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進む道

長々と書けずにいた事お詫び致します。

申し訳ありません。


お盆前ということもあり仕事が繁忙期であり、とても小説を考える時間がありませんでした。


仕事も落ち着きましたのでこれから書ける範囲で書いていくので、どうか寛容な心で見ていただけると嬉しいです。

蝶龍城にて待機している蝶姫と雷火、鳳金の元に一報がやってくる。



『鷲国との同盟成せり!』



その一報に皆が目を見開くと共に、武官や文官達も歓喜した。


これで背後の憂いは絶たれた。

後は前を進むのみ。


鳳金はニヤッと笑みを浮かべるとすぐ様、とある手配をした。



「鳳金! 李凛が上手くやってくれたみたいね!

ずっと一緒に居たのに、李凛にこんな力があるなんて思わなかったよ」



笑顔でそう話す蝶姫に鳳金は頷く。

だが、鳳金は何やら蝶姫の表情に違和感を覚える。


確かに喜んではいるが、その反面どこか寂しげな表情が垣間見えた。



実は蝶姫は李凛の才能に驚き歓喜すると共に、少し劣等感に苛まれていたのだ。


李凛にも李凛にしかできない事があった。

なら、自分は?

自分にしか出来ないことは何?


必死に考えたがやはり、何も無い。

王妃とは言え、それは自分の才能では無い。

生まれ持っての特権だ。


武器の練習もしているが、まだ雷火の足元にも及ばない。


そう考えると蝶姫の表情は段々と暗くなっていた。




『ポン』




突如頭の上に手を置かれる。


いきなりの事に驚き横を見ると雷火が隣に居た。



「焦るな。 人にはそれぞれ絶対にその人にしか成せない役割がある。 当然蝶姫にもある。 その才能が開花するまで待っても遅くは無いだろう。 お前はまだ16なんだからな」



蝶姫はポカンとした表情で雷火を見つめる。



(雷火はいつも私の心を見透かしている気がする、、、口調は荒いかもしれないけど、言葉はとてもあったかいんだよね)



「ありがとう雷火! 鳳金は作戦会議があるみたいだし、訓練行こう!」



そう言って雷火の袖を引っ張る。



「ん? 蝶姫っぽくなってきたな。 よし、特別にいつもより

特別仕様の訓練にしてやる」



何やら雷火のやる気を出させてしまったようで、悲鳴を上げる蝶姫。

だが、もう遅い。

自分から行こうと誘ったのだから。


そうして訓練場へと向かう2人を苦笑いしながら見送る鳳金。



(羨ましいですね雷火。 貴方はいつも蝶姫様の心を読む事が出来ていた。 他の女性の心は全く読めない癖に、、、ふふっ)



そう、雷火はとてもモテる。

それはそうだ。


若くして将軍となり、見た目もイケメン。

何より一城の長である。


そんな雷火がモテないわけが無い。


だが、雷火は無頓着であり女性の心を知ろうとすらせず、告白されても直ぐに振り、数多の女性を泣かせてきたのだ。



それなのに、不思議と蝶姫の心だけは毎回読む事が出来る。


そんな雷火が鳳金はおかしくてたまらなかった。



「貴方には勝てる気がしませんね」



小さく呟く鳳金に、周りの文官達は首を傾げていた。



「気になさらないでください。 では作戦会議を始めます。

背後の憂いが絶たれた今、狙うは狼德殿のみ。

次に目指すはここです」



そうして鳳金は地図にある一つの城を指さした。




蝶支(チョウシ)城。


こちらが管理する蝶巴城から1日の距離に位置する一番近い城だ。

この城を取れば、蝶巴城と蝶支城の双璧が成せる。

敵が来ても直ぐに援軍にいける。


つまり、守りが磐石となるのだ。


そして、蝶支城を取れば守りもあまり考えることなく攻めに集中する事ができる。



だが、敵も蝶支城の重要性に気付いており、たくさんの兵士を駐屯させていた。


淋木の話では、既に3万以上の兵士が入っているとの事。


対してコチラは全兵力を合わせて2万5千だ。



城攻めはコチラが多くなくてはいけないのに寧ろ少ない。


だが、策もなく鳳金が攻めるはずもない。



「さてさて、蝶支城の目の前には広大な畑が。

もうすぐ収穫の時期ですね。 ふっふっふっ」



不気味に微笑む鳳金。

既に鳳金の頭には一つの策が浮かんでいる。




訓練場では雷火と蝶姫が日課である剣術の訓練をしていた。



女性ならではの柔らかさを活かした柔の剣。

雷火が今まで相手にしてきた人間は当然男である。


つまり、剛の剣。

力と力のぶつかり合いだ。



それもあってか蝶姫の剣術の上達に伴い、雷火も次第に加減が

難しくなっていた。


手首の柔らかさを活かし、切るよりも突きに特化されたその剣術。


蝶姫は自分に何も才能がないと言っていたが、実際はとてつもない

才能を秘めていた。


やる気がないだけで、やらせれば何でもこなせるであろうその技術。


その証拠に馬術も訓練なんかした事がなかったと言っていたのに

狼德の反乱から逃げる時は必死に馬を走らせていた。



蝶姫には誰よりもすごい才能があるのだと雷火だけは理解している。


そして、誰よりも蝶姫のその才能を肌で感じていたのだ。



案の定、数年後に蝶姫の名は全世界へと広まるほどに才能を開花するのであった。

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