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戦場を舞う蝶  作者: ディアン


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五行の竜土

目の前に居るのは間違いなく獅徳だ。

忘れるはずがない。


蝶姫は急いで馬から降りると、そのまま一目散に獅徳の元へ走る。



獅徳も姉である蝶姫の姿が直ぐに目に入り、ある程度馬で近くまで行くと、落ちるように飛び降り走り抜けた。



最早、お互いにお互いの事しか視界に入らない。

それ程に再開に感動しているのだ。




「姉上ッ!!!!!」



「獅徳ッ!!!」




二人は抱きしめ合い、互いに顔を涙で濡らしている。


死んだと思っていた獅徳が生きていた。


そして、獅徳も行方不明と思っていた蝶姫が生きていた事に喜んだ。



雷火達も蝶姫と獅徳の近くへ行き、二人の感動の再会に安堵する。


もし、これで人違いだったならばまた蝶姫の心は地に沈んでいたかもしれない。


それ程に、蝶姫は獅徳を必要としていたのだ。


とはいえ、それも当たり前である。


父は殺され、兄は反乱を起こした。

つまり、家族は最早獅徳しかいないのだから。



気が済むまで二人の再開を邪魔をせず見守り、落ち着いたところで、獅徳に古城へと案内された。




古城へ入り、驚いた事がある。



城壁の上に居た兵士は、兵士ではなかった。


藁を人型に見繕い、鎧を着せた案山子だったのだ。

そして、実際に居る兵士の数は恐らく500程。


それをこの城は約倍の数に見せていたのだ。



これには雷火や緋水も驚いた。




「皆さんコチラです。 僕を、いやこの城を守り抜いてくれた方達を紹介しますね」



城の中にはいり、一つの部屋へと入る。

すると、そこには三人の男が居た。



そして、雷火と緋水は更に驚くこととなった。




「ッ?! お前は、、、竜土リュウド---。」



雷火がそう口にする名前。


五行将軍の一人であり、最後の男。



身長は平均並であり、覇気を感じられない様子。

なんとも気だるそうにしている男だ。

髪の毛はパーマ掛っており、髪色は茶色。


目はなんとも眠そうにしており、実はいつもこんな目をしている。




そして、蝶姫もその男を見て確信した。


この雰囲気は間違いなく竜土だと。



「んえ? あっ、、、雷火じゃん。 それに、緋水まで。

皆、一緒だったんだね。 あれ? 淋木と鳳金は居ないね

って、もしかして君は、、、蝶姫? 随分大きくなったね。

って当たり前か。 あれから何十年も経ってるんだから」



力の抜ける声でそう語りかける竜土。



「お前は相変わらずだな! お前と話していると体の力が抜けちまうぜ」



それと同時に、この古城の守りが如何に硬いかがわかった。



『鉄壁の竜土』



それが世界に広まる竜土の二つ名。


彼の守りを崩した軍は過去に一度もない。

それ程に竜土が指揮する軍は硬いのだ。



だから、狼徳軍が六度も撃退されているのにも納得出来た。


何故ならば、ここに竜土がいるから。



「竜土!!! 久しぶり! 貴方が私の弟を守ってくれていたのね! 本当にありがとう!!!」



感動のあまり竜土に抱き着く。




しかし、竜土の様子がおかしい。

完全に明後日の方向を見て固まっているのだ。



それと同時に一つ思い出した。



『竜土は女性への免疫がない』ということに。



緋水は必死に笑いをこらえ、雷火は頭を悩ましていた。



「おい蝶姫、そろそろ離れろ。 竜土が使えなくなる」



蝶姫はなんの事だかわからないが、言われた通り竜土から離れると

ようやく視点が定まり、我に返った。



「・・・・・・危なかった。 ありがとう雷火。 もう少しで僕は死ぬところだった。 鉄壁の僕を殺せるなんて、、、やっぱり蝶姫は昔から強いよね」



何を言っているのかサッパリ分からないと言った様子の皆。

それはもちろん蝶姫も。



「ん? 相変わらず竜土は面白いこと言うよね! でも、私も本当に強くなったんだよ! 竜土にも早く見せたいな!」



何故か話が繋がる二人。


どこか似ているのかもしれない。

そんなこんなで久しぶりの再開に盛り上がっていると一人の男が恐る恐るといった感じで口を開く。




「あ、あのー、、、」




獅徳だ。


完全に空気とかしていた。

彼はいちを王子なのに。



「あっ、獅徳!!! そうだ! 改めて皆で自己紹介しよう!

って獅徳! 貴方前よりも大きくなったんじゃない?」



自己紹介はどうしたんだ。と心の中で思うも、これが姉さんなのだと心の中で言い聞かせ諦める。



「半年以上も経ちましたからね! それに僕もただここに居座っていた訳ではありません! 竜土さんの副将である、庄亀ショウキさんに特訓をしてもらっていたんですよ! ねっ! 庄亀さん!」



獅徳が見る方向を見れば、そこには今まで会った誰よりも大柄な男がそこに居た。


腕は丸太のように太く、髭っ顔で太い眉毛。

山男の様な見た目だ。



「我は竜土将軍の副将である庄亀と申します。 以後お見知り置きを」




ふてぶてしい声でそう話す庄亀。


最早、竜土よりも庄亀の方が将軍と言われて納得出来る外見だ。



子供が見たら大泣きするようなその外見ではあるが、蝶姫は

テクテクと、庄亀の元へ駆け寄った。



「ありがとう! 貴方がいてくれたおかげで獅徳はこんなに逞しくなっていたのね!」



庄亀の手を取り思い切り振るう。



いきなりの事に周りや庄亀も驚く。

いや、庄亀は顔を真っ赤にしていた。


とても分かりやすいほどに。



「お前もかよ」



思わず緋水が口に漏らす。



どうやら二人揃って女性への免疫がないようだ。


そんなこんなで、自己紹介もそっちのけで盛り上がりを見せ

無事に蝶姫は最愛の弟である獅徳と再会出来たのであった。


おまけに最後の五行将軍である竜土にも。

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