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OWPS 番外編   神々の楽器物語 〜始まりと終わりのハーモニー〜  作者: 大皇内 成美


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2/12

第2話:ちえ、ぜったいあきらめない!

前書き:音に宿る、あきらめない心

神々の音楽会が終わり、雲の上に静かな光が戻る。

完璧な音を奏でるいずみが優勝し、ちえはまた2位だった。

でも、ちえは泣かなかった。彼女の中には、まだ響いていない音があったから。

この第2話では、ちえが「収束」の力に目覚め、自分だけの音楽を見つけていく。

鳥のさえずり、風の音、神様たちの笑い声——

すべての音が、ちえの心に集まり、物語となって響き始める。

「絶対音感」ではなく、「詩的絶対音感」。

それは、音の意味を感じ取り、気持ちを音に乗せる力。

ちえは、いずみの真似ではなく、自分の音楽を奏でる道を歩き出す。

神々の応援に包まれながら、ちえの挑戦が始まる。

あきらめない心が、音楽を変えていく——

そんな希望に満ちた物語の幕が、今ふたたび上がる。


(第1話のエンディングから続く、少し希望に満ちたBGM)

ナレーション(神様A):

「第1話の音楽会、すごかったね!いずみちゃんの完璧な音と、ちえちゃんの賑やかな音!」

ナレーション(神様B):

「結果は、またまたいずみちゃんの優勝!ちえちゃん、悔しそうだぞ!」

神々の音楽会が終わり、神々の世界はいつもの穏やかな日差しに戻っていた。

ちえは、自分の部屋でエレクトーン「ELB-02」と向き合っていた。彼女の指は、止まることなく鍵盤の上を動いている。けれど、その音には、いつもの楽しさが少し欠けているようだった。

ちえ:

「この音じゃ…いずみちゃんには勝てないのかな」

ナレーション(神様A):

「おっと、弱気になってるぞ、ちえちゃん!」

その時、窓の外から、神様たちの声が聞こえてきた。

神様たちの声(合唱のように):

「ちえちゃん、ぜったいあきらめない!」

「ちえちゃんならできる!」

「ちえちゃん、頑張れー!」

ちえは、はっと顔を上げた。窓の外には、たくさんの神々が、手を振ったり、応援のプラカードを掲げたりしている。

ちえ:

「みんな…」

ちえの心に、温かい光が灯った。そうだ、みんな応援してくれているんだ。いずみに勝つことだけが目的じゃない。

ちえ:

「ゼロツー、私、諦めないよ!もっと、みんなが喜ぶような音楽を奏でたい!」

『キューン!その意気だよ、ちえ!』

ELB-02も、嬉しそうに光る。

ナレーション(神様B):

「よーし、やる気が出てきたぞ!でも、どうやっていずみちゃんを超えるんだろう?」

いずみの「絶対音感」は、生まれ持った才能だ。対して、ちえにはそれがない。

ちえは、自分の持つ「収束」の力について、考え始めた。あらゆるものを集めて、一つにする力。

ちえ:

「絶対音感は、一つの完璧な音を聴き分ける力。なら、私は…」

ちえは、目を閉じて、これまでに聴いた音を思い浮かべた。

鳥のさえずり、風の音、神様たちの笑い声、いずみのピアノの音、そして自分のエレクトーンの音。

それらの音が、彼女の中で一つに集まり、絡み合っていく。

ナレーション(神様A):

「ちえちゃん、集中してるぞ!すごい顔だ!」

ナレーション(神様B):

「これは、『収束』の力が発動してるんだ!知識や経験、全部集めてるんだね!」

ちえの中で、音がただの物理的な振動ではなく、色や形、そして「意味」を持って現れ始めた。

ちえ:

「鳥のさえずりは、喜び。風の音は、自由。神様たちの笑い声は、幸せ…」

彼女は、音に感情や物語が詰まっていることに気がついたのだ。

ちえ:

「音楽って、音符だけじゃない。みんなの気持ちが、ぎゅーってつまってるんだ!」

この気づきこそが、「詩的絶対音感」への第一歩だった。

音そのものを完璧に聴き分ける「絶対音感」ではなく、音の持つ感情や物語を完璧に感じ取る「詩的絶対音感」。

ちえは、再びELB-02の前に座った。

弾き始めたのは、先ほどと同じワルツ。

だが、音は明らかに違っていた。

ナレーション(神様A):

「あれ?同じ曲なのに、なんか違うぞ?」

ナレーション(神様B):

「音に、ちえちゃんの気持ちが乗ってる!すごく楽しそうだ!」

ちえが音を奏でるたび、その音は聴く者の心に直接語りかけるようだった。喜びの音、希望の音、そして、諦めない心の音。

ちえ:

「ゼロツー、聞こえる?私たちの音だよ!」

『うん!最高だね、ちえ!』

ちえはもう、いずみの真似をする必要はないと分かった。自分だけの、自分たちだけの音楽を奏でればいいんだ。

ナレーション(神様A):

「ちえちゃん、自分だけの道を見つけたみたいだね!」

ナレーション(神様B):

「そうだね!これからは、この『詩的絶対音感』を磨いていくんだ!ちえちゃんの挑戦は、まだ始まったばかりだ!」

ちえの部屋から流れる音楽は、神々の世界に優しく響き渡り、新たな物語の始まりを告げていた。

(希望に満ちたテーマ曲が流れ、フェードアウト)





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