俗物的な出会いから始まる純情な恋

結城奏《ゆうきかなで》は、ごく普通の高校二年生。
学校では地味で目立たない存在だが、裏では『KANADE』の名で活動する“天才作曲家”。
しかし、その動機は芸術や名声ではなく、ただ「金」。
富を得るためだけに、彼は今日も音楽を作り続けている。

一方、天宮透子《あまみやとうこ》は学校のスクールカーストの頂点に立つ美少女。
誰からも好かれる明るさとカリスマ性を持つ彼女だが、裏の顔は人気急上昇中のVTuber『皇城渚《すめらぎなぎさ》』。
彼女の目的は「名声」。
万人に知られる存在になるため、彼女はさらなる飛躍を求めていた。

そんな二人がネット上で出会う。
透子は渚としてKANADEにオリジナル曲を依頼し、奏は金の匂いに惹かれて依頼を引き受ける。
互いの正体を知らぬまま、ただの利害一致から始まった関係。

――だが、学校では“普通の奏”と“トップに君臨する透子”として顔を合わせる日常があり、やがてその裏と表が少しずつ重なっていく。

俗物的な欲望から始まった二人の関係は、次第に本物の感情へと変わっていくのか。
音楽と名声、そして愛が交錯する青春物語。