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外交

申し訳ないのですが、お盆前ということもあり仕事が繁忙期に入ったのでしばらく投稿率が下がります。

時間がある限りは書きたいと思っているのですがご了承ください。

本当に申し訳ありません。

「これで何度目だ?」



偵察隊からの報告を聞き、驚く雷火。



どうやら、根城を作った山賊達が狼徳軍に対して4度目の防衛に成功したとの事。



最初の三戦こそは、少数での様子見の様だったが四度目ともなると狼徳も数千単位の兵士を投入していた。


だが、それでも勝てることは無かかったのだ。




山賊相手に狼徳は連戦連敗である。


向こうの戦力が削がれることは有難いが、次の戦争の時

狼徳の城へ攻めるとなると、その根城はどうしても邪魔な存在となってしまう。




一番はこのまま狼徳軍の数を減らしつつ根城に住む山賊も減らす事だ。



「敵の住む根城には狼徳軍が直ぐに包囲網を仕掛けたようですね。 淋木の配下なら簡単でしょうが、私達の持つ偵察隊では中までの様子は見れないでしょう。 さて、どうしましょうか」



鳳金も山賊達には頭を悩ます。

いや、正直今はどうでもよさそうだ。


雷火の目からは鳳金がさほど、焦っている様子は無い。

むしろ、他に目的がある様な感じだ。



「今は別にどうもしなくていいんだろ?」



雷火の言葉に微笑む鳳金。



「えっ?」



蝶姫だけはなんの事か分からず頭を混乱させている。

何より訓練が終わったばかりで疲弊していた。



「ふふふっ、そうですね。 今は内よりも外です。 でも大丈夫。

それを解決してくれる優秀な方がここには居りますので」



そう言って鳳金は蝶姫の方を見る。



「えっ? 私?!」



驚く蝶姫。

だが、そんなはずは無いと雷火もわかっている。


鳳金が言っているのは蝶姫ではなく、その後に立つ李凛だ。



「李凛さんの考えが無ければ、私は数時間、時間を無駄にしていたでしょう。 と、いうことで李凛さんには是非外交官となって他国へと向かって欲しいのです」



その言葉に驚く二人。

だが、李凛は先程その話を聞いていた為表情が変わることは無い。



「えっ? 李凛が?! 無理だよそんなの! 李凛も私と同じでだらだらしていたんだからね!」



その言葉にカッとなる李凛。



「な、何を言っているのですか!!! 私は李凛様が呆けた顔で寝ている間もせっせと働いていました! それに本で勉強もしてたし幼少期もある程度の教養は身に付けていたんですー!!!」



ぐーたら姫とは一緒にしないでくれと言わんばかりに波のように押し寄せる李凛の言葉。


流石の李凛も押されてへの字も出ない。



「で、でも、李凛にそんな危険な事させたくないよ!

敵国に行くんでしょ? 何かあったらどうするの?!

李凛は私の大切な親友なんだがら! 絶対に離さないんだから!」



「・・・・・・蝶姫様、、、」



蝶姫の必死な抗議に胸を打たれる李凛。

ここまで自分の事を想ってくれていたなんて。


ならばこそ!

李凛はやはり行く事を決意した。



「蝶姫様、ありがとうございます。 ですが、やはり私は行きます。 蝶姫様も今はそのか細い手で剣を握っています。 ならば、私も私に出来る事がしたい! それに、鳳金様が大丈夫と言ったならなぜが大丈夫な気がするんです! それに、私も蝶姫様を支えたいのです」



蝶姫の手をとる李凛。



「そんな、、、李凛まで失ったら私はもう、、、もう、、、」



目に涙を浮べる。

そんな蝶姫を李凛は優しく抱きしめる。



「大丈夫ですよ。 絶対にそんな事は起こりえません。

私だって死ぬのは嫌なんですから! 危険だったら私も行きませんよ!」



笑顔で李凛はそう話す。

もちろん、蝶姫を安心させる為でもあるがこれは本心である。


行く場所が場所なだけに、李凛も安心してあるのだ。



「それで、どこへ行くんだ?」



気になった雷火は本題に入る。




「鷲国です。 我等と一番友好関係にあり、同じ思想を持つ鷲国です。 幸い、向こうの国を治めるのは女性である王妃です。

こちらも女性なら、王妃も話しやすいでしょう。

つまり、危険はまずないと言っても過言ではありません。

それに、私の副官も付けますのでご安心をください」



雷火は納得した表情。

確かにここ何年も鷲国と戦った部隊はいない。

それに攻められた記憶もない。


そう。今の王妃に代わってからは、鷲国との戦争や小競り合いは一度も起きていないのだ。



つまり同じ思想を願っているに違いないと鳳金は読んでいた。




「なるほどな。 それでいつ出発するんだ。 あまり外にばかり目を向けてはられんぞ」




「わかっています。 ですが、狼徳殿も今やその山賊で手一杯でしょう。ならば、今の内に外への打開策を講じるべきです。

退路は常に確保しておかないといけませんからね」




こうして、李凛初の外交官の仕事が決まった。

当然経験もない為、鳳金の副官の護衛や、戦略家等の側近も

李凛の助手として付き添う。



この外交によって蝶国の命運は大きく変わる。

もし、相手を怒らせるようなことがあれば、鷲国以外で友好を結べる国はないだろう。


つまり、例え狼徳を倒してもその先に未来はない。

完全に絶たれることとなる。



つまり、この外交は蝶国の命運を掛けているといってもいいだろう。





二日後、鳳金から色々な策を設けられ、鳳金の配下である銅刹と共に鷲国へと進むのであった。

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