋があるが、全部に人が入っているな。


案の定出てくるが雑に魔法を打てば倒せるその程度の敵だ。さあ、最後の部屋だ


中には一人の人が怯えたように壁へ身を寄せていた


「サルーンだな、闇ギルドを利用した罪で捕縛する」


「な、何よ証拠はあるわけ?」


「あぁ、あるこれが捕縛状だ」


「そんな…闇ギルドを使っただけで捕まるだなんて聞いてない…そうだ、キルクってやつを殺せばきっと私は王妃になれる、そしたらお金でも地位でも好きなものを渡せる、だから見逃してくれ…ひっ」


何やら意味不明なことを喚くので顔の少し横に魔法を放つ、頬が少し裂けてしまったようだが気にしない


魔法で拘束、ギルドへ引き渡す。その際現実を受け入れられず何かをぶつぶつ言っていたが、闇ギルドに手を出せばこうなるなんてバカでもわかるだろう。


まぁ、これで全ては終わった。今回はギルドから報酬も出たことだしよかったとするか


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ー捕縛から1日後ー


「これで、また元通りの生活に逆戻りか」


この生活は充実しているがちょっと窮屈だ、マナーや所作で動きを決められ、人生を決められ。けど昨日のあの一瞬だけは素の自分でいられた


コンッ、コンッ


「姫様、少し良いでしょうか?」


「モーリスですか?いいですよ」


扉を開けモーリスが入ってくる


「昨日は災難でしたね」


「そうですね、ですが誰も失わなく済んでよかったです」


「えぇ、本当に。紅茶を持ってきたんです飲みますか?」


「でしたら一口もらいましょうか」


美味しい


ふと、窓の外を見ると姫ちゃんの目のような綺麗な満月が浮かんでいる。


「ふふっ」


「どうかされましたか?」


「いえ、いろいろなことが目まぐるしく起こって、大変でしたけど。今振り返ったらそれも少し楽しかったなと思いまして」


きっとこんなことは私の人生でこの一回きりなのだろう、けれどその一回を大切に残りの人生を歩み…た…


あれ?


喉が痺れる、いや喉だけじゃない、体も


ドサッ


椅子から体が落ちる


「ふぅ、まさかSランクがいるとは」


モーリスが腰につけていた剣を抜く


「モー…リス…何を…」


「説明してやる義理もないな」


剣が振り上げられ、私の首に向け振り下ろされる

































































「っ‼︎ギリギリセーフ‼︎」


首に当たる寸前で魔法障壁で防がれる


ガキッ


モーリスが姫ちゃんの爪での攻撃を受けるが、腹を蹴られて飛んでいく


「ニコ…さん」


「やっぱ猫の勘は当たるな、部屋に盗聴器を仕掛けておいてよかった」


「またお前は邪魔するのか‼︎」


「一度助けてはいさよならは、ダサいだろ」


ドォンッ


壁を突き破り、竜が突っ込んでくる。昨日のより大きい


「こっちはキルクの解毒をする。姫やっちまえ」


「そりゃ、こんだけやられたら答えないと野暮ってものよ」


崩壊した壁から姫ちゃんが飛び出していく


「ニコ…さん、姫ちゃん…だけ…じゃ…」


「普通ならそうだろうな、ただ夜、それも満月の夜は猫のテリトリーだ。さぁ、目覚めろ『月喰みの黒虎』」


闇夜を溶かしたかのような体、満月のような目、月でさえ一飲みにできそうな巨体。あれが姫ちゃん


「解毒もあらかた終わった。本当に決着をつけてくる」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


全く竜をこんだけ用意するとか、どこの王族だよ。いや本当に王族が貸与しているのか。事の顛末はこうだ、隣国とワツナ王国は少し前まで戦争をしていた、しかし数ヶ月前ワツナの大敗で調印を押すことになる。


その調印を行ったのが第一王子、その時、調印しに来たワツナの国王について行っていたキルクに一目惚れし、キルクの婚約者の地位と少しの賠償金だけで調印をしてしまう。当然隣国ではそんなことは受け入れられない、しかしここで決めたことを破れば、周辺国との軋轢が深まる、そこでキルクを殺し契約の不履行を理由に調印し直そうという魂胆になったということだ。本当に胸糞悪い


