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蝶華城へ

刻は少し遡り、蝶華城を目指す緋水、淋木、豪覇の三人。


率いるは蝶姫達と同じく1万5千の兵。



豪覇を総大将とし、先陣を偵察隊率いる淋木が、

中陣を烈騎兵率いる緋水。 最後に後陣が豪覇である。



淋木がいる限り、こちらが奇襲を受けることはありえない。

何より蝶華城は、緋水の元城でありその周辺もまた彼の庭のようなもの。



道中に点在する村にも顔を出すと、やはり狼徳の軍が滞在していた。


ここらの村も、元々は緋水の支配下にある。

その為、緋水の軍が来ると村の皆は大いに喜び、滞在していた狼徳兵達も、数の差で大人しく縄に捕まっていた。



そして、その兵達の話によれば、今蝶華城を治めているのは

狼徳軍お馴染みの、実力も何も無い、ただ貴族というだけで優遇された無能な支配者らしい。



いや、無能で何もしないだけならまだいい。


だが、その領主はかなりの変態らしく、城内の若い女を集めては自分の慰めものとして扱っているらしい。


それも既婚者でさえも・・・・・・。



それを聞いた緋水は怒りに燃えていた。



「許さねぇ、、、俺の城の、、、俺の女達を、、、それも既婚者を、、、絶対殺す」



「同じ同性として、私も同感だけど隊長も既婚者に手出したでしょうが」



同じく怒りを露わにすると同時に隊長にも冷ややかな目を向ける

副将の斗亜。



女の話になると見境つかなくなる緋水。

彼ほど女好きな男もそうそういないだろう。



この村は近辺で一番大きく軍が滞在するにも打って付け。



「淋木、あの城には抜け穴がある。 とはいえ、大人数で行けば流石にバレちまう。 って事で、その穴を教えるからお前行って城門開けてきてくれよ」



「・・・・・・そんな見下しながら言われてもなぁ」



現在二人は向かい合っており、高身長の緋水は淋木を見下してる状況にある。



「て、てめぇ、、、この状況でもそんな事言うのかよ、、、

はいはい、これでいいか? 穴に入って城門を開けてきてくれ」



緋水は膝を曲げ、淋木より低くなり、今度は見上げるようにお願いした。



満足したのか得意気な顔で淋木は、



「しょうがないな。 本当に緋水は使えないんだから。任せて」



そんな淋木の姿を見て、溜息付きながらやれやれと言った様子で納得する緋水。


とはいえ、淋木の潜入技術は蝶国1であり、下手をすれば世界でも指折りかもしれない。



「ならば作戦は決まったのう。 淋木が城内に侵入し、門を開く。 開いた後に城壁の上の敵を掃除しろ。 次に緋水は門が開き次第

城内の歯向かう敵兵を蹴散らした後に領主の首を取れ。

私は各門に兵を置き逃げる敵兵を捕らえる」



「おうよじじぃ!」


「だから、上から支持しないでって」



こえして、豪覇の指示の元作戦は決まった。

攻めるは夜明け前。


暗がりの中、淋木達は侵入する手筈となっている。


皆は戦争に備え、早めに就寝した。







まだ月日が見える頃。


淋木達が動き出す。


緋水から教えてもらった井戸から侵入し、城内へと入る。

聞いていた通り、出た先は廃墟の中であり、人の気配は無い。



次々に侵入する淋木率いる『黒殺衆コクサツシュウ』。


戦闘集団は得意としていないが、1体1に特化されており、主に暗殺を生業としている部隊。


侵入、偵察、暗殺、拷問。

つまり、特殊部隊のようなものだ。



彼等は集団戦が弱いことは無いが、個人戦に特化されているため

城内戦などはお手のものである。




黒殺衆は淋木に率いられ、井戸より侵入を開始する。


だが、侵入するのは井戸からだけではなかった。



緋水に聞けば全部で抜け道は5つもあると言う。

よって部隊を5つに分けての侵入。



つまり、、、



「ぬる過ぎ。 これなら緋水と戦うことになっても簡単に勝てるよ」



そうボヤきながら城内への侵入に成功する。


そこからの黒殺衆の動きは素早かった。



次々に警備兵を暗殺していき、騒音もたてずにその数を減らしていった。



あっという間に城門へと辿り着くと、淋木達は門を開く。

その間、他の4つの隊は城壁へ登り、そのまま警備兵を殺していく。




「おいおい、、、これなら淋木達だけで制圧できただろ。

俺らいらなくね?」



あまりの手際の良さに自分の存在意義を見失う。



「何言ってるんですか! ここは私達の城ですよ?!

自分達の手で取り戻さないと、住民達も戻ってきませんよ!」



やる気のない言動に喝を入れる斗亜。



「そうだった!!! 俺の帰りを待つ女達の為にも俺は頑張らなくてはいけない!!! いくぞてめぇら!!!」



突然やる気を出す緋水は声高らかに叫び槍を掲げる。


緋水率いる烈騎兵の力は凄まじく、騒音で駆け付けた敵兵を

次々に葬っていく。



馬に轢かれ、槍で突かれ、城内には狼徳兵が死屍累々していた。




そんな中、緋水が目指す先は一つ。

自身の住む主塔である中心部。


敵総大将も恐らくそこにいるだろう。

いや、間違いなくそこにいるはずだ。




自分の城ということもあり、緋水は迷うこと無く進みあっという間に到着した。



「斗亜! 俺はこのまま中へ入る。 お前は城内の掃討を頼んでいいか?」



「了解しました! お気をつけて!」



この中に強そうな敵はいない。

ならば斗亜に任せても問題ないだろう。



そうして、緋水はそのまま主塔へと入るのであった。

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