数が多い、黒虎化した姫といえどてこずる数だ


俺も本気を出すとするか


「黒の対は白、闇の対は光、月の対は陽、対となるものは混ざり補完する」


黒かった髪が白く、焦茶だった目が赤みがかった黄色に変わっていく


「陽喰いの白虎」


服装が変わり日本の軍服のようなものにマントを羽織る形になり、耳と尻尾が生える


「さぁ、ショータイムだ」


指をピストル状にし、目標へ向ける


ドゥ


マントと帽子が飛んでいきそうなほどの風圧と共に光が放たれる。一匹の羽に直撃、羽を付け根から焼き切る。


「ちっ、やっぱり慣れないなこのやり方」


38式歩兵銃を召喚


照準し撃つ、残った部位が街に落ちないように全て消し飛ばす


3匹ほどがこちらへ向かってくる。空を蹴り加速すれ違いざまに先端の銃剣で首を落とす。その隙にリロード。残った体を盾にしながらその向こうの一匹のこめかみを撃ち抜く。


『ニコ、こっちは三匹はいった』


今の姫は大型の竜を組み伏せられるほどの巨体だが、それでも三体、やはり集団というのは怖いな


それにしても三匹か今見えているだけで、20以上はいるのだが。


『姫あれ、やるぞ』


遠くで戦う姫に向け迷い無く引き金を引く、十数もの光の帯が姫に吸い込まれる。竜の周囲に魔法陣が現れ撃った弾が出てくる。


『光芒』


姫が自分に当たった光を闇へ還元、それを俺がさらに光に還元することで、攻撃力が弱いが動かしやすい闇と、一直線だが高火力な光の利点のみ残す技


今ので半数近くの竜が倒される。近接しかできない姫より俺の方が危険と判断したのか四方八方から襲いにくる、尤も距離もあるので全て撃ち抜く。正面、右、左からの噛みつきをスレスレで交わし銃床で上から撃ち下ろす。そうして取った距離を使い、弾を叩き込む。


そうそう忘れたわけじゃないぞ、後ろ(今は左だが)の君、噛みつこうとしたところで眉間に銃剣を刺しそのまま頭を唐竹割りにする


敵は残り二匹を残し自分は逃走を図る


「さて、姫さんや?」


大きな相手ではないので、人型になり、和装っぽい衣装に身を包んだ姫に声をかける


「なんだいニコさんや?」


「30近くいた竜も残り三匹、これぐらいで勘弁しておいてやりやしょうか」


「何を言っているんだ、形も残らないほど滅多うちにするに決まっているじゃないか」


「ですよね」


少し遠いな、片膝立ちになり肘を膝に掛け、照準がブレないようにする。


ドゥッ


発射音をスタートの合図に姫が飛び出す。


撃った弾が右の竜を撃墜


姫はモーリスが乗った竜を狙う


さらにもう一発、右の竜も撃墜


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


この形態は、大きくはないが早さや力が段違いに強くなる。ニコの弾丸にも追いつける。


竜の隣を通る時に攻撃されないよう早めに倒してくれている。


モーリスが乗った竜の尻尾を掴み引っ張り街の外の森までぶん投げる。モーリスも同時に飛んでいくので、捕まえる。


「ニコー、捕まえた」


「よし、あとは騎士団がどうにかしてくれるだろうから、引き渡しては俺らはもう一つの方やるぞ」


「はーい」


したで避難誘導をしていた騎士団に渡し、白い普通の猫のサイズになったハルを肩に乗せ問題の隣国へ向かう


王城が見えた


中ではパーティーでも開いているのか、大勢の人の気配と煌びやかな飾り付けが見えるなんとも豪勢なものだ、


王城の上空へ魔法陣を描いていく


人には光が当たらないように、第一王子と国王と人以外のみに光が当たるように魔法陣で制御する


魔法陣が一層強く煌めいたかと思えば中から光が溢れる


王城が光に包まれながら崩壊していく、王城の跡地には大きなクレーターと赤熱した土地、そして何が起こったかわかっていない貴族共が落ちている。


これでこの国崩壊は必死だろう、あとはこの国を周辺国で分け合えばいい


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「いやー姫よかったな」


「本当にね」


あのあと王城へ帰ると、城の人総出で出迎えてくれてそのまま一晩泊めてもらった、そりゃもう最高なベットとご飯が出て、お金ももらえて最高だった


「ニコさーん、待ってくださーい」


「キルク、なんでついてきてんだ、というか護衛は、もしかして城を抜け出してきたのか⁉︎」


「い、いつの間にか敬語じゃなくなっている。そうですよ、お転婆な私は城を無断で抜け出すぐらいはするものです」


「ほら、早く帰りなさい」


「いいんですか?私今帰ったら、城の人にニコさんに攫われったって言いますよ」


「そんなの証拠も…」


「助けるためとはいえ、私を一度攫い、部屋に盗聴器まで仕掛ける。極刑などは無くとも、一国の第一王女の力を使えばこの事実だけである程度のけいは執行できるんですよ」


「ちっ」


「ですが、あなたには私が、私をさらったことを無罪として宣言するという権利があります。ここまでなら未遂ですからね、これは使えません」


「で?どうして欲しい?」


「私をこのまま連れて逃げてください、そうすれば攫ったことになりますから、無事無罪放免ですよ」


「…」


「姫様ー」

「どこに行かれましたー」


「あっ、追手が来てしまいましたね、さぁ、どうします?」


「あーもうわかった連れてけばいいんだろ」


「これからよろしくお願いしますね」


「あっ、いたぞー」


屁理屈捏ね回して、地位の特権で脅して自分を連れていくことを強制するヤベーやつが仲間になってしまった。


だが、これはこれで楽しそうなので。まぁ、いっか

黒猫好き


主人公の白虎形態は構想時点ではなかったんですが書いてたら降ってきました


やっぱ題名に釣られた人っているんですかね?題名はなろうっぽい方がいいのか、そうじゃない方がいいのか迷っているので、参考用に教えていただければ嬉しいです

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